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電波少女・ハシシが語る、性格の悪さ、器の小ささ、そして野望

電波少女・ハシシが語る、性格の悪さ、器の小ささ、そして野望

電波少女
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:中村ナリコ 編集:野村由芽、山元翔一

電波少女(デンパガール)。ともに宮崎県出身の29歳、ハシシ(MC)とnicecream(パフォーマー&ボタンを押す係)の二人からなるヒップホップユニットである。彼らがニコニコ動画に楽曲を投稿し始めたのが、2009年。以降、いわゆるネットラップのフィールドで注目を集め、その界隈では一目置かれる存在になっていった。

その一方で、日本語ラップシーンとは距離を置いた活動を展開し、近年はトラックの意匠においても、フロウやフックの旋律においても、ヒップホップの領域をロックやポップミュージックの領域まで拡張させようとする意志を感じさせる。自らのルサンチマンをぶちまけた果てに微かなポジティビティーを見出そうとするハシシのリリックは、電波少女のアイデンティティーそのものでもある。

長いインディーズ時代を経て、この度メジャーデビューが決定した電波少女は3か月連続でデジタルシングルをリリースする。その第1弾となる“ME”は、前述の電波少女の音楽的な核心と現在進行形のモードが浮き彫りになった内容になっている。ハシシにそのバックグラウンドとパーソナリティー、電波少女の展望を語ってもらったインタビューをお届けする。

ラップって、キャラクターやワードセンスが優先されるじゃないですか? 「ワンチャンあるかも」って思ったんです。

―電波少女にとってメジャーデビューは1つの目標でもあったんですか?

ハシシ:心のどこかでメジャーデビューしたいという願望があったかもしれないですけど、非現実的すぎて考えようとしてなかったです。4年前に、ソニーミュージックの新人発掘部署から「メジャーデビューを目指してみないか?」というお話をいただいたときが、勘違いの始まりという感じで。

―勘違いなんだ(笑)。

ハシシ:まぁ、そうですね。

ハシシ
ハシシ

―でも、現実になった。

ハシシ:ギリギリ(笑)。今は沸々と野心が湧いてるのでがんばりたいなと。純粋に、有名になりたいという欲が大きくあって、できるかぎり目立ちたいなと思ってます。

―名声欲はずっとあったんですか?

ハシシ:そうですね。音楽を始めたきっかけ自体が、わりと不純なんですけど、小さいころからとにかく目立ちたいという欲が常にあって。もともとはギターを弾いていて、ヒップホップが流行った高校時代に、「ラップなら俺にもできるかも」と思ったんです。

歌唱力はもともとないけど、ラップってどちらかというと、キャラクターやワードセンスが優先されたりするじゃないですか? それが魅力的で。「ワンチャンあるかも」って思ったんですよね。

―小さいころから目立ちたがり屋だったというのは意外でした。

ハシシ:こういう見た目なので、おとなしく見られがちなんですけど、わりとおしゃべり野郎なんです。学生時代もどうすれば目立てるかばかり考えていて、ずっとふざけてるタイプでした。

ハシシ

―むしろ目立ってる人にルサンチマンを抱くタイプなのかなと思っていました。

ハシシ:それはたぶん同族嫌悪というか、目立ってる人たちをライバル視して悔しがるという感じで。学生時代は友だちが多いほうだったんですけど、高校卒業とともにどんどんインドアになって、友だちも少なくなっていったんです。

―なぜインドアに?

ハシシ:高校時代はほぼ毎日、今の相方(nicecream)や友だちと遊んでいたので単純にエネルギー切れみたいな感じですね。相方と朝まで遊んで、相方の家に泊まって、そのまま学校に行くみたいな生活をしていたんです。周りの友だちの家にはだいたいターンテーブルがあったので、遊びでDJをやったり。おそらくエネルギー切れしてしまったのは、高校時代の遊びってやってはいけないことをやっている楽しさがあったからで。

―背徳感みたいな?

