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キイチビール×ホフディラン小宮山 遊ぶように人生を謳歌する二人

キイチビール×ホフディラン小宮山 遊ぶように人生を謳歌する二人

キイチビール&ザ・ホーリーティッツ『トランシーバ・デート』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:馬込将充 編集:山元翔一

ある種のアウトローみたいな人たちが必ずどこかで文化を支えてる。(雄飛)

—こうやってお話を聞いて思うんですけど、キイチくんは見た目的にも1990年代の下北沢にいそうですよね(笑)。

雄飛:いそうだよね。僕よりいそうだもん(笑)。まあ、90年代は渋谷系とか盛り上がりましたけど、それでも全体から見たらマイノリティーで、正確には「90年代の音」ではないと思うんですよね。

—どういうことですか?

雄飛:実際、街では安室ちゃん(安室奈美恵)とかが流れていたわけじゃないですか? サニーデイなんかは、むしろ60年代、70年代っぽい音を90年代にやっていて、それが今聴くと90年代の音に聴こえるというだけで。でもニッチだったからこそ、土着的だったというか、渋谷系やサニーデイに「下北沢とか渋谷のあの頃」をすごく感じるのはそういうことだと思います。

サニーデイ・サービス『東京』(1996年)収録曲

ホフディラン『多摩川レコード』(1996年)収録曲

雄飛:それに流行りを追っかけるよりも、「20~30年前の音楽を聴いてるヤツのほうが偉い」みたいな風潮って、たぶんいつの時代もあると思うんです。90年代当時、自分たちはThe Beatlesとか60年代の音楽を聴いてたし、今だと80年代のバブルの感じがいいって言う人もいるじゃないですか。そういうふうに、そのときの流行じゃないものを聴く一派って常にいるんですよね。

ある種のアウトローというか、メインストリームじゃないところにいるヤツらのつながりって、空気でわかるし、そういう人たちが必ずどこかで文化を支えてる。CINRAもはじまりはそういうところでしたよね?

—もともとはライブハウスシーンというか、かなりインディーなところからのスタートでした。

雄飛:ナタリーもそうだろうし、今どれだけビッグになったかは別として、少なくともインディペンデントな精神ではじめてる人たちとは、なんとなく気が合うというか。

—ナタリーももともとは「ミュージックマシーン」っていう大山卓也さん(ナタリーを運営する株式会社ナターシャの取締役会長)による個人のニュースサイトが出発地点でしたもんね。

雄飛:で、今、卓也くんはお金持ちになって、ゲームばっかりしてるっていう。働いてはいるみたいですけど、今は完璧に我々の敵ですよ(笑)。

左から:小宮山雄飛、キイチビール

「カッコつける」みたいなのが肌に合わなくて。どちらかというと……可愛がられたいんです(笑)。(キイチ)

—キイチビールの結成以前を振り返ると、もともとキイチくんはジャズをやっていたそうですね。

キイチビール:大学ではジャズ研究会に入って、ウッドベースでセッションをしてました。最初はゲームみたいな感じというか、いろんなフレーズを覚えて、「このコード進行のときにこの技を繰り出す」みたいなのが面白くて。でも、だんだん「どれだけ速くこのテーマを弾けるか」とか、スポーツっぽくなってきて、ちょっと疲れちゃったんですよね。それでギターを買って、自分で曲作ってみようかなって。大学……5年目で(笑)。

雄飛:5年目なんだ(笑)。

キイチビール:はい(笑)。周りは1年前に就活してて、僕は留年して、就活しなきゃってムードだったんですけど、どうしても就活したくなくて。最初は絵とかも練習したんですけど、やっぱりダメで(笑)。でも曲を作ってみたら、うちのベースのタフネス(橋本=タフネス=樹)とかがすごく褒めてくれて、そこから本腰入れてやるようになりました。

キイチビール

—自分で曲を作りはじめたときに、ホフディランやTheピーズといった自分のルーツにもう一度戻ってきたということだと思うんですけど、ジャズの経験を生かしたを取り入れたバンドサウンドを目指す選択肢はなかったんですか?

キイチビール:そうですね。最近だとWONKとかSANABAGUN.とか、ジャズ界隈からバンドシーンに出てきてる人たちがいますけど、僕からするとおしゃれすぎるというか、ジャズすぎて。流行りは度外視して、自分が聴きたい音楽を作りたくてジャズっぽいものからは離れて曲を作りはじめたんです。

—やっぱり、さきほど雄飛さんがおっしゃってた「非メインストリーム」の系譜にキイチビールも位置しているのかもしれないですね。

キイチビール:あんまり深くは考えてないんですけど、「カッコつける」みたいなのが肌に合わなくて。どちらかというと……可愛がられたいんです(笑)。それに流行りに乗っかるのって難しくて。

雄飛:だって、「世の中のことわからない」だもん、乗りようがないよね(笑)。

キイチビール:見た目を気にするのもめんどくさいし、思ったことをそのまま全部出したいから、丸くなるつもりはないです(笑)。感覚的に、深くは考えずに、やりたいことやろうみたいな。

雄飛:先輩としては、ちょっと心配になる(笑)。まあ、僕らもキイチくんみたいな感じでしたけどね。世の中のこと全然わかってなかった(笑)。

—“世の中のことわからない”はどのようにできた曲なのでしょうか?

