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新津由衣&AZUMA HITOMI、なぜタイガーマスク姿で活動中?

新津由衣&AZUMA HITOMI、なぜタイガーマスク姿で活動中?

VOCALOID Keyboard「VKB-100」
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

最近「ダサくてもやる」ということが、二人の合言葉になってるんです。(AZUMA)

—そもそも、お二人にとって「宅録女子」という言葉には、どんな想いがあったのでしょうか?

新津:私が宅録に足を踏み入れた理由は、それをどうしてもやりたかったというよりは他に選択肢がなかったからで。RYTHEMが解散して(2011年)、一人ですべてをやらねばならない状況になったときに、「じゃあ、とにかく楽しみながらやろう」と思って宅録を始めたんです。

だから、「機材が大好き」とかではなくて、「一度自分でできるところまで、なんでも遊びながら作ってみよう」みたいな、自分の好奇心を生かす形でやっていたのが、Neat'sというソロプロジェクトだったんですよね。

新津由衣

—「宅録をやりたかった」というよりは、「結果的にできることが宅録だった」と。

新津:そう。当時は「宅録女子」というワードがそこまで広がってなくて、「音楽も映像もアートワーク制作もディストリビューションも、なんでも一人でやってる女の子」というのが、ちょっと面白い代名詞になってたから、そこに力を入れていたのはあるんです。

ただ、HITOMIちゃんも言ってたように、ネットがどんどん普及して、今はもう宅録ってなんでもないゼロ地点みたいになってるから、「じゃあ、自分の強みはどこだろう?」って改めて考えると、やっぱりそれは「宅録」ではなかった。

—では、今思う「自分の強み」とは?

新津:Neat'sの『MOA』(2014年6月発表)というアルバムを作ったときに、自分の技術的な限界が見えて、やっぱり私の強みって「自分の頭のなか」だと思ったんです。頭のなかにある妄想をもっと自由に羽ばたかせられる、表現できる方法を考えていくほうが、私という存在はもっといろんなクリエイティビティーを発揮できるんじゃないかなって。

これまで学んできた技術もあるけど、後付けではなく、もともと自分のなかにあるもので勝負したくなった。それはやっぱりファンタジーの世界を音楽で表現することだったんです。そこを極めていくことが、これからの音楽人生においてもすごく重要だと思っています。

—そういった考えを背景に、先日ブログでの改名発表があったと。

新津:本名にするのはすごく怖かったんですけど、私のファンタジーの世界に対する思いを綴った文章への反応が、すごく嬉しいものだったんですよね。私は小っちゃいときから「あの子変わってるね」とか「ちょっとダサいね」って言われるグループにいたんですけど、その頃の自分が報われたような感覚というか。

当時は自分の空想を言っても変な顔しかされなかったけど、それを言って、みんなが笑顔になってくれるっていうのは衝撃で、「やっていいんだ」って思えた。それですごく安心したんです。

AZUMA:みんな本音が好きだから、お客さんもそれを待ってたんだろうなって。由衣ちゃんがさらけ出していく様子を見ていて、すごく感じました。

最近「ダサくてもやる」ということが、二人の合言葉みたいになってるんです。前は「ダサいくらいなら死んだほうがマシ」と思ってたけど、それでもやり切るかっこよさのほうが、アーティストにとっては大事なんじゃないかと思うようになったんですよね。

AZUMA HITOMI

ただ、最終的に進もうとしてるベクトルとか、得意としてるものは真逆なんですよ。(新津)

—AZUMAさんにとっても、『CHIRALITY』(2014年6月発表)以降は模索期だったと言えますか?

AZUMA:そうですね。『CHIRALITY』を出してからは、ずっとやりたかったロックバンドや、そのあとも「キスできればそれでいいしス」というオルタナなバンドをやっていました。

バンドをやってみて、私はとにかく自分で曲を作って、そのときにいるメンバーがどんなことをできるか考えながらアレンジをして、それをみんなにやってもらうことに一番楽しさを感じたんです。「宅録女子」として、中学校から一人で部屋で曲を作っていたけど、いろんな人と一緒にやってみるのが好きなんだなって。

AZUMA:そこで感じたことを、今度はソロにどう生かしていこうかって考え始めたのが今ですね。アナログシンセをたっぷり使った、「古くて新しい」ソロアルバムを、時間をかけてじっくり作りたいと思っているので、そのあいだ「新世界★虎の穴」のライブではソロアーティストとしていろんなコラボレーションに挑戦していこうと思っています。そして、アルバムが完成したら新曲でAZUMA HITOMI復活、ということで一人でライブをするのが目標です。

