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ナツノムジナ×田渕ひさ子のセッション&対談 音と言葉で熱く語る

ナツノムジナ×田渕ひさ子のセッション&対談 音と言葉で熱く語る

ナツノムジナ『淼のすみか』『HARVEST』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:田中一人 編集:山元翔一

沖縄出身の若き4ピースバンド、ナツノムジナ。彼らが去年リリースした1stフルアルバム『淼(びょう)のすみか』は、この国の音楽史における、ひとつの流れの先端に位置するアルバムだ。それは、スピッツやbloodthirsty butchers、NUMBER GIRLやOGRE YOU ASSHOLEといったバンドたちが脈々と築き上げてきた、オルタナティブギターロックの最先端。移ろいゆく季節と僕らの心の関係を、身を切る風の冷たさのなかに幻視する誰かの姿を、焦燥を、そして、シュールな夢想を……あらゆる心象風景を描き得る、豊潤な文学性を持ったアートフォームとしてのギターロックの最先端――いま、そこにいるのがナツノムジナなのだ。

そんな彼らのバンド活動において大きなターニングポイントになったのが、2011年、まだ高校生だった彼らが地元・沖縄でbloodthirsty butchersのオープニングアクトに抜擢されたことだったという。そこで今回は、bloodthirsty butchersのメンバーであり、toddleなどでも活動するギタリスト、田渕ひさ子を迎え、ナツノムジナとの特別セッションを敢行した。題目は、ナツノムジナのレパートリーである“天体”と、フリーセッション。以下に始まる2組による対談は、その熱く饒舌なセッションの終了後に行われたものだ。記事中に埋め込まれたセッション時の動画とともに、2組の「音」と「言葉」による対話を楽しんでいただきたい。

私は強烈なリーダーがいるバンドに関わることが多かったので(笑)、ナツノムジナみたいにみんなが意見を出し合うなかに入っていくのは新鮮でした。(田渕)

—セッション、お疲れ様でした! 本当に素晴らしい演奏を聴かせていただきましたが、まず、それぞれの感想から伺えればと思います。

田渕:去年、ナツノムジナの『淼のすみか』をよく聴いていたので、あたかも最初からメンバーだったかのように弾かせていただきました。私自身、気軽に人とハイタッチができない性格だし(笑)、そんなにセッションが得意なほうではないんです。でも、今回のセッションは誰か一人がずば抜けてリーダーシップを取るわけでもなく、みんなが同じ目線で演奏できている感じがして、楽しかったです。

左から:ナツノムジナと田渕ひさ子のセッション風景
左から:ナツノムジナと田渕ひさ子のセッション風景

—田渕さんはサポートも含めて、いろんなバンドで演奏されてきていますが、「同じ目線」というのは珍しいものですか?

田渕:そうですね。やっぱり、私は強烈なリーダーがいるバンドに関わることが多かったので(笑)、ナツノムジナみたいにみんなが意見を出し合うなかに入っていくのは新鮮でした。

仲松(Gt):僕らは、そもそも友達同士から始まったんですよ。僕と粟國と(久富)奈良は小学校3年生の頃から一緒だし、窪田と僕も高校生の頃からの付き合いで。そのせいか、誰かが「俺が絶対に正しい!」って言い張るというよりは、みんなで話し合って問題を解決していく関係性なんです。

—ナツノムジナの四人は、田渕さんと一緒に演奏されてみていかがでしたか?

仲松:僕が初めて、ひさ子さんが関わったバンドを聴いたのはNUMBER GIRLとbloodthirsty butchers(以下:ブッチャーズ)で、ひさ子さんのギターにはめちゃくちゃデカくて、どこまでも抜けていくイメージがあったんです。でも、合わせてみるとめちゃくちゃ周りに親和性がある音で。ただ抜けるのでもなく、埋もれるのでもなく、間をグワッと埋めてくれるような感覚がありました。

仲松拓弥
仲松拓弥

粟國(Vo,Gt):“天体”の間奏で、田渕さんが地鳴りのような低音を出していたと思うんですけど、その瞬間、スイッチが入った感覚があって。あのとき、“天体”がまた違う表情を見せてくれて、すごい体験でしたね。

窪田(Ba):田渕さんが入るだけで、音にすごく奥行きが出たよね。Z軸に伸びていく感覚というか。“天体”を演奏しているとき、田渕さんのこれまで聴いたことのないフレーズが入ってきてテンションが上がったんですけど、同じくらい、グルーヴっていう意味でも新鮮でした。

田渕ひさ子
田渕ひさ子

窪田薫
窪田薫

—久富さんはどうでしたか?