キイチビール:2年くらい前、好きな女の子をクリスマスにデートに誘ったんですけど、返事が来ないままクリスマスを迎えて、寂しくて作った曲ですね。

左から:小宮山雄飛、キイチビール

—実体験ベースの曲が多いんですか?

キイチビール:そうです。“ロケット裸族”とかは違いますけど(笑)。

雄飛:“ロケット裸族”ってなんですか?(笑)

キイチビール:なんですかね?(笑)……これは今回の『トランシーバ・デート』のなかで唯一ギターで作ってなくて、駒沢のカフェで安いコーヒー飲みながら、iPhoneでトラックを作って、家に帰ってiPhoneのイヤホンで歌とギター録って、そのまま入れました。

雄飛:そういうところは似てますね。僕らも当時606(Roland TR-606)ってアナログな機材で録ったリズムをそのまま入れたりしてました。同じような話だと、『ユウヒビール』に渡辺くん(ワタナベイビー)と彼女が電話してる音声が入ってるんですけど、あれ、渡辺くんか彼女かがなぜか録音してたらしいんですよ。で、渡辺くんから「こんなのあるんだけど」って言われて、「入れちゃおう」って(笑)。

キイチビール:そんな経緯があったんだ……最高ですね。

左から:小宮山雄飛、キイチビール

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リリース情報

キイチビール&ザ・ホーリーティッツ『トランシーバ・デート』
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
『トランシーバ・デート』(CD)

2018年2月7日(水)発売
価格:2,160円(税込)
KBHT-0003

1. たまらない夜
2. パウエル
3. 世の中のことわからない
4. プラスチックラブ
5. ビールを用意しててね
6. ロケット裸族
7. トランシーバ・デート
8. 夏の夜
09. 東京タワー
10. ちっちゃなハート

ホフディラン『帰ってきたホフディラン』
ホフディラン
『帰ってきたホフディラン』(CD)

2017年10月18日(水)発売
価格:3,024円(税込)
PCCA-4585

1. 僕のかわいい女の子
2. ヤンヤンヤン
3. 珈琲
4. あの風船追っかけて
5. 愛しあって世界は回る
6. 家を借りよう
7. 夜を越えて
8. おやすみの時間
9. 恋は渋谷系
10. 映画の中へ
11. 雨あがりの夜空に
12. エバーグリーンな悩み
13. また逢う日まで
14. ホフディランのバラッド

イベント情報

『キイチビール&ザ・ホーリーティッツ 1st full album「トランシーバ・デート」リリースパーティー』

2018年2月8日(木)
会場:東京都 WWW
出演:
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
ホフディラン
MONO NO AWARE
台風クラブ

『キイチビール&ザ・ホーリーティッツ1st full album「トランシーバ・デート」リリースツアー』

2018年3月8日(木)
会場:大阪府 LIVE HOUSE Pangea
出演:
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
Koochewsen
ナードマグネット
Gateballers

2018年3月9日(金)
会場:愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
出演:
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
Koochewsen
SUNNY CAR WASH
Gateballers

2018年3月20日(火・祝)
会場:宮城県 enn 3rd
出演:
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
Koochewsen
SUNNY CAR WASH
YAOYOROS

キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
『1st full album「トランシーバ・デート」リリースツアーファイナル』

2018年3月24日(土)
会場:東京都 渋谷 Star lounge
出演:キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
料金:前売2,500円 当日3,000円

プロフィール

キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ

平均年齢24歳の5人編成。2016年6月、Theピーズやホフディランなど、90年代のロックバンドの影響を感じさせつつも、彼ら独特のユルくて鋭い、「ハッピーサッドの先にあるハッピー」を歌い奏でるミュージカルセンスをいきなり見せつけた初の自主制作EP『俺もハイライト』をリリースするや、タワーレコード渋谷店の全国未流通音源「タワクル」コーナーにて7か月連続TOP10入りを達成するなど、20歳前後の同世代のリスナーを筆頭に、90年代に青春期を過ごした年上のリスナーなど、様々な世代のキイチビーラーがじわじわ増殖中。2017年夏には、『RO JACK for ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』(優勝)、『でれんの!?サマソニ!? 2017』(GARDEN STAGE賞受賞)という2大夏フェスへの出演権を獲得する新人コンテストでW受賞し、一躍注目を浴びる存在に。

ホフディラン
ホフディラン

日本が誇る2ピースPOPグループ。1996年『スマイル』でデビュー。1998年には“遠距離恋愛は続く”、“欲望”、“極楽はどこだ”などお馴染みの曲は多数。『FUJI ROCK FESTIVAL』への参加、日本武道館でのワンマンライブを成功させる。約3年半の活動休止後、2006年9月に活動再開。10月18日には「5年ぶり」のニューアルバム『帰ってきたホフディラン』を古巣ポニーキャニオンより絶賛発売中!

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