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ハンバートハンバート、音楽の先生と呼ぶThe Chieftainsを取材

ハンバートハンバート、音楽の先生と呼ぶThe Chieftainsを取材

『ザ・チーフタンズ来日公演2017』
インタビュー・テキスト
金子厚武
通訳:丸山京子 撮影:西田香織 編集:矢島由佳子

パディ・モローニ率いるThe Chieftainsが、結成55周年を記念した来日ツアーを11月にスタートする。アイリッシュの伝統音楽をルーツとしながらも、国境・ジャンル・世代を軽やかに超えてきたThe Chieftainsは、これまでローマ法王御前での演奏や、西側のバンドとして初の万里の長城での演奏など数々の歴史的な瞬間を経験しつつ、THE ROLLING STONES、ポール・マッカートニー、STINGといった多数のレジェンドとも共演。最近ではBON IVERとも交流するなど、未だにカッティングエッジな存在であり続けているのは驚異的だ。

The Chieftainsと日本は良好な関係を築き上げていて、今回が11回目の来日。細野晴臣、清水靖晃らがプロデュースする音楽フェス『東京ムラムラ』に出演した1991年の初来日以来、矢野顕子、忌野清志郎、林英哲、古謝美佐子、元ちとせなど、数々の日本人アーティストとも共演を果たしてきた。そして、今回の来日ツアーでは、過去にThe Chieftainsのレパートリーを日本語カバーするなど、リスペクトを示していたハンバートハンバートの出演が決定。

そこで、11月の本番を前に来日中のパディとの対談をセッティングした。現在79歳とはとても思えない、よくしゃべり、サービス精神たっぷりのパディに対し、佐藤良成と佐野遊穂にそれぞれの想いを語ってもらった。

いろんなトラディショナルな音楽を混ぜるという発想自体を、The Chieftainsから学びました。(佐藤)

―ハンバートハンバートのお二人にとって、The Chieftainsはどんな存在だと言えますか?

佐藤(Vo,Gt):俺は十代の頃に同級生からThe Chieftainsを教えてもらって、それからアイルランドの音楽を聴くようになったので、自分の音楽の先生のひとりだと勝手に思ってます。

パディ:ありがとう!

左から:佐藤良成、佐野遊穂、パディ・モローニ
左から:佐藤良成、佐野遊穂、パディ・モローニ

佐野(Vo):私は大学生のときに(佐藤)良成から教えてもらって、最初に聴いたのがSTINGとかがゲスト参加した、歌が入ってるアルバム『The Long Black Veil』(1995年)だったんです。なので、ポピュラーミュージックに聴こえるんだけど、初めて聴く感じで、びっくりしたのを覚えています。

『ザ・チーフタンズ来日公演2017』(詳細を見る

―The Chieftainsと日本の関係性はかなり密ですよね。

パディ:日本にはもう30年近く来ています。アジアの国のなかで、これだけ頻繁に戻ってきているのは日本だけです。世界広しと言えども、The Chieftainsのファンクラブがあるのは日本だけですから。

それは日本のみなさんが、自分たちの音楽をちゃんと受け止めてくれていると感じるからで。初めて日本に来たときは静かに聴いていたのが印象的だったのですが、だんだん自分たちのユーモアのセンスをわかっていただけるようになったと思います。ただシリアスに演奏しているのではなくて、ハッピーなものなんだっていうのをね。

対談中、何度かティンホイッスルを吹きながらおしゃべりしてくれたのも、パディのユーモアとサービス精神によるもの
対談中、何度かティンホイッスルを吹きながらおしゃべりしてくれたのも、パディのユーモアとサービス精神によるもの

1991年、初来日ライブの映像

―来日のたびに、いろんな日本のミュージシャンとも共演をされていますね。

パディ:The Chieftainsを始める前からやりたいと思っていたユニークなサウンドを、日本のミュージシャンはよく理解してくれています。ルーツをわかってもらいたい気持ちもありますが、ただトラディショナル(伝統的)なものをやるのではなくて、そこに自分たちのカラーを付け加えていきたいというのは、ずっと思ってることです。

1950年代にはClancy Brothers / Tommy Makemというアイリッシュフォークのグループがいて、彼らはボブ・ディランをゲストに呼んだり、ニューヨークのカーネギーホールを満杯にしたりしていたんですね。いつの日かThe Chieftainsでもそういったことを成し遂げたいと思いながら、これまでずっとやってきました。

―ハンバートハンバートがThe Chieftainsから影響を受けたのは、どんな部分ですか?

