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三浦直之率いるロロは、なぜ演劇ファン以外からも支持される?

三浦直之率いるロロは、なぜ演劇ファン以外からも支持される?

ロロ『マジカル肉じゃがファミリーツアー』
インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:鈴木渉 編集:川浦慧

左から:望月綾乃、三浦直之、篠崎大悟、森本華、亀島一徳、島田桃子 奥:板橋駿谷

昔は三浦くんも私たちも、言いたいことややりたいことが溢れてて、それをどうやって実現するかは後回しだったよ。(森本)

—この数年で再演やリライトが増えてきたと思うのですが、俳優陣は初演との違いを感じますか?

板橋:俺はすごい感じる。作品自体もぜんぜん違うものになっているけれど、自分自身も年齢を重ねたから。あの時なんて26歳だったから、超イケイケだったよ。

望月:超イケイケだったんだ!? それは気づけてなかった(笑)。今回の稽古初日に『旅、旅旅』の台本をみんなで久々に読み合わせしたんですけどヤバかったなー。はちゃめちゃナンセンスな内容で、当時の自分たちはどうやって演じたのかまったくわからない。

島田:映像見ると、みんな若くてぜんっぜん洗練されてない!

—改作した『マジカル~』もけっこうはちゃめちゃですか?

島田:今回は、しっかりお話になってます。

奥から:板橋駿谷、島田桃子
奥から:板橋駿谷、島田桃子

森本:昔は三浦くんも私たちも、言いたいことややりたいことが溢れてて、それをどうやって実現するかは後回しだったよ。

三浦:今回、稽古初日に『旅、旅旅』の読み合わせをした中でいちばん思ったのは、過去の自分に対する「羨ましい」って気持ちでした。当時の僕は演劇をはじめて2年目とかだから、演劇の面白さのすべてに感動してるのがわかるんですよ。「演劇の上演って、SFの可能世界みたいだ!」とか。今はいろいろ知ってしまっているから、そんな発見の驚きに出会うことはもうない。だから昔の自分が羨ましくなってしまった。

おっさんの役でも、昔は「フィクションのおっさん」だったのが、だんだんと「本物のおっさん」になっていて。(板橋)

—それも8年間という時間の中で否応なく起こる変化なんでしょうね。

板橋:8年ってすごいよな。作品もロロももちろん変わるけど、俺らの私生活も当然変わるわけで。俺は最初からおっさんの役をやってきたけど、昔は「フィクションのおっさん」だったのが、だんだんと「本物のおっさん」になっていて、実際の人間としての変化が作品にも影響している。

望月:ロロ自体が、もう若手じゃなくなったってことだよね。『旅、旅旅』の頃はド若手で、お客さんも可能性のある劇団として見ていた。でも今は、昔のようにはしゃいではいられない。

望月綾乃
望月綾乃

森本:だから作品にも現実感が増えてきた気がします。最初の『旅、旅旅』は、家族や年収の設定にリアリティーがなくて、ことによると人ではないかもしれないようなキャラクターとして描かれていたし、私たちも演じてきた。でも時を重ねてきたことで、それが人間に寄ってきている。

板橋:人間を演じることが「面白い」と思えるようになったってことだよね。

亀島:20歳そこそこの奴らに「生活感」って言われても説得力なかったしね(笑)。

島田:私が正式にロロに加わったのは2、3年前で、とくに2017年は夏からずっとみんなと一緒にいたんです。それで「いいなあ」と思ったのは、ロロって本当にファミリーだと思ったんです。演技に迷ったり戸惑ったりしても、すっと手をさしのべてくれて、それは個人間のやりとりというより、そういう集団のスタイルができてるってことで。「家族」の意味のファミリーというよりも、う~ん……ヤクザの一家?

望月:そっちかよ(笑)。

島田:そんなわけで『マジカル肉じゃがファミリーツアー』!

望月:きれいに結んだね!

板橋:いや、結べてないでしょ! ヤクザの話になっちゃうよ!

—では、一家を束ねるドン(首領)として三浦さんから最後に一言。

三浦:この先40歳になっても「ボーイ・ミーツ・ガール」とはなかなか言えないですから、年を重ねるように作品も年をとっていけたらと思います。あと、自分が大切にしてきたモチーフに、例えば恋人=男女、みたいな既存の関係性から解放された関わりのあり方を描くことがあるんです。それができたのも、ロロという集団であったからこそ。僕らの関係性が、作品を次の場所に連れてきてくれたと思うので、これからもその時間と関わりを大事にしていきたいです。

左から:島田桃子、三浦直之、篠崎大悟、望月綾乃、板橋駿谷、亀島一徳、森本華

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イベント情報

ロロ『マジカル肉じゃがファミリーツアー』
ロロ
『マジカル肉じゃがファミリーツアー』

2018年1月12日(金)~1月21日(日)
会場:神奈川県 横浜 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
脚本・演出:三浦直之
出演:
板橋駿谷
亀島一徳
篠崎大悟
島田桃子
望月綾乃
森本華(以上ロロ)
猪俣三四郎(ナイロン100°C)
北川麗(中野成樹+フランケンズ)
宮部純子(五反田団、青年団)
料金:
前売 一般4,000円 25歳以下3,000円 高校生以下1,000円
当日 一般4,500円 25歳以下3,500円 高校生以下1,000円

プロフィール

ロロ(ろろ)

三浦直之(主宰・脚本・演出)、板橋駿谷、亀島一徳、篠崎大悟、島田桃子、望月綾乃、森本華(以上俳優)、玉利樹貴(えかき)、坂本もも、奥山三代都(以上制作)の10名による集団。2009年より東京を拠点に活動中。漫画・アニメ・小説・音楽・映画などジャンルを越えたカルチャーをパッチワークのように紡ぎ合わせ、様々な「出会い」の瞬間を物語化する。小説のリーディングや音楽ライブと融合した短編演劇、映画製作など、ジャンル横断で演劇の枠を拡張しながら活動を行い、2013年三浦直之・初監督作品 映画『ダンスナンバー 時をかける少女』(製作:ロロ)は『MOOSIC LAB 2013』準グランプリ他3冠を受賞。2015年には11作目の本公演『ハンサムな大悟』の戯曲が『第60回岸田國士戯曲賞』最終候補作に選ばれる。代表作は『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』『LOVE02』『あなたがいなかった頃の物語と、いなくなってからの物語』など。

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