特集 PR

小山健×たなかみさき、SNSを語る。いいね!の数より大事なこと

小山健×たなかみさき、SNSを語る。いいね!の数より大事なこと

『SNS展』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:鈴木渉 編集:木村直大

Instagramは、絵がすごく好きっていう感じではない人でも見れるのが、ありがたかった。(たなか)

—SNSで作品が広まったきっかけは、どんなものだったのでしょう?

たなか:私がイラストレーターとしていちばん最初に個展を開いたのは、表参道の美容室だったんですね。大学を卒業したあと、すぐにそこでやらせてもらって。そういうところって、普段ギャラリーにこないような、すっごいオシャレで美人なお姉さん方がくるんですよ。最初にInstagramのフォロワーがグッと増えたのは、そこだったんですよね。いまでいうインフルエンサーみたいな人たちがフォローしてくれて、ファッション的に私の絵が好きだと言ってくれる人が多くなったんです。

—美容室で個展をすることで、インフルエンサーの人たちの目に止まったと。

たなか:もともと私は、ギャラリーよりも喫茶店に絵を飾ってコーヒーを飲みにきただけの人にも見てもらえるほうが、意味があるんじゃないかと思っていたんですよね。SNSのおかげで、普段ギャラリーにこないようなオシャレな女の子たちが私のことをInstagramで知ってくれて、好きって言ってくれるようになったから、すごく良かったなって思っています。

—SNSによって、ギャラリーでは出会えない、だけどホントは絵を見てもらいたい人たちと繋がれたわけですね。

たなか:そうですね。私、あんまりグループ展とかもしてなくて……そのせいでもあるんですけど、横の繋がりがあんまりないんですよね。というか、むしろ異業種の人と繋がりたいなっていう思いが、昔からすごくあって。音楽関係とかアパレルとか、異業種の人と繋がったほうが、面白い化学反応が起きるんじゃないかなって思っていたんですよね。

たなかみさき

—それは、たなかさんの作風的に? それとも性格的に?

たなか:多分両方ですね(笑)。作風的にも性格的にも、イラスト業界の外の人に作品を見てもらえるほうがいいんじゃないかと思っていて。Instagramは、絵がすごく好きっていう感じではない人でも見れるじゃないですか。それが、私にとっては、いちばんありがたかったんですよね。

趣味でやっていたことが、まわりまわって、これに繋がるんだって。(小山)

—小山さんがSNSで作品を発表して良かったと思うことは?

小山:やっぱり、すぐに反応がわかるところですよね。さっき言ったように、それを何か仕事に繋げようみたいなことは、最初は考えてなくて。自分の漫画にコメントをもらうのとか、アクセス数が増えるのが、もうホント面白かったんですよね。

たなか:ちょっとゲーム感覚みたいなところがありますよね。

小山:そうですね。それまではまさにゲームをすごくやっていたんですけど、やらなくなるぐらいSNSにハマってしまったんですよね。この数字が、現実社会の人間の数なんだって思うと、もうワクワクするというか。

左から:たなかみさき、小山健

小山:あと、SNSのいいところは、何の編集も入らず、そのまま好きなように描けるところですよね。「この言葉はやめましょう」とか、誰かに言われることなく、自分の好きなように描ける。

それと、SNSをやっていて良かったと思ったのは、僕の漫画を巨乳アイドルの人も読んでいてくれたみたいで……その繋がりで、イベントに呼んでもらったことがあったんです。そこで、一緒に写真を撮りましょうって、彼女の胸が僕にあてがわれたときですかね。

たなか:幸せ(笑)。

—(笑)。小山さんは、そういう感じのキャラなんですね。

小山:いや、さっきから、自分、何を真面目に話してるんだろうって思ってしまって……(笑)。でも、あのときは、たしかにそう思ったんです。趣味でやっていたことが、まわりまわって、これに繋がるんだって。

たなか:そうやって職権乱用してる感じは、たしかにあります。私も最近、ずっと会いたいと思っていた人に、会えたりするようになって。イラストレーターって、そういう職業だとは思ってなかったんですよね。小山さん、紗倉まなちゃん(AV女優)にもお会いしてませんでした?

小山:会いました。そのときも胸をあてがわれて、「ああ……SNSをやってて良かったなあ」って思いました(笑)。

たなかがこの日のために、小山のキャラクター「なすりつけ太郎」を取り入れて描いたイラスト
たなかがこの日のために、小山のキャラクター「なすりつけ太郎」を取り入れて描いたイラスト(『なすりつけ太郎』を読む

やっぱり無理をしたくないっていうのが、ちょっとあるのかもしれないです。(小山)

—お2人は、顔出しするか否かで、悩んだことはなかったんですか?

