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雨のパレード×映像・島田大介 インスタもVHSもMVに活かす発想

雨のパレード×映像・島田大介 インスタもVHSもMVに活かす発想

雨のパレード『Shoes』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

歌詞をそのままダイレクトに表現する映像は好みではないです。(福永)

―一昔前と今を比べて、バンドのMVのアプローチの違いで顕著なのはどんなところですか?

島田:たとえば昔は、MVの最後に歌詞の内容や意味がわかるようになっている作品がよくあったんですけど、最近はそういうMVがあまりないなと思って。そういう話をしていたら、浩平くんが「押しつけがましいコンセプチュアルなMVは好きじゃない」みたいな話をしていて、「なるほど」と思ったんです。

―確かに、雨パレは説明的なMVを撮るつもりは最初からないバンドでしょうね。

福永:そうですね。歌詞をそのままダイレクトに表現する映像は好みではないです。

Mitch Nakano監督作

福永浩平

―福永くんは映画愛好家でもありますけど、好きな映画の話などはしましたか?

福永:“Shoes”に関しては、曲自体が青春映画をかなり意識して作ったので、そういう話もしましたね。『シング・ストリート 未来へのうた』(2016年公開、ジョン・カーニー監督)とか、昔の映画だと『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年公開、ガス・ヴァン・サント監督)とか『スタンド・バイ・ミー』(1986年公開、ロブ・ライナー監督)、あと『ピンポン』(2002年公開、曽利文彦監督。松本大洋による漫画原作)とか。

―青春に滲む儚さというのは島田さんの映像作品においてもキーワードになっていることが多いのではないかと思いますが、どうですか?

島田:自分的には意識してないんだけど、そういう楽曲のMVをお願いされることが多いかもしれない。切なさが強い描写だったり。

島田大介監督作

―2013年9月に公開された島田さん監督の短編映画『ただいま。』で小松菜奈さんをキャスティングしたのも、演者から滲み出るリアルな青春感と儚さを大事にしているからだと思ったんですよね。

島田:そう、確かに女の子のキャスティングはすごく重要で。ストレートにかわいいアイドルみたいな女の子とか、その子のビジュアルにすべて持っていかれてしまうような子は、起用したことがないですね。

―それはキャスティングで作品を説明しないということでもあると思うし、雨のパレードのMVの美学とも通じるところなのではないかと思います。

島田:福永くんは自分とセンスがすごく近いものがあると感じていて。好きな服とかも似ている部分が多いんですよ。

左から:島田大介、福永浩平

―福永くんってパッと見はクールなんですけど、その実、すごく人間臭い男じゃないですか。

島田:そうなんです。そういうところもいいなって思う。オシャレで性格もクールにこられたらつまんねぇなって思うから(笑)。あとは自分の好みに関して曲げないところは絶対に曲げないし、熱いやつなんだなって思いますね。

―RADWIMPSの(野田)洋次郎さんもそういう人だと思うんですけど、島田さんはそういう芯が熱いアーティストと深く交流する傾向があるのかなと勝手に思っていて。

島田:確かに。そういうアーティストの曲が好きなんでしょうね。自然とそういうアーティストと数多く仕事してきた気がします。サカナクションやきのこ帝国もそうだし。そういうアーティストに対してはガチで対峙しないと、アイデアもすぐにバッコーンって跳ね返されちゃうんですよ(笑)。

女性アーティストは、みんな感覚が近いところがあると思う。確信してることが似ているというか。(島田)

―福永くんは“Change your mind”のときに、どういうイメージを島田さんに伝えたんですか?

福永:あのときは、若者たちがそれぞれ自分のポップスの価値観を持っていて、それを時代に認めさせたという気持ちを持っているというメッセージと、質感としてはバキッとした画を撮りたいということを最初に伝えましたね。

福永浩平

島田:“Change your mind”はキャスティングに一番迷ったんですよね。

―Instagramでちょっと有名な若者たちを起用したんですよね。

島田:そう、リアルな若者たちに出演してもらったほうが面白いんじゃないかと思って。

福永:でも、有名なインスタグラマーというより、何万人ではなく何千人規模の、「ちょっとフォロワーが多い若者」というくらいの人たちに出てもらって。

島田:何万人もフォロワーがいる人はもはや芸能人みたいなものだから。そういう人ではなく、たとえば芸大生のなかで超人気のある子とかね。

島田大介

―そういう人たちはどうやって探したんですか?

