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sui sui duckが示す、次世代のバンド論。肩書きを溶かして活動中

sui sui duckが示す、次世代のバンド論。肩書きを溶かして活動中

sui sui duck『FEEL』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:高橋一生(sui sui duck) 編集:矢島由佳子
2017/10/04

アートディレクターを擁する6人組バンド・sui sui duckが、2nd EP『FEEL』を完成させた。7月に発表された『THINK』と対になる内容の本作は、内省的な側面の強かった前作に対し、明るく、キャッチーな側面が強く打ち出された作品。海外インディーのサウンドに影響を受けつつも、あくまでJ-POPであることを自認するバンドのキャラクターがより明確になるものだと言っていいだろう。

『THINK』リリース時の取材では、若くして一度挫折を経験しているフロントマン・渋谷勇太のライフストーリーを追ったが、今回の取材では改めて「sui sui duckとはどんなバンドなのか?」に注目。それをより深く引き出すためにも、彼らが初めてミュージックビデオを撮影したスタジオにて取材を実施し、写真撮影はアートディレクターの高橋一生に担当してもらった。「王道だが王道ではない」という渋谷と高橋の話から、バンドの新たな提案がよくわかる取材になったように思う。

常々思ってるのは、「次の次の流行りを、今やりたい」ということですね。(渋谷)

—前回の取材(sui sui duckが語る、アートディレクターを擁するバンドの在り方)では渋谷くんのこれまでのキャリアを振り返ってもらったので、今回は主にsui sui duckの現在地についてお伺いしたいと思います。

近年は海外インディーからの影響が強いバンドが増えつつありますが、そんななかにあって、sui sui duckとしてはどんな部分を強く押し出していきたいと考えていますか?

渋谷(Vo,Gt):実際、僕らも海外インディーをすごく聴いてますけど、最終的にはそれをまったく感じさせないところまでいきたくて。初期は英語で歌ってたんですけど、それをやめたのも、僕らはJ-POPとして戦わないといけないバンドだと感じたからなんです。なので、これからはより「海外インディーのサウンドだけど、完全にJ-POP」というところを目指したいと思っていますね。

—立ち位置的に近いバンドとして、たとえば、雨のパレードとかがいると思うんですけど、彼らがよく言ってるのは「日本のポップスを更新したい」ということで。sui sui duckとしては、日本の音楽シーンに対してどうアプローチしたいと考えていますか?

渋谷:su sui duckはまず「コンセプトに沿った表現」というのが第一にあって、それ自体は昔からある古典的なものだと思うんです。僕らはまだ「ポップスを更新する」って言えるほど完成されてないですけど、常々思ってるのは、「次の次の流行りを、今やりたい」ということですね。

これから段々横ノリでのれる日本人が増えてくると思うので、だったら、sui sui duckがそれをする必要はない。むしろ、そういうなかで手を挙げさせるぞっていう(笑)。そうやってお客さんを楽しませられる存在になっていきたいです。

渋谷勇太
渋谷勇太

—そう強く思うようになったのはいつ頃ですか?

渋谷:今のメンバーが揃ってからですね。最近は楽器を弾かないパートがあって、みんな打ち込みでやったりするバンドも多いですけど、そういうのを見てると、やっぱりライブ感があんまりなくて、「トラックを流してます」って感じだなと思ったんです。僕は、音楽は瞬間芸だと思っているので、もっと現場での偶発性みたいな部分がほしくて。

—現在の海外インディー寄りのエレクトロポップバンドは必ず先駆けとしてサカナクションと比較されると思うんですけど、今回の『FEEL』は前作より明るい作風ということもあって、むしろ中田ヤスタカさんに近いと思いました。もともとPerfumeが好きだったという話だし、よりJ-POP的という意味でも、親和性が高いのかなって。

渋谷:中田さんのラインにはすごく寄りたいんですけど、やっぱり中田さんのスキルってすごいんですよね。『FEEL』を作ったときは、まだDTMにもそんなに慣れてない状況だったので、「Perfumeをやりたかったけど、まだできてなくて、sui sui duckになった」みたいな感じというか(笑)。でも、「バンドでPerfumeみたいなことをやりたい」っていうのは根本にありますね。

—『FEEL』の楽曲は歌詞の言葉遊びも目立ちますね。

渋谷:中田さんはそのあたりもすごいですよね。「原宿いやほい」とか「にんじゃりばんばん」とか、よく思いつくなって(笑)。僕も、語呂合わせで歌詞を書くのは好きなんです。あと当時はSuchmosをよく聴いてたので、とりあえず韻は踏もうと思って。流行りにモロ影響されるんで(笑)。

渋谷勇太

—トレンドは常に意識していると。

渋谷:めちゃめちゃ取り入れたいです。いいものを聴いたときに、「クソッ!」って思うよりも、「すげえ!」って思うタイプなので。

—言ってみれば、中田さんもDAFT PUNKの影響があった上で、今のエレクトロサウンドのベースを築いたわけで、流行りものに対するアンテナはすごく重要ですよね。もちろん、そのなかに軸となるオリジナリティーは必要だと思うけど。

渋谷:「その人にはなれない」ってわかってるので、自分はちょっと切ないメロディーとかを軸に頑張りたいなと思っていますね。歌メロはホントに誰にも影響されてなくて、自発的に出てきてるものばっかりなので、一番オリジナリティーがあるのは歌詞と歌だと思います。

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リリース情報

sui sui duck『FEEL』
sui sui duck
『FEEL』(CD)

2017年10月4日(水)発売
価格:1,728円(税込)
LUCK-2005

1. No news is good news(SE)
2. feel
3. circle
4. wave
5. swim2
6. pepper
7. sugar

イベント情報

『evening cinema × sui sui duck 共同企画 supported by TOWER RECORDS』

2017年12月4日(月)
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:
sui sui duck
evening cinema
and more
料金:前売2,500円 一般2,800円(共にドリンク別)
※来場特典:原田夏樹(evening cinema)と渋谷勇太(sui sui duck)合作のコラボ楽曲にアクセスできるSpotifyコード付きステッカー

プロフィール

sui sui duck
sui sui duck(すい すい だっく)

2015年結成。見覚えあるあの黄色いアヒル。2016年4月からライブ活動をスタート。同年12月に自主制作EP『RUN』『WALK』をリリース。EAGLESとDaft Punkを敬愛するボーカル・コンポーザー渋谷が放つ楽曲からインスパイアされたアート・ファッション・ビデオなどをクリエイティブチームがコンセプチュアルに体現。音楽を中心にライフスタイルを提唱するプロジェクト集団でもある。メンバーは、渋谷勇太(Vo,Gt)、清水新士(Ba)、堀内拓海(Gt)、安達智博(Dr)、加藤亜実(Key,Cho)、高橋一生(Artwork Director)。

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