特集 PR

odolと雨のパレードが議論、日本の音楽シーンへのパンチの打ち方

odolと雨のパレードが議論、日本の音楽シーンへのパンチの打ち方

odol『往来するもの』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:鈴木渉 編集:矢島由佳子

雨のパレードが2016年に発表した『New generation』という作品は、文字通り、ここ日本で新世代が台頭する号砲であった。彼らが海外のシーンとリンクしつつ提示した「バンドでありながら、ロックバンド的な音作りには捉われない」というあり方は、2018年においてもはやひとつの主流を形成していると言っても過言ではない。odolが2017年に発表した『視線』で明確な進化を提示していたのも、やはり偶然ではなく必然だったように思える。

そんなodolが『FUJI ROCK FESTIVAL』への出演などを経て、ニューアルバム『往来するもの』を完成させた。同世代のバンドがそれぞれジャンルを越境した独自の楽曲を突き詰めるなかにあっても、彼らほどカテゴライズからスルスルと抜け出ていくバンドは見当たらず、だからこそ、その表現は信頼できる。

もちろん、雨のパレードが今年3月に発表した『Reason of Black Color』ともカラーは異なるわけだが、一方で「ポップスの更新」という意味では確かな同世代意識があると言える。odolのミゾベリョウと森山公稀、雨のパレードの福永浩平に、それぞれの現在地を訊いた。

「新しい音楽を作る」じゃなくて、「新しいポップスを作る」という気持ちは僕らにもある。(森山)

—6月にライブ公開収録企画『DRIP TOKYO』で共演した際のトークセッション動画を見たんですけど、ミゾベくんと福永くんは3~4年前に高円寺の古着屋さんで初めて会ったそうですね。それって「深緑」というお店ですか?

福永:そうです。あのときは僕とミゾベくんと、小袋(成彬)くん、chelmicoのMamiko、AAAMYYYとかがいましたね。まだみんな無名の頃。

—でも、それ以降対バンは実現せずに、今年の『DRIP TOKYO』が初共演だったと。

福永:そうなんです。ただ、中野の同じスタジオを使ってた時期があって、ちょいちょい出くわしてはいて。

ミゾベ:スタジオで会うと、雨のパレードの機材の量がすごくて、「部屋のなかに入りきるのかな?」みたいな(笑)。でも、「いずれは俺らもああならんといかんな」って話してました。

左から:ミゾベリョウ(odol)、森山公稀(odol)、福永浩平(雨のパレード)
左から:ミゾベリョウ(odol)、森山公稀(odol)、福永浩平(雨のパレード)

—実際に一緒にライブをして、お互いに対する印象はいかがですか?

福永:僕はミゾベくんの歌がいいなっていうのが一番大きいですね。ユーミンとかもそうだと思うんですけど、どんなジャンルをやっても、ユーミンが歌えばユーミンの曲になっちゃうみたいな、そういうボーカリストの魅力があるバンドが僕は好きで。ミゾベくんの歌もそういうカテゴリーに入る歌なんじゃないかなって思う。

左:福永浩平(雨のパレード)

ミゾベ:めっちゃ嬉しいです(笑)。僕が雨のパレードのライブを見ての感想は、(福永)浩平さんの会場の空気の持って行き方とかが「これこそフロントマンだな」って感じで、自分と比較して悔しい気持ちになったりもしました。もちろん、違う人間なので、パフォーマンスもそれぞれだと思うんですけど、浩平さんが「俺はこれだ」って答えを出してるなかで、「自分の答えってなんなんだろう?」って考えるきっかけにもなったりして。

浩平さんの普段の話ってコンポーザー視点が多いけど、ライブを見ると、やっぱりボーカリストだなって思うんですよね。だからきっと、コンポーザーとして自分の声を使えたり、「こう歌ったら面白い」って考えられたりするんだろうなって。

森山:雨のパレードのリハを見て、まず思ったのが「歌うま!」ということで、それから楽器隊もすごいなって。ライブバンドというよりも、プロダクションが軸のバンドだというイメージだったんですけど、演奏力もライブ力も本当にレベルが高くて、見習わないとなって思いましたね。

森山公稀(odol)

—雨のパレードは『New generation』(2016年3月)と『Change your pops』(2017年3月)という2枚のアルバムで明確なメッセージを打ち出していて、それは「世界の同世代とリンクしながら、旧来的なバンドではなく、もっと自由な形態でポップスを更新する」というものでした。odolも同世代意識があると思うのですが、いかがでしょうか?

