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Yogee New Waves、暴れる準備が整った。2年半の本音と今を語る

Yogee New Waves、暴れる準備が整った。2年半の本音と今を語る

Yogee New Waves『WAVES』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:小田部伶 編集:矢島由佳子

感情の起伏を露わにしたり、いろんなことにチャレンジしていたり、パワフルに生きてる人を尊敬する。(角舘)

―角舘くんとしては、どんなアルバムをイメージしていましたか?

角舘:今の世の中の冷笑ムードが気にくわないんですよね。クールなものがかっこいいのはわかるんだけど、もっとエモーショナルで、感情を揺り動かすものがあってもいいと思う。

今って、塩顔が流行ってて、モデルが上から見下ろすように写真を撮るのが増えたじゃないですか? ちょっと前はエビちゃん(蛯原友里)がキュンキュンした顔で笑ってたのに、「おかしいぞ?」って最近思ってて。「もっと楽しいことに飛びつけばいいじゃん」って。そう思ってるから、アルバムもすごくシンプルなものになっていった気がします。

粕谷:漫画『キングダム』の作者(原泰久)が、なんでああいうめっちゃ泥臭くて、情熱的で、真っ直ぐなものを描きたいと思ったかって、最近周りにそういう漫画がなかったからだって言ってたんですよ。「熱い友情」みたいな漫画が一回なくなって、そんななかで自分はなにを描こうかと考えたときに、もう一回それをやろうと思ったって。実際『キングダム』を読んだら、その通りだなって思ったし、健悟と通じるところがあると思った。

角舘:めっちゃわかる。『キングダム』もそうだし、『ブルージャイアント』(石塚真一)とか、今は熱い漫画しか興味ない。10年前は浅野いにおをたしなむ高校生だったんですけどね(笑)。

角舘健悟

角舘:だから、今回のアルバムはBGMになるのは嫌だなって思っていて。カフェでこれを聴きながら飯は食えないと思うんですよ。ヘッドフォンで俺と対峙する、Yogeeと対峙する。そんな感じ。全員にそうしろとは言わないけど、そういう聴き方の人がいてもいいんじゃないかな。

粕谷:このアルバムと向き合うのって、結構大変だと思うんですよ。すごく素直だし、ピュアだし、健悟が自分の目の前で歌ってるような曲もあるから、聴いていて辛いと感じる人もいると思うんですよね。ただ、そこでその人がどう思うかを実は楽しみにしていて。「俺もやりたいこと頑張ってみようかな」ってなるか、「もうこれ聴かない」ってなるか。

角舘:俺はこのアルバムを聴いて、素直に泣けたり、素直にへこめたりする人たちのことをすごく尊敬するし、そういう人たちが好きだし、そういう人たちのことを「WAVES」と呼んでやりたい。

感情の起伏を露わにしてしまうくらい素直だったり、いろんなことにチャレンジしていたり、パワフルに生きてる人に「WAVES」って名前をつけてあげたいんです。なので、ライブでも「WAVESは自分だと思ってくれていい」って言っていて。

―僕は“HOW DO YOU FEEL?”が大名曲だと思ってるんですけど、この曲はまさに、WAVESの感情に呼びかけるような曲ですよね。

角舘:「どう感じる?」とか「どう聴こえてんの?」っていう、「君の心に問いかけてるぞ」みたいな。入りこもうとし過ぎかもしれないけど、俺、そういうコミュニケーションしか取れないんですよね。

粕谷:実はこの曲は1年くらい前からあって、ライブでもやってたんですけど、毎回やっては練り直しの繰り返しで、その度にヒーヒー言いながら、「またリズム変えるの?」みたいな感じで(笑)。キーも3~4回行ったり来たりしてて。

それだけ大事に作ってきたということなんですけど、一回健悟が自信なくして、「この曲、ホントいいのかな?」って言いだしたこともあったんです。でも、この曲が大事な曲になるっていうのは四人とも漠然とわかってたから、「これは絶対いいから、頑張ろう」って言って。

―角舘くんからすれば、思い入れが強過ぎて、途中でわけわかんなくなっちゃったわけだ。

角舘:そうなんすよ。10バージョンくらいデモを作って、一人でひたすら「違うんだよな」ってずっと繰り返してて……結局自分の感情をちゃんと表現できてるのかどうか、というところに行きつくんですけど、「なんか違う、なんか違う」って、その悶々が半端なかったんですよ。でも、新しいメンバーになったら、それが一気に解消されて、実際録音して、ミックスを終えたものを聴いたら、全員泣いてた(笑)。

粕谷:みんなこれをヘッドフォンで聴くのはヤバいってわかってたんですけど、実際ヘッドフォンで聴いたら、10秒くらい動けなくなって。そのあとヘッドフォン置いて、目が合って、みんなで泣きながら抱き合ったっていう(笑)。ホント、アニメみたいなシーンでした。

左から:粕谷哲司、角舘健悟、上野恒星

今回のアルバムを聴いて、SMAPみたいだなって思ったんですよ。(上野)

―メンバーが固まって、素晴らしい作品ができて、バンドとしてより上を目指したい気持ちも高まっているのではないでしょうか?