左から:佐藤良成、パディ・モローニ、佐野遊穂

佐藤:「こういうふうにブルーグラスとアイリッシュが混ざるんだ」みたいな、いろんなトラディショナルな音楽を混ぜるという発想自体をThe Chieftainsから学びました。実際、その発想を得てからいろんな音楽を聴くようになったので、The Chieftainsは「入口」とも言えますね。The Chieftainsは、どうやって今に至るスタイルを確立していったのですか?

パディ:私が小さい頃はテレビもラジオもなくて、娯楽といえば家族みんなでフルートやアコーディオンのような楽器を弾いて、ストーリーテリングを交えながら、一晩中歌ったり踊ったりしていたんです。なので、音楽は基本的になんでも好きですが、やっぱり自分にとっての一番は伝統音楽なんですね。

それもあって、6歳のときに母親がティンホイッスルを買ってくれて、子どもの頃からいろんな大会に出たり、年上のミュージシャンと共演したり、ケーリーバンド(アイリッシュダンスの伴奏をするバンド)をやったりしていました。でも、トラディショナルな楽器を使ったうえで、自分たちなりの音楽を作りたいと思うようになっていったんです。

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イベント情報

『ザ・チーフタンズ来日公演2017』

2017年11月23日(木・祝)
会場:埼玉県 所沢市民文化センターミューズ アークホール
出演:The Chieftains
ゲスト:ハンバート ハンバート

2017年11月25日(土)
会場:滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
出演:The Chieftains

2017年11月26日(日)
会場:兵庫県 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
出演:The Chieftains

2017年11月27日(月)
会場:愛知県 Zepp Nagoya
出演:The Chieftains

2017年11月30日(木)
会場:東京都 渋谷 Bunkamura オーチャードホール
出演:The Chieftains
ゲスト:
林英哲
古謝美佐子
上間綾乃

2017年12月2日(土)
会場:長野県 長野市芸術館 メインホール
出演:The Chieftains
ゲスト:矢野顕子

2017年12月3日(日)
会場:神奈川県 よこすか芸術劇場
出演:The Chieftains
ゲスト:矢野顕子

2017年12月8日(金)
会場:東京都 オリンパスホール八王子
出演:The Chieftains
ゲスト:
ハンバート ハンバート
Dreamers' Circus

2017年12月9日(土)
会場:東京都 錦糸町 すみだトリフォニーホール
出演:The Chieftains
ゲスト:Dreamers' Circus

『チーフタンズ・スペシャル・ワークショップ』

2017年11月29日(水)
会場:東京都 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
※クラス:イーリアンパイプ / ボーラン / フルート / ケルティック・ハープ / フィドル / ギター / ダンス / ボーカル

リリース情報

The Chieftains『グレイテスト・ヒストリー』
The Chieftains
『グレイテスト・ヒストリー』(CD)

