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久本雅美×喰始が語る、WAHAHA本舗34年の歴史と下ネタの美学

久本雅美×喰始が語る、WAHAHA本舗34年の歴史と下ネタの美学

ワハハ本舗『ラスト3』
インタビュー・テキスト
萩原雄太
撮影:鈴木渉 編集:飯嶋藍子

笑いとおふざけは紙一重なんですよ。(久本)

―久本さんにとって、舞台に上がるときと、テレビに出演するときは、仕事の取り組み方も異なるのでしょうか?

久本:全然違います。テレビは、自分に要求されているポジションみたいなものがあるから、それに対してどれだけ応えられるかという楽しさがあるんです。

舞台は自分がいちばん何を面白がっているのかを見つめて、自由に表現できる場所。だから、いちばん緊張もするし、プレッシャーも心労もほかと比べ物にならないですよ。それでも、お客さんが面白がってくれたら、ものすごい喜びとエネルギーに変わる。自分にとって最高の遊び場ですね。

久本雅美

―舞台では、観ている側がぶつけるエネルギーも違いますね。

久本:お客さんも「どんなもん見せてくれるの?」「つまんなかったら承知しないぞ」っていう気合が入っていますよね。こっちはこっちで「お客さんが思っている以上のことをやりたい!」って気持ちで舞台に上がります。そんな真剣勝負だから、スリリングで面白いですよ。今でも毎回緊張しますね。

―34年間続けている久本さんでも緊張するんですね。

久本:しますします。だから、めちゃくちゃ稽古してるんです。客いじりはアドリブだけど、舞台上の演技は私も柴田さんも、誰もいない稽古場で、本番同様にがっつり稽古しています。やらないと気が落ち着かないんです。

:お客さんも、「半分アドリブだよね」と思っている人は多いのですが、毎回最初から最後まで全部稽古の賜物です。シェイクスピアの長台詞をやっているかのように、下ネタを稽古していますからね(笑)。

喰始

―そこまで徹底した稽古のもとに、WAHAHAの過激で下品な芝居が生まれているんですね。

久本:けど、下品に対しても線引きがあります。例えば、ただ「ウンコ」って言うのは小学校3年生のレベル。それをどうやって面白く見せるかがWAHAHAの真骨頂なんですよ。

:ウンコって、実物見ても笑えないですよね。汚いし、嫌じゃないですか。でも、それが都庁くらいの大きさの作り物だったら笑えるし、とぐろを巻いた虹色のウンコだったら笑える。この前やったのは「ウンコの妖精」といって、箱にウンコを入れて、開けるとオルゴールが鳴り出す。そのウンコには羽がついていて、パタパタと飛んでいくわけです。

―幻想的なウンコだ(笑)。

久本:単にウンコを使っているから下品、チンコを使っているから下品ではないんです。私が大好きなWAHAHAのダンスシーンがあって、作り物の長~いチンコを役者たちがバンバン振り回しながら踊るんです。それが、めちゃくちゃかっこいいんですよ!

2004年に上演された『踊るショービジネス』の様子。長い局部を振り回しながら俳優たちが踊る
2004年に上演された『踊るショービジネス』の様子。長い局部を振り回しながら俳優たちが踊る

:WAHAHAではお馴染みの裸タイツが生まれたのもそんな発想からでした。海外の写真集でボディーペインティングを見たんです。裸なのに裸に見えない、これはすごくかっこいい! というところから始まったんです。

久本:裸タイツ初登場のシーンは忘れもしないですよ。幕が開くと、ミラーボールが回り、WAHAHAの男の子たちがあたかも真っ裸で登場する。「うぉー!!」っていう歓声が客席から響いてきたんです。

その後に、女優たちが、同じく裸のような格好で後ろを向きながら登場すると、その倍の歓声が聞こえてきて! そんな歓声の中、しれっとかっこよく踊るんです。あの拍手喝采は鳥肌がたちましたね。

―ただの裸よりも面白くてかっこいい。そういう演出が施された「下品」なんですね。

:逆に、ただの下品になったら面白くない。「ハダカ侍」っていうネタがあって、切られると脱ぎたがる侍たちの芝居なんですが、切られた侍は、股間を手で隠しながら客席を走り回る。その切られ役のひとりが、つい隠すのを忘れてモロ出ししてしまったんです。そのときは「ふざけるんじゃない!」と烈火のごとく怒りました。

―ふざけた芝居なのに!

