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最初は戸惑った?bonobosがクラウドファンディングの是非を語る

最初は戸惑った?bonobosがクラウドファンディングの是非を語る

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集: 山元翔一、川浦慧

最初に人様に金をくれっていうのが、ちょっと意地汚いことのように思えたんですよ。(蔡)

―さきほどの田中さんの話の通り、クラウドファンディングってお客さんとの関係性を新たに構築する場所だっていう側面は確かにあると思うんですね。

:そういうことで言うと、bonobosはお客さんのアンケートを活動の参考にすることも多くて。一度、PAシステムまで全部車に積んで、お寺や教会、映画館、幼稚園とか、100人前後の会場で演奏するツアーをやったんです(2011年に行われたツアー『Let's go 3匹!!!tour ~東日本編~』)。

そういうお客さんからの声が如実に反映されやすい、距離の近い活動をしてきたので、それってクラウドファンディングともちょっと近いというか、いろんなプランを考えながら、「この感じ、知ってる」って感覚はありましたね。

『Let's go 3匹!!!tour ~東日本編~』ツアーより

―そういうお客さんとの親密な関係を築いているバンドにとっては、クラウドファンディングはすごく有効な手段だと思います。

:一方で、グッズを作るのも、会場を借りたり機材を揃えるのも、全部自分たちへの投資だと思って、全部自分たちでお金を出してきたから、それが当たり前だっていう感覚が強いんですよね。なので、自分たちが何かを始めるときに、最初に人様に金をくれっていうのが、ちょっと意地汚いことのように思えたんですよ。

―これまで自分たちだけでやってきたがゆえに。

:バンドの運営と共に、事務所機能も自分たちで運営してきたので、大きいお金のやり取りも自分たちでしてきて、それができちゃってたんで……必死でしたけど(笑)。

蔡忠浩

―クラウドファンディングの広がりって、つまりは業界の構造変化の表れだと思うんですね。これまでは大きい会社に所属をするか、インディペンデントでやるか、ざっくり言うとその二者択一だったけど、bonobosのようにその中間に立って、自分たち主導で活動するバンドが増えてきて、だからこそ、クラウドファンディングのようなサービスが広がってきた。

:そうですよね。だから、自分の考えは遅れてるなって思うんですよ。言ってもキャリア長いんで(笑)、最初は事務所やメジャーメーカーに所属してたし、そういうやり方も染みついてる。インディペンデントにみんなを巻き込んだ、新しいお金の集め方、作品の作り方にまだ馴染めてないっていうのも正直感じます。なので、まだ勉強することはたくさんあると思うし、今回も学びの場でもあるなって思いますね。

音楽だけは他の追随を許さないレベルで作っていく。そこさえぶれなければ、何とかなるなって。(森本)

―「6年前に一度クラウドファンディングを考えた」とのことでしたけど、それって世間一般で言うとすごく早くて。そこから徐々にクラウドファンディングが浸透して、去年の『この世界の片隅に』でさらに認知度が高まった。そういう中で、bonobosが実際にクラウドファンディングを使うことによって、様々な議論も含めて、また新たな可能性が見えてくるように思います。

bonobos「日比谷野音ワンマンを映像化プロジェクト!」ビジュアル
bonobos「日比谷野音ワンマンを映像化プロジェクト!」ビジュアル(プロジェクト詳細を見る

:もの作りの工程がまた変わってきてるんでしょうね。古いやり方とは明らかに違う、別のもの作りの流れみたいなのができつつあるんだなって。

あんまり分析的なことはわからないですけど、そこから出てくるものはまだ見たことのないような新しいものだと思うから、それは俺も見てみたい。bonobosを続けてる理由って、自分が聴きたい音楽を作るっていうのが基本だから、今までと違う方法で新しいものができるなら、それは自分も積極的に取り入れたいと思います。

左から:田中佑司、蔡忠浩、森本夏子

田中:僕、『この世界の片隅に』のサントラに参加してるんですよ。音楽を担当したコトリンゴは昔からの知り合いなので、マリンバで何曲か参加させてもらって。で、クラウドファンディングどうこうよりも前に、『この世界の片隅に』って、めっちゃいい作品だったじゃないですか? 僕らもああいうことがやりたいっていうか、まずはいいライブをして、それがパッケージされるってこと自体が大事かなって。

森本:やっぱり、大事なのは常に音楽なんですよね。とにかく、音楽だけは他の追随を許さないレベルで作っていく。どんな時期でもホントそれだけを考えてきて、そこさえぶれずに達成できていれば、何とかなるっていう思いがありました。

逆に言うと、それが達成できていなかったら、bonobosってとっくのとうに終わってるバンドで。でも、音楽をちゃんと更新し続けてきたからこそ、周りの環境が変わろうが、助けてくれる人が出てきてくれたりして、続けてこれたし、揺るぎなくいられたんだと思います。

森本夏子

:何にも知らないアホなおっさんではないから、システムとかお金の話もできるけど、そればっかりになっちゃうのは好きじゃなくて。音楽と、気持ちと、システムと、お金と、全体を見たときに、「楽しいね。最高だね」っていうのが一番の理想なんです。

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プロジェクト情報

bonobos、現体制初の日比谷野音ワンマンを映像化プロジェクト!

クラウドファンディングプロジェクトの支援募集は2017年9月10日 23:59まで。

イベント情報

bonobos 日比谷野外音楽堂 ワンマンライブ

2017年8月12日(土)
会場:東京都 日比谷野外大音楽堂

プロフィール

bonobos
bonobos(ぼのぼ)

レゲエ・ダブ、エレクトロニカ、サンバにカリプソと様々なリズムを呑み込みながらフォークへと向かう、多彩なアレンジと卓越した演奏能力にボーカル蔡の心に触れる歌声が混ざりあう、天下無双のハイブリッド未来音楽集団。

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