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クウチュウ戦を濃厚取材。妙だけど本気で語る「目指すのは大仏」

クウチュウ戦を濃厚取材。妙だけど本気で語る「目指すのは大仏」

クウチュウ戦『愛のクウチュウ戦』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:西田香織 編集:矢島由佳子

クウチュウ戦が、新作『愛のクウチュウ戦』を完成させた。7曲入りの「1st love album」と銘打たれた、美しく、そして歪なアルバムだ。

ボーカル・リヨのラップという新機軸が飛び出す“セクシーホモサピエンス”や、洗練されたメロディーとビートを重厚なプロダクションで聴かせる“ユートピア”など、サウンドの先進性と快楽性の高いポップソングが並ぶアルバム前半。そして、バンド初期からのレパートリーである名曲“白い十代”や、切なさが鮮血のように滲むラブソング“愛去ってhealing”など、激しく移ろうリヨの感情のうねりがそのまま音像化したような、獰猛なバンドアンサンブルが耳を襲うアルバム後半。両極なベクトルのサウンドを開陳しながら、クウチュウ戦は、このアルバムで天国でも地獄でもない、理想でも現実でもない、音楽にしか行きつけない場所に、自らの表現を着地させている。

このアルバムには、明確に言い切れることなどなにもない。しかし、今、音楽が表現しなければいけないのは、こういうことなのだと思う。CINRA.NETでは初となるメンバー全員インタビューで、この深く複雑な世界に迫った。

どこがケツの穴か、わかってきたんだと思う。(アバシリ)

―今日は、CINRA.NETでは初めての四人全員インタビューです。よろしくお願いします。

リヨ(Vo,Gt):よろしくお願いします。あ、こういう者です(と言って名刺を差し出す)。

クウチュウ戦。左から:リヨ、アバシリ、ベントラーカオル、ニシヒラユミコ
クウチュウ戦。左から:リヨ、アバシリ、ベントラーカオル、ニシヒラユミコ

―「株式会社ファンタスティックプラネット」……クウチュウ戦、会社作ったんですか?

リヨ:そうなんですよ。この1年で、バンドのモードがかなり変わりました。アティテュードとして、この四人でどうやっていくのか? ということが、より具体的になってきた感じがあって。コンセプトは「マテリアル」です。

このマテリアルなパラダイムに切り込んでいくためには、俺らが誰よりもマテリアルにならなきゃいけない。目指すのは牛久大仏ですね。どんなクオリティーの対バンでも、クウチュウ戦が牛久大仏の鉄槌を下して……。

―ちょっ、ちょっと待ってください!

リヨ:はい?

―ごめんなさい、今、全然話を受け止め切れていないんですけど……まず、「マテリアルなパラダイムに切り込む」ということがどういうことなのか。そしてなぜ、牛久大仏なのか。説明してもらってもいいですか?

リヨ:あぁ、はい。まず、時代が変わってきたと思うんですよ。どんどん、いろんなものがスピリチュアルになってきている。具体的には、街中の広告やテレビCMを見ればわかりますよ。LUMINEだったかな? 「言葉に頼りすぎると退屈な女になっていく」っていうスピったコピーがあったり。

あと、SoftBankの「今までの大人の後輩なんかじゃない。私たちは、スマホと大人になっていく、多分、初めての人類だ」っていうのも、上手いこと言ってるなと思った。こういうスピリチュアルな言葉を頻繁に見かけるようになると、時代が変わり始めている匂いがするんですよね。

―なるほど。確かに、街中で観念的、精神論的な言葉を見る機会は増えているし、インターネットとスピリチュアリズムが、密接な関係性で語られていたりもしますよね。

リヨ:だから、「マテリアルのパラダイム」というよりは、今は時代の過渡期なんだと思うんですよ。いろんな物事が変わり始めている。そして、僕らはそれを追い風に感じているんです。

クウチュウ戦
クウチュウ戦

―じゃあ、そのなかでクウチュウ戦が目指すべきものとして存在する「牛久大仏」というのは、なにを象徴しているんですか?