森山:『Change your pops』という考え方はすごくいいなと思っていました。「新しい音楽を作る」じゃなくて、「新しいポップスを作る」という気持ちは僕らにもあるので、同じフィールドを見てるというか、共感できるなって。

「バンドの音に捉われない」ということに関しても共感します。僕らも最初は「バンドです」というサウンドを鳴らしていたんですけど、『視線』(2017年9月)というEPくらいから、バンドの枠に捉われないことをやり始めて。そこから、自分たちのポップスをより探せるようになったと思います。

—福永くんは2枚のアルバムを出して以降の日本の音楽シーンの変化を、どのように感じていますか?

福永:たとえば、バンドがドラムを叩くだけでなくサンプリングパッドを使ったりするのって、もう自然なことになっていますよね。僕らが第一人者というわけではないけど、最初はそこが注目されるポイントだったりしたのが、今はもうどのバンドにとっても当たり前になってきているなという感覚はあります。

ただ、「俺らのパンチで時代を変えてやる」くらいに思ってたんですけど、俺らのパンチで変わったかっていうと、俺はそうは思ってなくて。俺らの世代で一番売れたのはSuchmosで、あれは4つ打ちフェスバンドに対するカウンターだったと思っているんですね。

福永浩平(雨のパレード)
Page 1
次へ

リリース情報

odol『往来するもの』
odol
『往来するもの』(CD)

2018年10月24日(水)
価格:2,700円(税込)
UKCD-1172︎

1.光の中へ
2.大人になって
3.four eyes
4.GREEN
5.人の海で
6.発熱
7.時間と距離と僕らの旅
8.憧れ
9.声

雨のパレード『Reason of Black Color』
雨のパレード
『Reason of Black Color』(CD)

2018年3月14日(水)発売
価格:3,024円(税込)
VICL-64916︎

1.Reason of Black Color
2.Dive
3.Horizon
4.GOLD
5.Shoes
6.ice
7.(soda)
8.Hometown feat. TABU ZOMBIE (from SOIL&”PIMP”SESSIONS)
9.You & I
10.What's your name? (plus strings ver.)
11.H.Apartment
12.Hwyl
13.#556b2f
14.MARCH

イベント情報

odol
『odol TOUR 2018 "往来"』

2018年12月1日(土)
会場:福岡県 INSA
ゲスト:Attractions

2018年12月2日(日)
会場:大阪府 CONPASS
ゲスト:LILI LIMIT

2018年12月16日(日)
会場:東京都 渋谷WWW
※ワンマンライブ

『NEWTOWN 2018「NEWTOWNフォークジャンボリー@音楽室」』

2018年11月10日(土)、11月11日(日)
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧 八王子市立三本松小学校)
時間:OPEN 10:30 / START 10:50 / CLOSE 18:00
出演(五十音順):
入江陽
国府達矢
塩塚モエカ
清水煩悩
SEVENTEEN AGAiN(アコースティック・セット)
田中ヤコブ
TWEEDEES
ナツノムジナ(アコースティック・セット)
一人キイチビール
真舘晴子(The Wisely Brothers)
眉村ちあき
ミゾベリョウ&井上拓哉(odol)
and more

プロフィール

odol
odol(おどる)

