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『テニミュ』など2.5次元舞台の成功要因を学ぶ。ネルケ・野上社長

『テニミュ』など2.5次元舞台の成功要因を学ぶ。ネルケ・野上社長

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インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

「演劇は売れてない人がやるもの」という雰囲気がちょっとあったように思います。

—ミュージカル『テニスの王子様』(通称『テニミュ』)は今年15周年を迎えて、現在では「2.5次元ミュージカル」の代名詞的な存在になっています。ただ、最初はキャスティングも集客面も、苦労したそうですね。

野上:当時、役者さんの事務所の方からすると、漫画の舞台化というのはイメージが湧きにくかったのだと思います。こちらが上手く説明できてなかったというのもあるんですけど、当時若手の役者が目指すのは、絶対的にテレビだったんですよ。

「演劇は売れてない人がやるもの」という雰囲気がちょっとあったようにも思います。今でこそ演劇を好きな人が増えたし、事務所の方々も「ここにビジネスチャンスがある」と思ってくれていると思うんですけど、当時はオーディションを開いてもなかなか参加してもらえませんでした。

野上祥子

—そんな状況から、どのように変化していったのでしょうか?

野上:いざ公演が始まると、すごく評判がよかったんです。初日の客席は半分埋まっているかいないかだったんですが、次の日には当日券に人が並ぶくらいの勢いになっていました。SNSなんてない時代でしたが、劇場に足を運んでくださるお客様って、拡散するパワーを持っているんですよね。昔、突然ティラミスやパンナコッタが流行ったじゃないですか?(笑) ああいう感じで、いい連鎖を生んだのだと思います。

—確かに、口コミのパワーって、今に始まったことではないですね。

野上:たくさんのお客様に観ていただけるようになると、役者のモチベーションもグッと上がって。しかも「僕はあのキャラクターを背負っているんだ」という感覚も強まったことで、お客様の「あのキャラクターが現実にいたらいいのに」という想いをちゃんと具現化することができました。

たとえば、私も昔『ときめきトゥナイト』(池野恋、集英社、1982年より連載開始)の真壁俊くんと付き合いたいと思っていた頃があったので(笑)、実際に目の前に表れたときの気持ちはわかるんです。『テニミュ』の1stシーズンを観たお客様は、もしかすると、私が初めて「カムカムミニキーナ」を観たときと同じように、心が打ち震えたんじゃないかと思います。

2018年7月から開幕する『ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝』メインビジュアル
2018年7月から開幕する『ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝』メインビジュアル(サイトを見る

—『テニミュ』の人気が15年も続いている要因は、どこにあるとお考えですか?

野上:なによりも原作の魅力。それに、ピンスポットや映像を使って再現する試合の臨場感や、歌やダンスの表現など、クリエイター陣の素晴らしさがあると思います。現在は3rdシーズン、3順目になりますが、原作という正解があるので、そこは何年やっても変わらずに守りつつ、ただ一方で工夫して変化していかないと、それこそティラミスからパンナコッタに流れていっちゃうんですよ(笑)。

たとえば、主役校の青春学園中等部のキャストは「卒業システム」を取っていて、シーズンの途中で新キャストに代わるのですが、当初は「なんで?」って言われることも多かったんです。でも、変化していくことによって長く続くコンテンツになるんだということを理解してくださるお客様が増えて、今は皆様に支えられています。

野上祥子

—役者を入れ替えること以外では、どのような変化を作っているのでしょうか?

野上:映像でマッピングを使うようになったり、踊りの質やアプローチもどんどん変化させていったり。なのでキャストたちは、本当に毎日休むことなく稽古をしています。「上を上を目指す」という、原作のキャラクターと同じテンションで演劇を作っているので、そこもいいんだと思います。

—そういうキャストたちの熱も、野上さんのホットな人間性と合ってるんでしょうね。

野上:キャストについては、本当に、語り出したら止まらないですよ! 10代から20代半ばくらいのキャストがいますが、やっぱり若い子たちには若い子たちの正義があり、愛があるんです。「君たちはどんな役者になりたい?」とみんなに問うと、拙いながらも答えてくれる。せっかくこんな素敵な場所に立てるのだから、いろんなことを勉強してほしいと思うし、私も彼らから勉強させられますね。

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イベント情報

『ミュージカル「テニスの王子様」15周年記念 シャカリキ応援!テニミュ上映祭』
『ミュージカル「テニスの王子様」15周年記念 シャカリキ応援!テニミュ上映祭』

2018年6月9日(土)、16日(土)、23日(土)、30日(土)
会場:全国各地の映画館
料金:2,500円(全席指定)

『ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝』
『ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝』

2018年7月12日(木)~7月22日(日)
会場:東京都 TOKYO DOME CITY HALL

2018年8月1日(水)~8月12日(日)
会場:大阪府 メルパルクホール

2018年8月18日(土)~8月19日(日)
会場:福岡県 アルモニーサンク北九州ソレイユホール

2018年9月1日(土)~9月2日(日)
会場:岐阜県 バロー文化ホール(多治見市文化会館)大ホール

2018年9月8日(土)~9月9日(日)
会場:宮城県 多賀城市民会館 大ホール

2018年9月20日(木)~9月24日(月・祝)
会場:東京都 TOKYO DOME CITY HALL


料金:6,000円(全席指定)

プロフィール

野上祥子(のがみ しょうこ)

1999年、株式会社ネルケプランニング入社。以降、同社制作のすべての舞台、およびテレビアニメやイベントなど、多岐にわたるキャスティングを担い、幅広い作品作りに貢献。2016年7月、社長就任。2.5次元舞台を中心に、様々なジャンルで新たな作品を生み出し、海外公演も精力的に行うなど、新たなチャレンジを続けている。舞台の代表作品はミュージカル『テニスの王子様』、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』、『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」』他。アニメの代表作品(キャスティング)はテレビアニメ『テニスの王子様』『家庭教師ヒットマンREBORN!』、劇場版アニメ『雲の向こう、約束の場所』他。

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