左から:新津由衣、AZUMA HITOMI

—『MOA』と『CHIRALITY』を発表した時期から、今に至るまで、二人は本当に同じようなタームにいたわけですね。

新津:ただ、最終的に進もうとしてるベクトルとか、得意としてるものは真逆なんですよ。だから、こうやって一緒にイベントをやる価値がある。本当に凸と凹みたいな感じで、HITOMIちゃんは私にないものをいっぱい持ってるからこそ、一緒にやってるとすごく吸収できるし、助けてもらうこともあるんです。

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イベント情報

『新世界★虎の穴 課題授業 meets VOCALOID Keyboard』

2017年11月12日(日)OPEN 11:30 START 12:00
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧三本松小学校)
出演:
AZUMA HITOMI
新津由衣
料金:無料

商品情報

『VOCALOID Keyboard「VKB-100」』
『VOCALOID Keyboard「VKB-100」』

「VOCALOID(TM)」は、ヤマハ株式会社が開発した、歌詞とメロディーを入力するだけで、コンピューター上で人工の歌声を作り出すことが出来る歌声合成技術およびその応用ソフトウェアです。ボーカロイドキーボード「VKB-100」は、この「VOCALOID(TM)」によって実現した、リアルタイムに歌詞を歌わせて演奏を楽しむキーボードです。実際の人間の声から収録した「歌声ライブラリ」と呼ばれる声のデータベースを切り替えることで、さまざまなシンガーの声を利用することができます。スマートフォン・タブレット用の専用アプリケーションとBluetooth接続することで、「初音ミク」をはじめ、「Megpoid」「IA -ARIA ON THE PLANETRS-」「結月ゆかり」からシンガーを追加したり、歌詞を事前入力することで、オリジナル曲の演奏が楽しめます(シンガー「VY1」は標準搭載)。パソコンや音楽制作の専門知識は必要なく、鍵盤やボタン操作で自由にメロディーや歌い方を変化させられるため、誰でもボーカロイド曲が楽しめる、まったく新しい「VOCALOID(TM)」の楽しみ方を提案する楽器です。(12月9日発売予定)

また、VOCALOID Keyboard「VKB-100」の12月9日発売に先立ち、無料でもう1人シンガーを追加できる先行予約キャンペーンを11月3日より実施します。

イベント情報

『ゆいちゃんひとみちゃんの新世界★虎の穴~中級編~』

2018年1月28日(日)
会場:東京都 原宿 ストロボカフェ
出演:
AZUMA HITOMI
新津由衣
スペシャルゲスト講師(後日発表)

プロフィール

AZUMA HITOMI
AZUMA HITOMI(あずま ひとみ)

1988年東京生まれ ソングライター / サウンドクリエイター / シンガー。中学生でシーケンスソフト「Logic」と出会い、デスクトップレコーディングを始める。2011年3月、TVアニメ『フラクタル』のオープニングテーマ『ハリネズミ』をEPICレコードジャパンよりリリース、メジャーデビュー。その後1stアルバム『フォトン』、2ndアルバム『CHIRALITY』をリリース。2014年より矢野顕子のアルバム『飛ばしていくよ』、『Welcome To Jupiter』に全5曲トラックメイカーとして参加。現在、ROLAND Jupiter-6を中心に、アナログ・シンセサイザーを存分に使用したアルバムを制作中。

新津由衣
新津由衣(にいつ ゆい)

シンガーソングライター/アーティスト。1985年8月17日神奈川県に生まれる。2003年、高校生の時にシンガーソングライターユニットRYTHEMとしてメジャーデビュー。8年間活動を続ける。2011年、「Neat's」名義でソロプロジェクト始動。作詞作曲編曲、アートワークやMV制作、絵本制作、ディストリビューションも自ら手がけ、アイデアとDIYでどこまでできるか挑戦。富士山麓にて世界初の野外ワイヤレスヘッドフォン・ライブを自主企画するなど、個性的な活動の仕方も話題となる。一風変わったライブのアイデアが得意技。2015年、SEKAI NO OWARI、ゆずなどを手掛ける音楽プロデューサーCHRYSANTHEMUM BRIDGE 保本真吾氏とタッグを組み、本名「新津由衣」としての作品制作を開始。「頭の中は宇宙と同じ」と語る新津由衣がつくるものは、孤独な気持ちから生まれる夢の世界。人間関係に生まれる違和感や歓びをファンタジックな描写で表現している。アナログシンセや世界の楽器サンプリングを多用に取り入れるなど、試行錯誤し、実験的なレコーディングを重ねながら1stフルアルバムを目下制作中。

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