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古着屋BOY×Spotify対談 最新の音楽文化の発信者が語り合う

古着屋BOY×Spotify対談 最新の音楽文化の発信者が語り合う

King Gnu『Tokyo Rendez-Vous』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:小田部伶 編集:山元翔一 取材協力:BOY

「情報が多すぎて、何から聴いていいのかわからない」。近年音楽の話をするなかで、そんな贅沢な悩みを耳にする機会が増えたように思う。そこで今回は、「ストリート」と「デジタル」というそれぞれの立ち位置で、良質な音楽を紹介する二人の対談をセッティングした。

まず一人目は、「FASHION&MUSIC」を掲げ、渋谷・宇田川町から最新のカルチャーを発信し、自らDJとしても活動する古着屋「BOY」の奥冨直人。もう一人は、日本でのスタートから1年以上が経過し、その認知度が確実に高まっているSpotify Japanの野本晶。それぞれの立場から見た「音楽との出会い方」について話してもらいつつ、それぞれがおすすめする今注目の新人バンド計4組を紹介。音楽の聴き方が、きっと広がるはず。

DAOKOのインディーズ時代のCDを無理言って店頭に置かせてもらったのが始まりです。(奥冨)

—まずは奥冨さんが「FASHION&MUSIC」をテーマにした古着屋を始めるに至った経緯を教えてください。

奥冨:もともとファッションの専門学校に通っていて、ファッションビジネスを学んでいたんです。「ゆくゆくはお店を持つ」っていうイメージは最初からあったんですけど、在学中に以前の会社から「新店舗を出すから、そこで店長をやらないか?」っていう話をもらって。その頃の「BOY」で、DAOKO(当時の名義はdaoko)のインディーズ時代のCDを店頭に置かせてもらったのが、音楽タイトルを扱う始まりですね。

奥冨直人。取材は奥冨が経営する古着屋「BOY」にて行われた
奥冨直人。取材は奥冨が経営する古着屋「BOY」にて行われた(サイトを見る

奥冨:それがものすごい反響だったんですよ。それから本人との交流も深まって、“BOY”って曲も生まれて。そこからもともと自分のなかにあった音楽熱がもう一度盛り上がっていって、もっと積極的に音楽と関わったほうが、自分のいいところが出せるかもしれないなって思ったんです。そのあと「BOY」の名前を引き継がせてもらう形で会社から独立して、音楽のイメージが強い宇田川町にお店を出しました。

—「音楽との出会い」という意味も含めて、もともと「場」の重要性を意識していたのでしょうか?

奥冨:僕はめちゃめちゃ大事にしてますね。高校時代に足繁く通った古着屋があって、そのなかでいろんな出会いがあったし、今やっていることも、「場」を作るのが好きだからこそやってるんだと思います。

「BOY」の店内の様子

「BOY」の店内の様子
「BOY」の店内の様子

野本:「場」の重要性については、僕も同じ意見です。僕は愛媛県出身なんですけど、松山に「MORE MUSIC」っていうレコード屋さんがあって、そこの店長さんにいろんな音楽を教えてもらいました。なので、自分にとってもお店や「場」の存在はすごく大事で。あとはラジオが大きかったですね。奥冨さんはもともと渋谷で遊んでたんですか?

奥冨:学生時代は主に原宿でした。でも、そのうち夜遊びをするようになってからは渋谷が多くなって。それこそ「場」が好きなので、飲み屋とかにしても、その場所で起きている現象を体験しに行っている感覚があるんです。それはライブハウスとかクラブも同じ感覚で。「ここにはこういうお客さんがいて、こういう人間関係がある」とか「このイベントの空気は異様だな」とか、そういうのは現場に行かないとわからないですからね。

左から:野本晶、奥冨直人

「ディグる感じ」を音楽ストリーミングで出せたら、日本にも音楽好きな人が増えて、世界ともつながれるんじゃないかって。(野本)

—Spotifyが日本でスタートしてから1年以上経ちましたが、野本さんは広がりをどのように感じられていますか?

野本:最初の1年はすごく大事に進めてきました。というのも、日本のマーケットはかなり特殊で、「アーティストのファン」がすごく多いんです。いきなりそういう人たちにアプローチしちゃうと、「使い方がわからない」って言われると思ったので、最初の1年は、自分から音楽を探すような「音楽好き」な人と仲良くさせてもらって、そこから徐々に規模を大きくしていければと思っていました。

野本晶
野本晶

—最近になって、大規模な露出も増えたように感じます。

野本:つい最近DREAMS COME TRUE(以下、ドリカム)をフィーチャーしてCMを始めたりして、一般層の方にも「ストリーミングで音楽を聴く」ということをわかってもらえればなっていう、まさにその段階ですね。

ただ、中村正人さんにルーツミュージック30曲のプレイリストを作ってもらったりして、僕らのメッセージも含めて展開したいと思っています。ドリカムが好きな人も、ドリカムだけを聴くんじゃなくて、もっといろんな音楽を知ってもらえたらなって。そういう「ディグる感じ」を音楽ストリーミングで出せたら、日本にも音楽好きな人が増えて、世界ともつながれるんじゃないかって思うんです。

野本晶
プレイリスト「DREAMS COME TRUE Favorites」を聴く(Spotiyを開く

—奥冨さんはデジタルによる音楽の聴き方の変化をどのように感じられていますか?

奥冨:僕は今もCDを買うことが多いんですけど、やっぱりYouTubeが出てきた時点で、音楽の聴き方はだいぶ変わったと思います。お客さんと話をして、「このアーティストをよく聴いてます」って言ってても、それが「YouTubeで聴いてます」ってことだったり。

少し前までそれを批判する人もいたけど、自分は肯定的というか。Spotifyをはじめ、LINE MUSICとかも含めて、若い子のなかではそうやって手軽に聴くことがもう普通になっているんだと思いますね。まあ、僕だけ取り残されてますけど(笑)。

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リリース情報

King Gnu『Tokyo Rendez-Vous』
King Gnu
『Tokyo Rendez-Vous』(CD)

2017年10月25日(水)発売
価格:1,800円(税込)
UXCL-128

1. Tokyo Rendez-Vous
2. McDonald Romance
3. あなたは蜃気楼
4. Vinyl
5. 破裂
6. ロウラヴ
7. NIGHT POOL
8. サマーレイン・ダイバー

イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume103』

2017年11月30日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
King Gnu
Newspeak
SUSHIBOYS
踊Foot Works
4×4=16

プロフィール

奥冨直人(おくとみ なおと)

平成元年・埼玉県生まれ。渋谷にあるFASHION&MUSICをテーマにしたカルチャーショップ『BOY』のオーナー。DJ活動も地域・ジャンル問わず精力的に行う。インディーシーンに詳しいことで知られ、TOMMYの愛称で親しまれている。

野本晶(のもと あきら)

1970年生まれ、愛媛県出身。スポティファイジャパン株式会社でライセンス&レーベルリレーションズディレクターを務める。ソニーミュージック、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現・ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、ゾンバ・レコーズ・ジャパン、ワーナーミュージック・ジャパンを経て、2005年からiTunes株式会社にてミュージック担当としてiTunes Storeの立ち上げに参加。2012年9月より現職。

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