:違うんですよ! 見せないから「笑い」でありかっこいいのに、見せたら台無しなんです!

久本:袖で見ながら、どんな角度から切られようが絶対に股間を出さない見事さに「芸術だ!」と、驚嘆してたんですよね。それなのに、見せてしまった瞬間にただの下品に成り下がる。意味がぜんぜん違ってしまうんです。笑いとおふざけは紙一重なんですよ。

2006年上演の『踊るショービジネス2 ダンス王』で披露された「ハダカ侍」の様子
2006年上演の『踊るショービジネス2 ダンス王』で披露された「ハダカ侍」の様子

WAHAHA本舗は終わりませんが、こんなに多くの裸が見られるのは最後。怒涛のごとく裸が出てきます(笑)。(久本)

―5月から全国で行われる公演は『ラスト3』と銘打たれており、WAHAHA本舗の主軸となってきた劇団員総出の全体公演は、この作品で最後となることが発表されています。やはりWAHAHAらしい過激な公演になるのでしょうか?

久本:なります!

:僕は、もう裸はいいだろって思っていたんですが、前回の『ラスト2』を終えてから、久本や柴田から「裸が足りない」と、クレームが出たんです(笑)。

『ラスト3』のメインビジュアル
『ラスト3』のメインビジュアル(サイトを見る

久本:前回の公演でうちの中堅どころが、「姉さん大変です! エライことになりました!」って騒ぐので何かと思ったら、「俺たち脱いでないんです!」って。「それは大変だ!!!!」となりました(笑)。だから、喰さんに、「WAHAHA本舗は裸を期待されているし、みんなも脱ぎたがっているから」って直談判したんですよ。

―今回は、有終の美を飾る裸ネタが見られるということですね!

久本:その通りです。WAHAHA本舗は終わりませんが、こんなに多くの裸が見られるのは今回が最後。怒涛のごとく裸が出てきます(笑)。

―ところで、なぜ今回、全体公演を終了するという決断に至ったのでしょうか?

:全体公演がお休みになっても、WAHAHA本舗が解散するわけではありません。僕自身、今年で70歳になりますが、やってみたいことがいろいろあるんです。大きな劇場ではなく、初心に戻って小さい劇場でロングランの公演なんかもしてみたい。何か、これまでと違うことを起こしたいという気持ちが湧いているんです。

喰始

―あえて今、次のステージに進みたいという気持ちなんですね。

久本:でも、私は喰さんをまた動かすつもりはガンガンにありますから。私だってもう60歳になるし、残された時間はあまりない。しばらく休んでから「喰さん、もう1回全体公演やろうよ」って動かそうって思ってます。

―そもそも、2013年の『ラスト』、2016年の『ラスト2』に続き、3回目の『ラスト』公演ですからね(笑)。

:最初は、本当に『ラスト』で終わりにしようと思っていただけど、それを覆したのはお客さんの力です。あまりに予想を超えた反応をいただき、もう1回味わいたいと思ってしまったんです(笑)。それで、『ラスト三部作』という形に変更しました。

久本:喰さんのすごいところは、今回もオール新作で作るところ。普通、ラスト公演だったら「あの懐かしい名作をもう一度」みたいになりますよね。そのほうが、往年のお客さんも喜んでくれるし、こっちの「ありがとう」っていう気持ちも伝わる。でも、そんなクソつまんないことをするWAHAHA本舗じゃないんです!

左から:久本雅美、喰始

―全体公演のフィナーレであっても、あくまで攻めの姿勢は崩さない。

久本:オール新作でいくっていうことは、WAHAHAがまだ終わりじゃない、続いていくんだという証拠。自分で言うのもなんだけど、やっぱりWAHAHA本舗はかっこいいんです!

