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2017年の注目バンドsui sui duckとevening cinemaが決意表明

2017年の注目バンドsui sui duckとevening cinemaが決意表明

『evening cinema × sui sui duck 共同企画 supported by TOWER RECORDS』
インタビュー・テキスト
矢島由佳子
撮影:高橋一生(sui sui duck) 編集:柏井万作
2017/11/20
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2017年を表すキーワードのひとつとして、「多様性」が挙げられるように思う。2017年に生まれたポップコンテンツも、「多様な価値観の共存・享受」がテーマとなったものがいくつも見られた。このインタビューのなかで挙がった小沢健二の新曲もそうだったし、流行語大賞にノミネートされたアニメ『けものフレンズ』も、ゆるい映像の裏では、誰しもに得意・不得意があるからこそ認め合い、自立・共存の両立が不可欠だというテーマが描かれていた。

そして、そんな2017年の音楽のインディーシーンも「多様性」がひとつのキーワードであったように思う。「シティポップ」だとか、なにかひとつに括ることは絶対にできないほど、それぞれが雑多な表現を突き詰めていて、作品の発表の仕方や活動方法も実に多様で自由だ。特に今20代前半のミュージシャンたちは、柔らかい頭で「多様性」を享受した上で、独自のアウトプットを実現することをごく自然にやっていて、非常に面白い。

今年も様々な若手ミュージシャンにインタビューする機会を得たが、なかでも、ここに登場してもらうsui sui duckとevening cinemaは特に印象的だった。12月4日に共同企画イベントを開催するこの2組より、同じ1993年生まれのフロントマン、渋谷勇太(sui sui duck)と原田夏樹(evening cinema)に、今と未来の音楽シーンについて、それぞれが考えていることを率直に訊いた。

みんなネットで音楽を聴いてきた「ストリーミング育ち」だから、いろいろなものが混合している。(渋谷)

―お二人とも、年齢は同じですよね?

原田:そうです。1993年生まれで、今年24歳。

―同世代のミュージシャンとかクリエイターでいうと、他に誰がいます?

渋谷:俺らはわりと上の人とやることが多いんですけど、同世代で、しかもエレクトロ系のバンドってなると、yahyelとかDATSですかね。

左から:原田夏樹(evening cinema)、渋谷勇太(sui sui duck)
左から:原田夏樹(evening cinema)、渋谷勇太(sui sui duck)

―人のタイプや価値観を年齢だけで括るのは難しいと思うんですけど、「世代感」みたいなものを、なにか自分たちで感じたりしますか?

渋谷:みんなネットで音楽を聴いてきた「ストリーミング育ち」だから、「これだけに影響を受けた」っていうのはなくて、いろいろなものが混合している感じはしますね。だからこそ、どのバンドも、一概に「こういう音楽性です」って言えるような感じではなくなってきていると思う。

原田:僕は茨城県の田舎で、情報が遮断された環境で育ってきたんです。だからずっと、「音楽の入り口はTHE BEATLES」っていうのが音楽好きの王道だと思ってたんですけど、東京に来たら全然そんなことなくて。

渋谷:たしかに、同じ世代でも田舎生まれだと、ちょっと違うんだよね。

―でも原田さんも、YouTubeで探って、関連動画を見て、というのはやっていた?

原田:はい、それは田舎でも。

原田夏樹

―中高生の頃からYouTubeがあった世代って、年代も国も関係なくすごく雑多にいろいろ聴いてるし、それがアウトプットにも出てるなと。それは互いにも思うことですか?

渋谷:evening cinemaって、曲調は1990年代くらいの感じだけど、今っぽい音色が多く使われているなと思う。音は、実は温かみというよりもエグみのほうが強くて。最新のテクノロジーで今っぽくないことをやってるのが面白いなと思いますね。原田くん、DAFT PUNKとかも聴いてるよね?

原田:ああ、そういうのも、わりとつまみ食いはしてきた。あと僕、Perfumeもめっちゃ聴いてた。あんまり言わないけど(笑)。

―渋谷さんも、これまでのインタビュー(sui sui duckが示す、次世代のバンド論。肩書きを溶かして活動中)で、中田ヤスタカさんをフェイヴァリットに挙げてますよね。

原田:多分この年代でPerfume嫌いな人あんまりいないと思うんだよな。

渋谷:いないいないいない。

「最近の若者は音楽分かってない」みたいなのは嘘っぱちだなと思います。(原田)

―「混合」とか「雑多」でいうと、J-POPのメジャーシーンに不満や反発心を持ったりすることなく、メジャーなものもサブカルなものも線引きせずに聴いてる感じですか?

渋谷:不満とか、そういうのはないかな。売れるべき人が売れるべくして売れている感じがしますね。

原田:うん、ないですね。それこそスカートの新譜(『20/20』)が、オリコンチャートで23位に入ったんですよね? そういう意味では、「最近の若者は音楽分かってない」みたいなのは嘘っぱちだなと思います。

渋谷:逆に、いいものはいい、悪いものは悪いって、はっきり分かってるんじゃないかな。「リスナーはバカだ」と言われることもあるけど、実は相当シビアだと思う。ちょっとでも足りないところがあると満足しないから。

なので、セールスが伸びない原因はアーティストに責任があると思うし、「売れない」と言って足踏みしてるのはかっこ悪いなって思いますね。俺、K-POPとかも結構聴きますもん。

渋谷勇太

―K-POPが売れるのも十二分に分かりますよね。かっこいいもん。

渋谷:俺K-POPになりたくてこういう格好してるもん(笑)。曲聴くときは、日本語の翻訳まで見ますよ。

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イベント情報

『evening cinema × sui sui duck 共同企画 supported by TOWER RECORDS』

2017年12月4日(月)
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:
sui sui duck
evening cinema
CICADA
料金:前売2,500円 当日2,800円(共にドリンク別)

※ 来場特典:原田夏樹(evening cinema)と渋谷勇太(sui sui duck)合作のコラボ楽曲にアクセスできるSpotifyコード付きステッカー

プロフィール

evening cinema
evening cinema(いぶにんぐ しねま)

フェイヴァリット・アーティストに大瀧詠一、岡村靖幸、小沢健二を挙げるボーカル兼コンポーザー原田夏樹を中心に2015年結成。80年代ニューミュージックに影響を受けたメロディーセンスと現代の20代男子の瑞々しい感性で90年代初頭のPOPSを現代に再構築するAOR系POPSバンド。無名の新人ながらその作家能力に注目が集まり、2016年7月、1st mini AL『Almost Blue』でCDデビュー。以後他アーティストへの楽曲提供やコラムの執筆等、活動の幅を広げている。

sui sui duck
sui sui duck(すい すい だっく)

2015年結成。見覚えあるあの黄色いアヒル。2016年4月からライブ活動をスタート。同年12月に自主制作EP『RUN』『WALK』をリリース。EAGLESとDaft Punkを敬愛するボーカル・コンポーザー渋谷が放つ楽曲からインスパイアされたアート・ファッション・ビデオなどをクリエイティブチームがコンセプチュアルに体現。音楽を中心にライフスタイルを提唱するプロジェクト集団でもある。メンバーは、渋谷勇太(Vo,Gt)、清水新士(Ba)、堀内拓海(Gt)、安達智博(Dr)、加藤亜実(Key,Cho)、高橋一生(Artwork Director)。

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