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2020人のゆずがゲリラライブ。話題CMを東畑幸多と山田智和が語る

2020人のゆずがゲリラライブ。話題CMを東畑幸多と山田智和が語る

『ゆず2018プロジェクト with 日本生命』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:鈴木渉 編集:川浦慧

ゆずにとっての始まりの街、横浜・伊勢佐木町を2018名の「新メンバー」と練り歩き、新曲“うたエール”を高らかに歌い上げるテレビCMを見たことがあるだろうか。日本生命のテレビCMとして、平昌オリンピック・パラリンピック中継の前後に大量オンエアされ、そのフルバージョンであるミュージックビデオも公開されたこの企画には、作り手たちの、どんな思いが込められているのか。

2018名の「ゆず新メンバー」を募集するという前代未聞の企画を仕掛けた電通のクリエイティブディレクター / CMプランナー、東畑幸多。そして、ダイナミックでありながらも緻密な設計が施された今回の映像を監督した気鋭の映像作家、山田智和。彼ら二人に、今回のプロジェクトに託した思いはもちろん、それらを可能にした「ゆず」という稀有なアーティストの魅力と存在感について語ってもらった。

いちばん大事なのは、そこに参加してくれた人々が、その場所にやってくるまでの「ストーリー」なんですよね。(山田)

—東畑さんが山田監督と組むのは今回が初めてとのことですが、まずはその起用の理由から教えていただけますか?

東畑:山田さんのことはもちろん昔から知っていて、いつか一緒に仕事をしたいと思っていたんです。去年公開された、山田さんが撮られた水曜日のカンパネラのミュージックビデオがあるじゃないですか。

—モンゴルの100人の子どもたちと100頭の馬を一緒に撮った、“メロス”のミュージックビデオですね。

東畑:それまでは割とクールな印象があったんですけど、あれを見たときに、「こういうのも撮れるんだ」って思ったんですよね。ああいうコントロールの効かないものをエモーショナルに捉えることもできる方なんだなって。

今回の『ゆず2018プロジェクト with 日本生命』のような群衆ものって、実は凡庸な映像になりやすいんです。「大勢がただ歌う」みたいなものって、CMとしても結構既視感があるじゃないですか。なので、それをエモーショナルなものにしたり、サプライズのある映像にしていくには、監督の力量がいるし、アイデアやセンスも必要だなと思って。

そのときに、「これ、まさに山田さんじゃん」と思ったというか(笑)。それで、かなり早い段階から、お声を掛けさせていただいたんです。

東畑幸多
東畑幸多

山田:東畑さんとは、2年くらい前に一度お会いしたことがあって。そのときから、いつかご一緒したいと思っていました。ただ、今回お話をいただいたら、ゆずさんだし、日本生命さんだし、オリンピックだしっていう……。

—プロジェクトとしては、かなり大きいものですよね。

山田:そうなんです。自分にとっても大きな挑戦になる仕事だし、すごくありがたいなと思いながらやらせてもらいました。

山田智和
山田智和

—実際、どういうふうにCM制作は進んでいったのでしょうか?

東畑:ゆずの新メンバーを2018名募集するとか、その2018名を観客ではなく、ゆずの北川(悠仁)さん岩沢(厚治)さんと並列のメンバーであるっていう捉え方をしようとか、そういう企画全体の細かい積み上げは、僕らのほうでいろいろ設計しました。

山田:「ゆずの新メンバーを2018名募集する」という企画自体が、まずはすごく面白いですよね。その規模の人々が能動的に参加するテレビCMなんて滅多にないじゃないですか。いわゆるエキストラではなく、その2018人全員が「出演者」であり「アーティスト」であるっていう。しかも、自ら応募して審査を通過したあと、実際に「練習会」で歌の練習までやっているんですよ。

東畑:ただ、そのいちばんの大玉である、「テレビCMとしてどう世の中にアウトプットしていこう」っていうところまでは、あまり考えてなくて(笑)。なので、映像の中身については、撮影場所含め、なにからなにまで、全部山田さんに決めていただいたんです。

山田:そういったCMとしてのコミュニケーションデザインは事前にしてもらっていたので、あとはそれを当日、どう具現化するかを僕が考えればいいと思って。それで決めたのが、ゆずさんゆかりの地である伊勢佐木町でゲリラ撮影をするということだったんですよね。

ゆずさんは、もともとこの街でストリートライブをされていたから、その凱旋ライブとして、新しいメンバーと一緒に歌ってもらおうっていう。何事もそうだと思うんですけど、まず最初に「ストーリーがある」というのが、いまはいちばん大切だと僕は思っているんです。

左から山田智和、東畑幸多

—「ストーリー」が大切だからこそ、ゆずにとっての始まりの街で、多くのファンを巻き込んで大きくなったゆずを見せる、という描写をされたと。さらには、撮影当日までに、参加者それぞれが積み上げてきた「ストーリー」があるわけですもんね。

山田:そこがこの企画のいちばんのポイントで、他の広告やミュージックビデオと違うところだと思うんです。もちろん、アングルや演出やカット割りとかも考えるんですけど、いちばん大事なのは、ゆずさんはもちろん、そこに参加してくれた人々が、その場所にやってくるまでの「ストーリー」なんですよね。

だから、映像に関してはそこまで奇をてらう必要がないというか。すでにいろんな人たちのストーリーがそこにあって、その思いを伝えるためにはどういう映像を作るべきなのかを考えるだけでした。

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サイト情報

『ゆず2018プロジェクト with 日本生命』

リリース情報

ゆず『うたエール』
ゆず
『うたエール』(配信シングル)

2018年2月9日(金)配信開始

プロフィール

東畑幸多(とうはた こうた)

CMプランナーとして数多くのTVCMを制作。史上最年少でクリエイターオブザイヤーを受賞。現在はクリエイティブディレクターとして、商品開発から、広告制作まで、キャンペーン全体設計をデザインしている。

山田智和(やまだ ともかず)

映画監督、映像作家。東京都出身。クリエイティブチームTokyo Filmを主宰、2015年よりCAVIARに所属。2013年、WIRED Creative Huck Awardにてグランプリ受賞、2014年、ニューヨークフェスティバルにて銀賞受賞。水曜日のカンパネラやサカナクションらの人気アーティストの映像作品を監督し、映画やTVCM、ドラマと多岐にわたって演出を手がける。シネマティックな演出と現代都市論をモチーフとした映像表現が特色。

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