角舘:うーん……でも、俺はやっぱり商売っ気がないっぽくて、かつ心配性で不安がりなんで、「このアルバム、最高だな」って思うと同時に、「大丈夫かな?」ってずっと思ってるんですよ。俺は、心身削らないとものが作れない。全力投球じゃないと、球が投げられない。

粕谷:妥協できないんだな。

角舘:そうやってきて、もしこれでミスったら「もうやらない!」ってなっちゃうと思うから、不安なんですよね。

粕谷:不器用な男だよ。

―今話を聞きながら、去年のサニーデイ・サービスのアルバム(『DANCE TO YOU』)のことを思い出しました。きっと曽我部さんも同じように曲を作ったんだろうなって(インタビュー記事:実は大ピンチだった曽我部恵一、レーベル休止も考えた制作を語る)。

角舘:ああ、あのアルバムは最高ですよね。エンジニアが一緒なので、いろいろ話も聞いたんですけど、あるスタジオを使ったときに、「曽我部さんが使ったタンバリンがあるから使おう」って話になって、貸してもらったら、小さなシンバル一個一個にテープを貼ってミュートしてあったんですよ。とんでもないこだわりだなって。

―でも、ものを作るってきっとそういうことですよね。

角舘:そう思ってる。ずるしてなにかするのは絶対に違う。だから、今回のアルバムも2年半ないと作れなかったと思う。これを1年スパンで作れって言われたら、できなかったと思う。

―今だったら四人のメンバーが固まったから、短いスパンでも次が作れるんじゃないですか?

角舘:そうかもしれないですね。また早く作りたい気持ちはフツフツと出てきています。大体夏の始まりと終わりに曲ができるタイプなんで、最近また曲を書いてて、「これみんなでやったら面白そうだな」って、また原点に戻ってる。

―粕谷くんはここから先についてはどう考えていますか?

粕谷:個人的にも、今回のレコーディングは一切妥協せず、全力を注ぎ込めたと思ってるんですけど、今だったらもっとよくなるとも思っていて。そういう気持ちが一生続くんだろうなって思うんですけど。制作意欲と、自分と向き合うこと、それが一生尽きないからこそ音楽は面白いなって思います。

―上野くんはどうでしょうか?

上野:今回のアルバムを聴いて、SMAPみたいだなって思ったんですよ。“HOW DO YOU FEEL?”なんて、草彅剛が歌ってもすげえいいと思うし、サビとか五人がユニゾンで歌ってもすげえいいと思う。

インディーバンドの曲で、SMAPが歌ってもいい曲って、なかなかないと思うんですよ。それってつまり、それだけポップソングとしてのクオリティーが高いということだから。“CLIMAX NIGHT”もそういう曲だったと思うんですよね。

実際にこのアルバムが売れるか売れないかはわからないけど、みんなに聴いてもらえるポテンシャルは絶対あると思うし、もしそうなればまた環境も変わって、より音楽的に自由にいろんなことに挑戦できると思う。それをやっていくのが楽しみです。

角舘:『WAVES』は2年半の流れの終着点ではあっても、あくまで経過点だと思ってて、「こんなもんじゃねえ」とも思ってるんです。アルバムを完成させたあと、「やりたいこと全部やりました」みたいに言う人もいるけど、俺はそうは思ってなくて、もっとやりたいことがある。

ただ、Yogeeの長い歴史で見たときに、この2年半には一緒にライブをやってきた直紀くん、吉田巧(サポートギター)、ニカホ(ヨシオ。サポートキーボード)たちもいて、彼らがいたからこそ、『WAVES』ができた。なので、彼らに対しても「WAVES」という冠をつけたいなって思うんですよね。

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リリース情報

Yogee New Waves『WAVES』初回盤
Yogee New Waves
『WAVES』初回盤(CD+DVD)

2017年5月17日(水)発売
価格:3,564円(税込)
ROMAN-012

[CD]
1. Ride on Wave
2. Fantasic Show (album ver.)
3. World is Mine
4. Dive Into the Honeytime
5. Understand
6. Intro (horo)
7. C.A.M.P.
8. Like Sixteen Candles
9. HOW DO YOU FEEL?
10. SAYONARAMATA
11. Boys & Girls I (Lovely Telephone Remix)

Yogee New Waves
『WAVES』通常盤(CD)

2017年5月17日(水)発売
価格:2,484円(税込)
ROMAN-013

1. Ride on Wave
2. Fantasic Show (album ver.)
3. World is Mine
4. Dive Into the Honeytime
5. Understand
6. Intro (horo)
7. C.A.M.P.
8. Like Sixteen Candles
9. HOW DO YOU FEEL?
10. SAYONARAMATA
11. Boys & Girls I (Lovely Telephone Remix)

イベント情報

『WAVES RELEASE TOUR』

2017年5月25日(木)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年5月26日(金)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2017年6月4日(日)
会場:宮城県 仙台 CLUB JUNK BOX

2017年6月10日(土)
会場:大阪府 梅田 AKASO

2017年6月11日(日)
会場:福岡県 graf

2017年6月16日(金)
会場:北海道 札幌 KRAPS HALL

2017年6月20日(火)
会場:東京都 赤坂BLITZ

2017年6月30日(金)
会場:沖縄県 那覇 Output

プロフィール

Yogee New Waves
Yogee New Waves(よぎー にゅう うぇいぶす)

2013年6月に活動開始。2014年4月にデビューep『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCK FESTIVAL'14』《Rookie A GoGo》に出演。9月には1st album『PARAISO』をリリースし、年間ベストディスクとして各媒体で多く取り上げられる。2015年2月に初のアナログ7inchとして新曲『Fantasic Show』を発表し、12月には2nd e.p『SUNSET TOWN e.p.』をリリース。2016年は『RISING SUN FES』『GREENROOM FES』『森道市場』『STARS ON』『OUR FAVORITE THINGS』など野外フェスに出演する。2017年1月にBa.矢澤が脱退し、Gt.竹村、Ba.上野が正式メンバーとして加入し再び4人編成となり始動。

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