島田:そういう子たちを撮っている若いカメラマンがいるんですよ。なかには高校生のカメラマンとかもいて。その人たちに教えてもらって、InstagramからDMを送ってオファーしました。

まだバンド名は明かせない段階だったので、「某アーティストのMVで……」みたいな。「バンドのMVに出ることに興味ないですか?」って(笑)。結果的に富山とか群馬とかいろんな地方の子が出てくれたんですけど、撮影現場に来たらその子たち同士は初対面なんだけどInstagramでつながっていたりして。

―今っぽい話ですね。

島田:そう。「ネットすげえ! 怖っ!」って思いながらも、「ああ、これが今の子のリアルか」って思いましたね。あと、やっぱり自分の見られ方がわかってるから、撮られ方もわかってるんですよ。積極的に自我を出してくるし。それはやっぱりSNS世代だなと思いました。度胸もあるんですよね。東京の知らない映像監督のおじさんに急に呼び出されたのに(笑)、物怖じする子が全然いなかった。

―アーティストとキャッチボールしているなかで、世代だけでなく、男女の違いを感じることはありますか?

島田:女性は抽象的なアイデアを言うことが多いですね。擬音を使ったり。

―オノマトペが飛び交うみたいな(笑)。

島田:そうそう。女性アーティストはみんな感覚が近いところがあると思う。確信してることが似ているというか。Charaさんも(木村)カエラちゃんも「同じことを言ってる!」って思うことがあって。「みんなそこを表現したいのか」って思うんですよね。

―女性特有の包容力やエグ味みたいなものもあったりするんでしょうね。

島田:そうかもしれない。

島田大介監督作

―福永くんに関してはどうですか?

島田:2回しか撮ってないからなんとも言えないけど、「男の子」って感じ(笑)。

福永:あはははは!

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リリース情報

雨のパレード『Shoes』初回限定盤
雨のパレード
『Shoes』初回限定盤(CD+DVD)

2017年8月23日(水)発売
価格:2,160円(税込)
VIZL-1215

[CD]
1. Shoes
2. Thunderbird
3. Voice
4. Hollow
[DVD]
『Live at TOKYO-AKASAKA BLITZ 2017.4.14』
1. stage
2. Count me out
3. Hey Boy,
4. Epoch
5. 1969
6. new place
7. speech
8. free
9. breaking dawn
10. feel
11. Tokyo
12. Change your mind
13. You
14. -encore- Take my hand
15. -encore- Petrichor
※プレイパス対応

リリース情報

雨のパレード『Shoes』通常盤
雨のパレード
『Shoes』通常盤(CD)

2017年8月23日(水)発売
価格:1,296円(税込)
VICL-37308

1. Shoes
2. Thunderbird
3. Voice
4. Hollow
※プレイパス対応

イベント情報

『Untraveled』

2017年9月9日(土)
会場:宮城県 仙台 darwin

2017年9月13日(水)
会場:愛知県 名古屋 Electric Lady Land

2017年9月19日(火)
会場:福岡県 DRUM Be-1

2017年9月21日(木)
会場:大阪府 BIGCAT

2017年9月22日(金)
会場:石川県 金沢 AZ

2017年9月24日(日)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

2017年9月28日(木)
会場:北海道 札幌 Sound Lab mole

2017年10月21日(土)
会場:鹿児島県 CAPARVO HALL

プロフィール

雨のパレード
雨のパレード(あめのぱれーど)

福永浩平(Vo)、山崎康介(Gt,Syn)、是永亮祐(Ba)、大澤実音穂(Dr)。2013 年に結成。ポストダブステップ、80'sPOP、インディR&B、エレクトロハウス、アンビエント、TRAPなど様々なジャンルを超えたその音楽性はもちろん、アナログシンセやサンプラー、ドラムマシーンなどを取り入れた、バンドという形態に拘らないサウンドメイクで大きな注目を集めている。2016年3月2日1stフルアルバム『New generation』でメジャーデビューし、7月20日にリリースしたメジャー1stシングル『You』はSSTVのヘビーローテーション「POWER PUSH!」をはじめ、各地のラジオ局でも続々とローテーションを獲得、リリース後に行われた渋谷クアトロワンマンを含む東名阪ツアーは全公演チケット即日ソールドアウト。12月21日には2ndシングル『stage』(TBS系テレビ「CDTV」のエンディングテーマ)をリリースした。2017年3月からはアルバムと同タイトルの全国ツアー『Change your pops』が大盛況に終了。

島田大介(しまだ だいすけ)

映像作家 / 写真家 / アートディレクター。株式会社コトリフィルム代表Perfume、サカナクション、RADWIMPSなどのミュージッククリップ、ユニクロ、TOYOTA、PARCOなどのコマーシャルフィルム、ファッションブランド等の映像演出、CDジャケットなどのアートディレクションなど活動は多岐にわたる。カンヌLionsシルバー、ADFEST ブロンズ、BOVAグランプリ受賞。2013年小松菜奈主演短編映画『ただいま。』(TAMA CINEMA FORUM出品)初監督。2014年800万再生記録したSUNTRY CCLEMON「忍者女子高生」webmovie制作。写真家としては装苑などファッション誌、LOOKBOOKの他、ミュージシャンCDJK、Charaパーソナルブック等制作。2014年、渋谷SUNDAYISSUEにて写真展Mathilde開催、写真集発売。

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