小山:ああ、顔も出さずに作品だけで勝負するっていうのが、いちばんカッコいいと思うんですけど、始めた当時は、なぜか本名でやることのカッコ良さに酔いしれてしまっていたところがあって……いまとなっては、後悔していますけど。

たなか:私も実は、ペンネームが欲しかったんですよね。

たなかみさき

—あ、お2人とも本名なんですね。

小山:そう、何か「隠さないぞ」って、最初の決断をしたときがあって……いや、決断じゃないですね。ふわーっと始まってしまったので(笑)。

たなか:私も、いつの間にかそういう感じになってしまったというか。

小山:やっぱり、無理をしたくないっていうのが、ちょっとあるのかもしれないです。

小山健

たなか:そうですね。「表に出ない」っていうのは、私の場合、むしろ頑張って出ない感じになってしまうので。それも違うのかなと思って。だから、会いたい人がいたら会いに行くし、お酒を飲んで酔っ払ってInstagramのストーリーを投稿しちゃったりもするっていう(笑)。そうやって、自分に無理をしない形でSNSをやっていきたいんです。

Page 2
前へ 次へ

イベント情報

『SNS展』

主催:CINRA, Inc
特別協賛:LINEモバイル
参加アーティスト・キュレーター:
のん
菅本裕子
小山健
能町みね子
燃え殻
濱田英明
たなかみさき
最果タヒ
塩谷舞
UMMMI.
藤原麻里菜
東佳苗
ほか

2018年4月10日(火)まで公募作品の受付中。詳しくは公式サイトへ

プロフィール

小山健(こやま けん)

東京都在住。
会社員時代に趣味でブログに描いていたマンガ「手足をのばしてパタパタする」をきっかけにマンガやイラストを様々なところで執筆。
2013年に独立以降、雑誌・書籍・ウェブなどで幅広く活動中。
ときどきイベントに出て絵を描いたりしゃべったりもします。

たなかみさき

1992年11月14日生まれ。埼玉県出身。日本大学芸術学部を卒業後、熊本に移り住みフリーランスのイラストレーターとして活動。2017年春からは東京に拠点を移し主にグッズ制作、出版物に関わりながら活動中。お酒、歌謡、哀愁をこよなく愛し、それらは作品の中で色気を匂わせている、誰もが感じた事のある、あの青春を追い求めて。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』予告編

映画『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』予告編。高畑勲の実験精神に敬意を表する監督が「暗号描画」なる手法を使い、全ての作画をたったひとりで手がけたという。透けてしまいそうなキスシーンや、迫り来る波の一瞬一瞬に確かに手をひかれているようで、全貌が気になって仕方ない。オフィシャルサイトには片渕須直、今日マチ子らのコメントも。(井戸沼)

  1. 岩田剛典と元カノ・大政絢が再会 『パーフェクトワールド』新場面写真 1

    岩田剛典と元カノ・大政絢が再会 『パーフェクトワールド』新場面写真

  2. 『ギャングース』公開日決定&新場面写真にMIYAVI、篠田麻里子、山本舞香ら 2

    『ギャングース』公開日決定&新場面写真にMIYAVI、篠田麻里子、山本舞香ら

  3. 木村拓哉&長澤まさみのホテルマン姿 『マスカレード・ホテル』特報公開 3

    木村拓哉&長澤まさみのホテルマン姿 『マスカレード・ホテル』特報公開

  4. ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダムNT』特報、声優陣に榎木淳弥ら 4

    ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダムNT』特報、声優陣に榎木淳弥ら

  5. のんが武満徹『系図』の語り手を担当 谷川俊太郎の詩を朗読 5

    のんが武満徹『系図』の語り手を担当 谷川俊太郎の詩を朗読

  6. 森川葵×城田優のドラマ『文学処女』に中尾暢樹、泉里香、上遠野太洸ら 6

    森川葵×城田優のドラマ『文学処女』に中尾暢樹、泉里香、上遠野太洸ら

  7. 次号『CUT』は『銀魂』特集 実写からアニメ、原作漫画まで網羅の36ページ 7

    次号『CUT』は『銀魂』特集 実写からアニメ、原作漫画まで網羅の36ページ

  8. 満島真之介が『映画 おかあさんといっしょ』に出演 「人生の一番の夢」 8

    満島真之介が『映画 おかあさんといっしょ』に出演 「人生の一番の夢」

  9. アナログフィッシュ×呂布カルマ 小さな声でも人に刺さる言葉 9

    アナログフィッシュ×呂布カルマ 小さな声でも人に刺さる言葉

  10. 金閣寺で踊ったs**t kingzが感じた、ダンサーの社会的地位の変化 10

    金閣寺で踊ったs**t kingzが感じた、ダンサーの社会的地位の変化