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イベント情報

{作品名など}
WAHAHA本舗 PRESENTS WAHAHA本舗全体公演『ラスト3 ~最終伝説~』

構成・演出:喰始
出演:
久本雅美
柴田理恵
佐藤正宏
梅垣義明
すずまさ
なんきん
大久保ノブオ
タマ伸也
省吾
我善導
トニー淳
正源敬三
パーマーイ雅晴
清水ひとみ
兵頭有紀
大窪みこえ
星川桂
矢原加奈子
雨宮あさひ
犬吠埼にゃん
伊地知玲奈
鈴木千琴
石原奈津美
瑛良
仲村唯可
コースケ☆原澄人
村本准也
噛家坊
哀原友則
アポロ
大福神
シェフ米山
菅原鷹志
岡田勝

東京公演
2017年5月24日(水)~5月28日(日)
会場:東京都 有楽町 東京国際フォーラム ホールC
料金:
前売 S席9,800円 A席8,800円 B席7,800円
当日 S席10,600円 A席9,600円 B席8,600円

『ラスト3』ツアー

2017年6月7日(水)

会場:静岡県 焼津文化会館 大ホール

2017年6月10日(土)
会場:新潟県 新潟テルサ

2017年6月11日(日)
会場:富山県 オーバード・ホール

2017年6月14日(水)
会場:長野県 塩尻レザンホール 大ホール

2017年6月17日(土)
会場:大阪府 オリックス劇場

2017年6月18日(日)
会場:奈良県 なら100年会館 大ホール

2017年6月22日(木)
会場:宮城県 仙台 東京エレクトロンホール宮城

2017年6月23日(金)
会場:岩手県 盛岡 岩手県民会館 大ホール

2017年6月25日(日)
会場:秋田県 秋田市文化会館 大ホール

2017年7月1日(土)
会場:広島県 広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)

2017年7月2日(日)
会場:山口県 周南市文化会館

2017年7月7日(金)~7月9日(日)
会場:大阪府 森ノ宮ピロティホール

2017年7月13日(木)
会場:鹿児島県 宝山ホール(鹿児島県文化センター)

2017年7月15日(土)
会場:福岡県 福岡サンパレス

2017年7月16日(日)
会場:佐賀県 鳥栖市民文化会館

2017年7月22日(土)
会場:愛媛県 松山市民会館 大ホール

2017年7月23日(日)
会場:高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール

2017年7月28日(金)~7月29日(土)
会場:愛知県 名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

2017年8月2日(水)
会場:北海道 わくわくホリデーホール

2017年8月6日(日)
会場:東京都 オリンパスホール八王子

2017年8月17日(木)
会場:兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール

2017年8月19日(土)
会場:茨城県 茨城県立県民文化センター 大ホール

2017年8月20日(日)
会場:栃木県 宇都宮市文化会館 大ホール

2017年8月26日(土)
会場:宮城県 気仙沼市民会館 大ホール

プロフィール

喰始(たべ はじめ)

WAHAHA本舗主宰・代表取締役・演出家・放送作家。放送作家として沢山の伝説的なバラエティー番組を生み出す。1984年に私財を投じてWAHAHA本舗を結成。ワハハ本舗全作品の作・演出を手掛ける。

久本雅美(ひさもと まさみ)

女優、タレント。大阪府出身。短大卒業後、上京して劇団東京ヴォードヴィルショーに入団。1984年、設立メンバーとしてWAHAHA本舗に参加。バラエティー番組や、ドラマ、ラジオなど、舞台に留まらないフィールドで幅広く活躍。

関連チケット情報

2017年7月28日(金)〜7月29日(土)
WAHAHA本舗全体公演 「ラスト3 ~最終伝説~」
会場:日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知県)
2017年8月2日(水)
WAHAHA本舗 PRESENTS WAHAHA本舗全体公演 ラスト3 ~最終伝説~
会場:わくわくホリデーホール(北海道)
2017年8月6日(日)
WAHAHA本舗 PRESENTS WAHAHA本舗全体公演 ラスト3 ~最終伝説~
会場:オリンパスホール八王子(東京都)
2017年8月19日(土)〜8月20日(日)
WAHAHA本舗 PRESENTS WAHAHA本舗全体公演 「ラスト3 ~最終伝説~」
会場:茨城県立県民文化センター 大ホール(茨城県)
2017年8月26日(土)
WAHAHA本舗 PRESENTS WAHAHA本舗全体公演 ラスト3 ~最終伝説~
会場:気仙沼市民会館 大ホール(宮城県)

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