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放浪の音楽家Caravanが語る、ステレオタイプな音楽活動への疑問

放浪の音楽家Caravanが語る、ステレオタイプな音楽活動への疑問

Caravan "The Harvest Time" TOUR 2018
インタビュー・テキスト
兵庫慎司
撮影:馬込将充 編集:山元翔一
2018/01/11
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メジャーに移籍して、最初はマイペースでやれていたんだけど、だんだん自分でコントロールできない転がり方になっていって。

—本当に放浪するように音楽活動をしていたんですね。

Caravan:しばらくそういうふうに活動しているうちに、だんだんミュージシャン仲間もできて。静岡で会ったパーカッションの人と、そのあと一緒にツアーを回ったこともありました。本当に不器用なんだけど、そのときは音楽をやってる手応えが、それまでで一番あったんです。2回目に同じ店に行くと、お客さんの数が倍になっていたりとか、そういうことをすごく肌で感じられて。

—それで生活は成り立ってたんですか?

Caravan:ギリギリでしたけど、放浪中は交通費とメシ代ぐらいしか使わないですからね。CD-Rをライブで売って、そのお金でなんとかやっていけてました。そんなこんなしていたら、下北沢の「AARON FIELD」っていう事務所のボスと出会って。「うちのインディーレーベルで出さない? そのデモのままでいいから出そうよ」って言ってくれたんですね。「そんなこと言ってくれる人もいるんだ?」と思って、出したのがインディーズの1stアルバムの『RAW LIFE MUSIC』(2004年)でした。

『RAW LIFE MUSIC』収録曲のライブ映像

Caravan:で、その次の年、当時のディレクターと一緒に「avex」に移籍することになったんです。最初はマイペースでやれていたんだけど、だんだんチームが大きくなり、サーフミュージックブームも相まって、自分でコントロールできない転がり方になっていって。

レーベルのスタッフも、知らない人がどんどん増えていったり、仲よくなったスタッフが飛ばされちゃったり……「これ、いつか経験した空気感と似てるな」ってトラウマがちょっと甦ってきたんですよね。しょうがないことなんだけど、アルバムの構成もできてないのに、リリース日が決まっていたり――「音楽ありきで進めていくもんじゃないのか?」っていう疑問が頭をよぎりはじめて。

Caravan

実態はないけど、「アンダーグラウンド商店街」を作りたいなという想いがあった。

—仕方ないとはわかっていても、システムのなかで失われていくものを見過ごすことができなかった。

Caravan:そうですね。それに最初から「いつか自分でレーベルやりたい」というのは考えていたんです。じっくり音楽を作って、じっくり届ける――発売して1か月が勝負じゃなくて、もっと時間をかけて確実に届けていく方法を、システム作りも含めてちゃんとやりたいな、と。

そういう気持ちを抱えながらメジャーでの活動を続けていたんですけど、震災(東日本大震災)が起こって、今まで正しいと思ってたことが実は正しくないんじゃないか? 必要と思ってやってたことって本当に必要なのか? とか、そういうことをあのとき誰しも考えたと思うんですけど、「変わるなら今じゃないかな」っていうスイッチが入りました。

『The Sound on Ground』(2012年)収録曲

Caravan:avexは契約延長しようと言ってくれたんだけど、「俺はもう辞めようと思う」「どうなるかわかんないけど、今の時の流れも何かのメッセージだと思うし、すごくそういうサインを感じる」っていうことをマネージャーに話して。それで2012年に「Slow Flow Music」というレーベルを設立しました。

そこで、作ったものをJASRACに著作権登録して、普通にCDショップとかで売って……っていうやり方だと、結局同じことになっちゃうだろうと思って、自分が疑問に思っていたことならば、一度そういう前提を取っ払ってみようと。既存のレールを使わないで音楽を届ける術を見つけたいなと思ったんです。

—なるほど。

Caravan:基本的には、公式サイトでの通販とライブ会場と、あちこちで知り合えた小さいお店とかの仲間たちに頼んで、5枚でも10枚でも店に置いてもらえないか、という話をして。実態はないけど、「アンダーグラウンド商店街」を作りたいなという想いがあったんですよね。要は、顔の見える人付き合いと、小さいけど簡単な利害関係で壊れないコミュニティーを、自分の音楽活動と結びつけていきたいなと。

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リリース情報

Caravan『The Harvest Time』
Caravan
『The Harvest Time』(CD)

