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johannが開拓した、バンドのニーズがあるのに届いていない場所

johannが開拓した、バンドのニーズがあるのに届いていない場所

johann『ZASHIKI-WARASHI fanfare』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:西槇太一 編集:矢島由佳子
2017/04/19
  • 39

5人組ツインドラムインストロックバンドjohannが、3年半ぶりのオリジナルアルバム『ZASHIKI-WARASHI fanfare』をリリースする。2000年代後半、日本でもポストロックがシーンとして盛り上がりを見せていた時代に活動を始めたjohannは、一介のポストロックバンドたちとは、どこか違っていた。俯きながらテクニカルな演奏を披露するのではなく、常に日本的な情緒を、音楽活動のなかに追い求めてきた。そしてjohannの音楽は、常に日本的な「祭り」の精神と共にあった。

詳しくはインタビューに譲るが、この3年半はjohannにとって決して順風満帆なものではなかったようだ。しかし、彼らが音楽という名の「祭り」をやめることはなかったし、むしろ彼らは、本気で日本の土着的なお祭り文化とコミットすることで、自分たち独自の活動スタンスを切り開き始めている。そう、ロックフェスやライブハウスだけが、バンドの生きる道ではないのだ。

一歩ではなく、半歩ずれているくらいの新しいことをやりたいなって、いつも思っているんですよね。(佐藤)

―CINRA.NETでは4年ぶりのインタビュー(前回:四畳半時代の悔しさをバネにして johannインタビュー)となりますが、当時johannは、クラウドファンディングを利用していましたよね。バンドがクラウドファンディングを利用するのは、かなり早かったのでは?

佐藤(Gt):そうですね。日本での前例は、まだほとんどなかったと思います。いつも他の人がやっていないことをやりたいし、でも、他の人がやっていなさすぎることをやると「なんだ、こいつら?」って思われるから、一歩ではなく、半歩ずれているくらいの新しいことをやりたいなって、いつも思っているんですよね。

それで当時調べていたら、CAMPFIREのクラウドファンディングサービスに辿り着いて。僕らが利用した次の年ぐらいから、NHKの番組でも取り上げられたりしたので、「先駆けたな」って、自己満足しています(笑)。

左から:佐藤竜市、深津良輔
左から:佐藤竜市、深津良輔

―そのときの支援者の方々に、今でも曲を送ったりしていますよね。

深津(Dr):そうですね。今回の作品のブックレットにも、『Haiku Days』のあとに出したLiaroid Cinemaとのスプリットアルバム(『話灯』)のブックレットにも、あのとき支援してくれた人たちの名前を載せているんですよ。今回の作品は今回だけのものではなくて、『Haiku Days』の経験を経て生まれたものなので、「あのときの支援があったから今も活動できています」ということを示したかったんです。

―この4年間で、バンドを続けていくことに対しての意識変化はありましたか?

佐藤:最近だと、「仕事があるうえでバンドをやっていく」という考え方の人が多いじゃないですか。それって、あくまで「生活のための仕事」と「音楽活動」を別々に考えているってことですよね。だけど、そうじゃなくて、一緒にしちゃいえばいいんじゃないかと思うんです。

佐藤竜市

―確かに、音楽活動で食べていくのが難しい時代になって、仕事をやりながらバンドをやる人も増えましたね。

佐藤:僕は今、個人で映像ディレクターやデザイナーの仕事もしているんですけど、そっちの仕事の名刺にもjohannのマークを入れているんです。今はもう、「音楽=映像」「映像=音楽」という価値観が当たり前じゃないですか。それなら、全部仕事にしちゃえばいいんじゃないかと思って。そうすることで、自分がバンドを始めたときの目標だった「音楽でご飯を食べていく」ということに繋がればいいなと思うんです。

ミュージシャンが演奏する以外でお金をもらっちゃいけないっていう決まりはないじゃないですか。ミュージシャンが、その感性を使って他のことを仕事にできればお金になるわけだから、それで活動を回していける風潮を作りたいなって。それができれば、すごく楽しいと思うんですよね。

佐藤自身が監督・編集を手がけている

―この4年間、johannにとってはどんな期間だったと言えるのでしょうか?

佐藤:もう、迷走ですね。

2016年7月のライブ写真。千葉県柏市『柏まつり』にて
2016年7月のライブ写真。千葉県柏市『柏まつり』にて

―迷走、ですか……?

佐藤:去年、31歳にして初めてフェスとかのオーディションを受けまくったんです。あらゆるオーディションに申し込んで、全部いいところまではいくんですけど、結局落ちるっていう(苦笑)。30歳過ぎてから落ちるのって、きついですよ。「あんたはダメ」って言われているようなものじゃないですか。

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リリース情報

johann『ZASHIKI-WARASHI fanfare』
johann
『ZASHIKI-WARASHI fanfare』(CD)

2017年4月19日(水)発売
価格:1,700円(税込)
TTPM-2

1. 虹色商店街
2. やさしいしと
3. 島人ぬ宝
4. 鬼泣峠
5. 今夜あなたと

アプリ情報

『johann / Haiku Days + "DEMO-2009"』

料金:1,600円(税込)
互換性:iOS 8.0以降(iPhone、iPad、および iPod touch に対応)

プロフィール

johann
johann(よはん)

2008年結成のツインドラムインストロックバンド。TOKYO JAPANESE WABI SABI TATAMI PRIDEというスローガンを掲げ、日本の情緒、文化を独自の解釈でロックミュージックに乗せて表現している。『earth garden』『TONE RIVERJAM』、お台場で開催された『CHIMERA GAMES』、地方の祭り会場等、野外フェスにも多く出演。また、スウェーデンのLAST DAYS OF APRIL、テキサスのHIKESのツアーサポート等、来日した様々なアーティストとも共演を重ね、着実に経験を積んできている。日本最後のサムライ五人組が奏でる、音の紡ぎに是非耳を傾けて欲しい。

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