ハシシ:そうですね。高校を卒業して一人暮らしを始めたら、夜遊びするのって普通のことになるじゃないですか。刺激がなくなって、逆にオタク文化のほうに寄っていって。一時期はいわゆる「ファッションオタク」みたいな、本当のオタクに一番嫌われるイタい感じになっていましたね。それくらいの時期からインターネットに楽曲を投稿するようになりました。

電波少女(左から:nicecream、ハシシ)
電波少女(左から:nicecream、ハシシ)

―インターネットカルチャーとの出会いが大きかったんですね。

ハシシ:はい、ニコニコ動画の文化にハマっちゃって。インターネットカルチャーにそれまで触れてなさすぎて、すごく面白いなと思ったんですよね。時期的にはちょうど初音ミクが注目され始めたころで、今よりもニコニコ動画にアングラなムードもあって。

―面白い遊び場を見つけたような感覚だった?

ハシシ:そういう感じでした。一般人が有名になれる場所があるんだと思って。当時は音楽から気持ちが離れていた時期でもあったんですけど、ネットラップのコミュニティーが魅力的で。ラップだったら他の人より得意なんじゃないかとも思ったし。

―でも、ネットラップシーンを知ったときには、ラップから離れていたそうですね。

ハシシ:地元のノリがゴリゴリの体育会系で。俺はわりと地元の先輩たちとも仲がよかったんですけど、ストリートのルールみたいなものがあって、それがしんどかったんです。「これは音楽と関係ねぇな」って感じるところがあって。当然、いい人もたくさんいたんですけど、モヤッとした全体の雰囲気に疲れちゃったんですよね。

―ラップに飽きを感じていたとかではなく、「ノリ」に嫌悪感を抱いた?

ハシシ:音楽をやる前にやらないといけない余計なことが多すぎたんです。意味のわからないCDが家に大量に届いて、「これを捌け」みたいなことだったり(笑)。いい曲を作るよりも知り合いが多いやつのほうが先輩にかわいがられたり、チャンスをもらえたり、そういう環境がめんどくさいなと思って。でも、ネットラップの文化はすごくフェアな場所だなと思ったんです。

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リリース情報

電波少女
電波少女
『ME』

2017年6月12日(月)発売
価格:250円(税込)

1. ME

イベント情報

『電波少女ワンマンライブ「EST.」』

2017年6月18日(日)
会場:東京都 渋谷 WWW X

『電波少女 ショートムービー上映&全国ライブツアー「デリヘル」』

2017年8月5日(土)
会場:北海道 札幌 Spiritual Lounge

2017年8月6日(日)
会場:宮城県 仙台 BIRDLAND

2017年8月11日(金・祝)
会場:大阪府 北堀江 club vijon

2017年8月12日(土)
会場:広島県 BACK BEAT

2017年8月13日(日)
会場:愛知県 名古屋 3STAR IMAIKE

2017年8月20日(日)全2公演
会場:東京都 高円寺 HIGH

2017年9月1日(金)
会場:香川県 高松 SOUND SPACE RIZIN'

2017年9月2日(土)
会場:福岡県 graf

2017年9月3日(日)
会場:宮崎県 floor R

プロフィール

電波少女
電波少女(でんぱがーる)

2009年、インターネット上で結成されたヒップホップクルー。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在はハシシ(MC)、nicecream(パフォーマー&ボタンを押す係)で活動を行う。2010年、フリーダウンロード音源集『廃盤』をリリース。これまでに2枚のアルバムと1枚のEPを発表している。2016年11月、「電波少女的ヒッチハイクの旅」と題し、全国をヒッチハイクで移動し47都道府県全県にてストリートライブを敢行。計96台をヒッチハイクし総距離9222kmを走破し、2017年夏にメジャーデビューを発表。デビューに先駆け6月より3カ月連続で配信シングルをリリースする。

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