久富(Dr):いやぁ、気持ちよかったです。

仲松:シンプルだなぁ(笑)。やっぱり、ドラマーから見て、ギターが3本あるっていうのは、2本のときとは全然違うものなの?

久富:う~ん、ひさ子さんのギターばっかり聴いていたから、他の2本はあんまり意識してなかった。

仲松:なんだよ、それ! 頑張ったんだけどなぁ。

久富奈良
久富奈良

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イベント情報

『HARVEST』
『HARVEST』

2018年3月24日(土)
会場:東京都 新代田 FEVER
出演:
ナツノムジナ
CHIIO
GRASAM ANIMAL
ベランダ
料金:前売2,000円 当日2,500円 『淼のすみか』LP&ポスター付限定チケット4000円(全てドリンク別)

リリース情報

ナツノムジナ
『淼のすみか』(LP)

2018年3月28日(水)発売
価格:¥3,000(税込)
トーキョー=コミューン / FSJM2

[SIDE-A]
1. 灯台
2. 暈
3. 凪
4. 泊地
5. 艀

[SIDE-B]
1. 深海
2. 辷る
3. 天体
4. 伴侶
5. 渚にて

ナツノムジナ『淼のすみか』
ナツノムジナ
『淼のすみか』(CD)

2017年9月6日(水)発売
価格:2800円(税込)
FSCT-1008

1. 灯台
2. 暈
3. 凪
4. 泊地
5. 艀
6. 深海
7. 辷る
8. 天体
9. 伴侶
10. 渚にて

toddle
『Vacantly』(CD)

2016年7月27日(水)発売
価格:2,808円(税込)
KICS-3397

1. Disillusion
2. Beat Rotates
3. Branch in the Road
4. Parallel Lanes
5. Bitter Hours
6. Cloud Eater
7. Stirrer
8. Right-Hand Drive
9. Where the Alley Ends
10. Round Arrow
11. Vacantly
12. Illuminate

プロフィール

ナツノムジナ
ナツノムジナ

2010年、沖縄にて、高校の入学を目前に粟國智彦の呼びかけにより小学校の頃の同級生でナツノムジナを結成。同年の10月ごろにベーシストが抜け、現メンバーの窪田薫が加入。2011年7月、bloodthirsty butchersのライブのオープニングアクトを務めたことをきっかけに音源作成を決意。同年10月、に山本精一のオープニングアクトを務めたライブで2曲入りの音源『黒点/渚にて』を販売開始。2012年、窪田が一足先に東京に上京することになり活動休止。2013年、メンバー全員が上京をし、東京で活動を再開。2015年、自主製作音源の『natsunomujna-ep』を4月にリリース。同年にLAMAやbonobosと共演。2016年、自主企画『Pale』を定期的に開催。同年9月に2曲入りカセット『Driftage vol.1【艀・凪】』を会場限定でリリース。2017年、3月に2曲入りの7inchレコード『Driftage vol.2【天体・月の裏側】』を会場限定でリリース。9月に初の全国流通版1stフルアルバム『淼のすみか』をリリース。

田渕ひさ子(たぶち ひさこ)

福岡県出身。1975年12月9日生まれのO型。13歳でギターを始めて以来、途切れることなくギャルバンでギターを弾き続ける。19歳でNUMBER GIRLに加入し、98年に上京。2002年に解散し、toddleを始める。03年bloodthirsty butchersにメンバーとして加入。寝た子も起こす強烈なギターが印象的だが、toddleでは初めてのボーカルも担当し、これまでとは違った一面を見せる。忙しい毎日を送りつつ、色んなことを日々イメトレ中。

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