リヨ:「わかりやすさ」っていうことですね。クウチュウ戦は前からずっとアート性の強いことをやってきているけど、今の僕らには、牛久大仏のような馬鹿馬鹿しいわかりやすさが必要だなって思うんです。

―「牛久大仏」っていうキーワードを出したとき、そこにある感覚は、バンド内で共有できるものなんですか?

カオル(Key,Cho):できますよ。牛久大仏を見たことがある人なら、わかると思います。内部はめちゃくちゃスピっていて、外側はわかりやすすぎるくらいの馬鹿馬鹿しさがあって、とてつもなくデカい。「牛久大仏みたいなエンターテイメントを目指す」っていうのは、かなり適切な表現かなって思います。

ベントラーカオル
ベントラーカオル

リヨ:エンターテイメントであることが重要なんだよね。俺はアーティストだけど、アートには逃げたくない。音楽性の高い、アート性の高い音楽をキャッチーに落とし込むことが、「音楽で闘う」っていうことだと思うから。俺、オノ・ヨーコとか好きじゃないんですよ。

―ははは(笑)。

リヨ:常に真んなかでありたい。アート性も、音楽性も、偏りたくないんです。ど真んなかを行きたい。それがクウチュウ戦でやりたいことなんですよね。「変なことをやっているけど、楽しいじゃん」っていう。

それはずっとそうだったし、これからもそうだし。……でも、この1年で、アバシリが相当かっこよくなりましたよ。鎌倉大仏くらいにはなってきたんじゃないの?

アバシリ(Dr):牛久、目指します。

アバシリ
アバシリ

リヨ:考えてみると、アバシリとは一番話しているかも。1回、「俺のアナルに、お前のジーザス像を突っ込むようなドラミングをしろよ!」ってアバシリに言ったんだけど。

カオル:その話以降、アバシリは確実に変わったね。

ニシヒラ(Ba):うん、変わった。

―ははははは(笑)。

アバシリ:どこがケツの穴か、わかってきたんだと思う。

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リリース情報

クウチュウ戦『愛のクウチュウ戦』
クウチュウ戦
『愛のクウチュウ戦』(CD)

2017年6月14日(水)発売
価格:2,000円(税込)
PTAL-0001

1. セクシーホモサピエンス
2. ユートピア
3. テレパス
4. アモーレ(2017ver.)
5. コメット氏の場合
6. 白い十代(2017ver.)
7. 愛去ってhealing

イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume98』

2017年6月29日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
クウチュウ戦
MUSIC FROM THE MARS
WUJA BIN BIN
ゆるふわリムーブ(オープニングアクト)
and more
料金:無料(2ドリンク別)

『「愛のクウチュウ戦」レコ発ワンマン “クウチュウ戦のfirst love tour 2017”』

2017年9月15日(金)
会場:大阪府 心斎橋 LIVE HOUSE Pangea

2017年9月16日(土)
会場:愛知県 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL

2017年9月28日(木)
会場:東京都 新代田 FEVER

プロフィール

クウチュウ戦
クウチュウ戦(くうちゅうせん)

平成生まれのロックカルテット。2008年、大学1年のリヨ(Vo,Gt)とニシヒラユミコ(Ba)が原型バンドを結成。2011年1月、ベントラーカオル(Key)加入。同年7月にリヨが突然ペルーに飛び、アマゾンのジャングルの奥で行われる神秘的な儀式に参加。その後、2012年3月までイギリス/オランダなど、ヨーロッパを放浪。2014年5月、アバシリ(Dr)が正式加入。新体制のクウチュウ戦が誕生。その高度な演奏力、プログレッシブな音楽性が同世代の客/バンド/ライブハウス関係者などに絶賛されるが、そこにあった本当に重要なものは、夏のオリオンのように美しいメロディー、日常の風景を少し不思議な空間に異化させるリリック、そして光線のように天空を突き抜ける歌心だった。2015年5月に1stミニアルバム『コンパクト』、2016年1月に2ndミニアルバム『Sukoshi Fushigi』、8月に3rdミニアルバム『超能力セレナーデ』をリリースした。そして、2017年6月14日に、1st love album『愛のクウチュウ戦』をリリース。

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