2017年10月25日(水)発売
価格:2,000円(税込)
SICP-31089

1. アイルランドの女 / モーニング・デュー
2. ボーの踊り
3. ウェックスフォード・キャロル(with ナンシー・グリフィス)
4. ベルズ・オブ・ダブリン / クリスマス・イヴ
5. コットン・アイド・ジョー(with リッキー・スキャッグス)
6. ビハインド・ブルー・アイズ(with ロジャー・ダルトリー)
7. キャロランズ・コンチェルト
8. ザ・ロッキー・ロード・トゥ・ダブリン(with ローリング・ストーンズ)
9. ハヴ・アイ・トールド・レイタリー(with ヴァン・モリソン)
10. グアダルーペ(with リンダ・ロンシュタット、ロス・ロボス)
11. サンティアーゴ・デ・クーバ(with ライ・クーダー)
12. マグダレーン・ランドリーズ(with ジョニ・ミッチェル)
13. サケ・イン・ザ・ジャー(with 矢野顕子)
14. アイ・ノウ・マイ・ラヴ(with ザ・コアーズ)
15. キルフェノーラ・セット
16. リデムプション・ソング(with ジギー・マーリー)
17. モリー・バン
18. シュール・ア・ルーン(with 元ちとせ)
19. ラ・イグアナ(with リラ・ダウンズ)
20. ザ・チーフタンズ・イン・オービット(with NASA宇宙飛行士 キャシー・コールマン)

プロフィール

The Chieftains
The Chieftains(ちーふたんず)

2017年に結成55周年を迎える、アイルランド伝統音楽/ケルト音楽の最高峰バンド。1962年の結成以来、世界を舞台に活躍。現在までに45枚以上のアルバムを発表している、世界中に愛されるアイルランドの国宝級バンド。スタンリー・キューブリック監督の『バリー・リンドン』で音楽を担当して、1975年にグラミー賞を受賞。80年代後半~現在に至るまでの活躍は特に目覚ましく、次々と傑作アルバムをリリース、立て続けにグラミー賞(7個)を受賞。また、意欲的に様々なミュージシャンと共演を重ねており、共演者にはローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー、ジョニ・ミッチェル、ライ・クーダー、エルヴィス・コステロ、ロジャー・ウォーターズ、ヴァン・モリソン、パヴァロッティ、ジャクソン・ブラウン、アート・ガーファンクル、スティング、ロジャー・ダルトリー、ジョン・ウィリアムズ、ロンドン・シンフォニー・オーケストラなど、枚挙に暇がない。現在、当初6人のメンバーが3人となり、ここ15年は若いサポートメンバーを増やし、10名編成で精力的なコンサート活動を行っている。日本には1991年の初来日から、これまでに10回来日。過去の来日公演では、矢野顕子、忌野清志郎、林英哲(和太鼓)、古謝美佐子、元ちとせ、などが出演した。今年10月25日に今回の来日公演を記念した日本独自の最新ベスト盤『グレイテスト・ヒストリー』(SICP 31089)をリリースする。

ハンバート ハンバート
ハンバート ハンバート

1998年結成、佐藤良成と佐野遊穂によるデュオ。2001年CDデビュー。2005年のシングル“おなじ話”が各地のFM局でパワープレイとなったのをきっかけに、東京を拠点としていた活動を全国へ広げる。テレビ・映画・CMなどへの楽曲提供多数。近年では、ミサワホームCM企業ソング「いついつまでも」歌唱、アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』(TOKYO MX他)シリーズのエンディング主題歌や、豊崎愛生への楽曲提供など。2017年7月5日、9thアルバム『家族行進曲』をリリースした。

関連チケット情報

2017年11月23日(木)
ザ・チーフタンズ
会場:ミューズ(所沢市民文化センター) アークホール(埼玉県)
2017年11月25日(土)
ザ・チーフタンズ
会場:滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール(滋賀県)
2017年11月26日(日)
世界音楽図鑑 ザ・チーフタンズ
会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール(兵庫県)
2017年11月27日(月)
ザ・チーフタンズ
会場:Zepp Nagoya(愛知県)
2017年11月30日(木)
ザ・チーフタンズ
会場:オーチャードホール(東京都)
2017年12月2日(土)
ザ・チーフタンズ
会場:長野市芸術館 メインホール(長野県)
2017年12月3日(日)
ザ・チーフタンズ
会場:よこすか芸術劇場(神奈川県)
2017年12月9日(土)
ザ・チーフタンズ
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール(東京都)

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