2017年11月15日(水)発売
価格:3,240円(税込)
SFMC-005

1. Astral Train (Instrumental)
2. Retro
3. Heiwa
4. Travelin’ Light
5. Rainbow Girl
6. モアイ
7. Chantin’ The Moon
8. Yardbirds Swingin’ (Instrumental)
9. Maybe I’m a Fool
10. Stay With Me
11. Future Boy
12. おやすみストレンジャー
13. 夜明け前
14. In The Harvest Time

イベント情報

『Caravan "The Harvest Time" TOUR 2018 Release Party』

2018年1月28日(日)
会場:神奈川県 CLUB CITTA'
出演:
Caravan(Vo,Gt)
宮下広輔(Ps,Gt)
高桑 圭/ Curly Giraffe(Ba)
椎野恭一(Dr)
堀江博久(Key)
料金:前売5,000円(ドリンク別)
※振舞い酒あり(サッポロ生ビール黒ラベル)

『Caravan "The Harvest Time" TOUR 2018』

2018年2月3日(土)
会場:茨城県 古河Cafe Lounge BEEP

2018年2月9日(金)
会場:奈良県 奈良カナカナ

2018年2月11日(日)
会場:高知県 蛸蔵

2018年2月12日(月・祝)
会場:香川県 高松umie

2018年2月14日(水)
会場:鹿児島県 Duckbill

2018年2月16日(金)
会場:長崎県 長崎県美術館

2018年2月18日(日)
会場:広島県 HIROSHIMA 4.14

2018年2月20日(火)
会場:兵庫県 姫路AMP.

2018年2月22日(木)
会場:三重県 松阪M’AXA

2018年2月23日(金)
会場:岐阜県 中津川Majolica-Bamboo

2018年2月25日(日)
会場:静岡県 秘在寺

2018年3月16日(金)
会場:東京都 二子玉川SOUL TREE

2018年3月18日(日)
会場:静岡県 三島 cafe&bar日家

2018年3月21日(水・祝)
会場:新潟県 りゅーとぴあ能楽堂

2018年3月22日(木)
会場:群馬県 高崎SLOW TIME

2018年3月24日(土)
会場:福島県 喜多方 大和川酒造 昭和蔵

2018年3月25日(日)
会場:宮城県 塩竈市杉村 惇美術館

プロフィール

Caravan(きゃらばん)

1974年10月9日生まれ。幼少時代を南米ベネズエラの首都カラカスで育ち、その後、転々と放浪生活。高校時代にバンドを結成、ギタリストとして活動。2001年よりソロに転身。全国を旅しながらライブを重ね、活動の幅を広げてゆく。2004年4月インディーズデビュー。2枚のアルバムを発表。2005年メジャーへ移籍。2007年マネージメントオフィス「HARVEST」設立。2011年までの間、年に一枚のペースでアルバムを発表してきた。一台のバスで北海道から種子島までを回る全国ツアーや、数々の野外フェスに参加するなど、独自のスタンスで場所や形態に囚われない自由でインディペンデントな活動が話題を呼ぶ。2011年には自身のアトリエ「Studio Byrd」を完成させ、2012年プライベートレーベル「Slow Flow Music」を立ち上げた。Caravanも含めたった3人でマネージメントとレーベルを運営しインディーズ流通すら使わず、メディアにもほとんど露出しないその独自なスタンスも注目を集めている。独自の目線で日常を描く、リアルな言葉。聞く者を旅へと誘う、美しく切ないメロディー。様々なボーダーを越え、一体感溢れるピースフルなライブ。世代や性別、ジャンルを越えて幅広い層からの支持を集めている。

関連チケット情報

2018年1月28日(日)
Caravan
会場:CLUB CITTA’(神奈川県)
2018年2月3日(土)〜2月4日(日)
京音-KYOTO-2018
会場:磔磔/KYOTO MUSE(京都府)
2018年2月9日(金)
Caravan
会場:カナカナ(奈良県)
2018年2月11日(日)
Caravan
会場:蛸蔵(高知県)
2018年2月16日(金)
Caravan
会場:長崎県美術館 エントランスロビー(長崎県)
2018年2月18日(日)
Caravan
会場:広島・4.14(広島県)
2018年2月22日(木)〜2月23日(金)
Caravan
会場:松阪M’AXA(三重県)
2018年3月21日(水)
Caravan
会場:新潟市民芸術文化会館 能楽堂(新潟県)
2018年3月24日(土)〜3月25日(日)
Caravan
会場:大和川酒造北方風土館昭和蔵(福島県)

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