福岡出身のミゾベリョウ(Vo.,Gt.、森山公稀(Pf.,Syn.)を中心に、2014年東京にて結成。現代のアートロックと言える先進性とオリジナリティ、日本語詞の歌と美しいメロディから生まれるポピュラリティを兼ね備えた6人組のロックバンド。2014年7月『FUJI ROCK FESTIVAL’14 ROOKIE A GO-GO』に出演。2015年5月、1st Album『odol』をリリース。2016年5月、2nd Album『YEARS』をリリース。タイトル曲“years”が日本郵便「ゆうびん.jp/郵便年賀.jp」のWeb CMに起用される。2017年1月、新木場STUDIO COASTにて開催された、TWO DOOR CINEMA CLUB来日公演のオープニングアクトを務める。9月、1st EP『視線』をリリース。2018年7月、『FUJI ROCK FESTIVAL’18 RED MARQUEE』に出演。10月、New Album『往来するもの』をリリース。

雨のパレード
雨のパレード(あめのぱれーど)

福永浩平(Vo)、山崎康介(Gt,Syn)、是永亮祐(Ba)、大澤実音穂(Dr)。2013年に結成。ポストダブステップ、80'sPOP、インディR&B、エレクトロハウス、アンビエント、TRAPなど様々なジャンルを超えたその音楽性はもちろん、アナログシンセやサンプラー、ドラムマシーンなどを取り入れた、バンドという形態に拘らないサウンドメイクで大きな注目を集めている。2016年3月2日1stフルアルバム『New generation』でメジャーデビュー。2018年3月14日には待望の3rdアルバム『Reason of Black Color』をリリースし、ワンマンツアー『COLORS』を開催。ファイナルの日比谷野外大音楽堂を大盛況のうちに終了。

関連チケット情報

2018年12月1日(土)〜12月16日(日)
odol
会場:INSA(福岡県)
2018年12月2日(日)
odol
会場:CONPASS(大阪府)

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

Wanna-Gonna“それから”

濱口竜介監督作や『21世紀の女の子』に参加する女優・小川あんが主演を務めたWanna-Gonna“それから”MV。脆く小さな記憶が、花やセーターの何気ないシルエットに沿って瞬くような印象を受ける。撮影が行われたのは、2020年に向けて取り壊しが決まっているという浅倉奏監督の部屋。(井戸沼)

  1. FINAL SPANK HAPPYが示す「新男女関係」 結成半年を振り返る 1

    FINAL SPANK HAPPYが示す「新男女関係」 結成半年を振り返る

  2. 桂正和原作『I”s』磯崎泉役は萩原みのり、主人公にアプローチする後輩役 2

    桂正和原作『I”s』磯崎泉役は萩原みのり、主人公にアプローチする後輩役

  3. ジャニー喜多川製作総指揮、東西ジャニーズJr.が集結 『映画 少年たち』 3

    ジャニー喜多川製作総指揮、東西ジャニーズJr.が集結 『映画 少年たち』

  4. 小出祐介が問題提起、日本語ポップスにおける「歌詞の曖昧さ」 4

    小出祐介が問題提起、日本語ポップスにおける「歌詞の曖昧さ」

  5. 遠藤ミチロウが膵臓がんを公表、現在は自宅療養中 5

    遠藤ミチロウが膵臓がんを公表、現在は自宅療養中

  6. 映画『空母いぶき』追加キャストに佐藤浩市、村上淳、玉木宏、戸次重幸ら 6

    映画『空母いぶき』追加キャストに佐藤浩市、村上淳、玉木宏、戸次重幸ら

  7. 『紅白歌合戦』会見にあいみょん、DAOKO、YOSHIKI、キンプリ、刀剣男子ら 7

    『紅白歌合戦』会見にあいみょん、DAOKO、YOSHIKI、キンプリ、刀剣男子ら

  8. 太賀に森崎ウィンらが寄り添う『母さんがどんなに僕を嫌いでも』本編映像 8

    太賀に森崎ウィンらが寄り添う『母さんがどんなに僕を嫌いでも』本編映像

  9. 新宿爆音映画祭に『ボヘミアン・ラプソディ』『バッド・ジーニアス』など 9

    新宿爆音映画祭に『ボヘミアン・ラプソディ』『バッド・ジーニアス』など

  10. Hi-STANDARD元スタッフによる『SOUNDS LIKE SHIT』レビュー 10

    Hi-STANDARD元スタッフによる『SOUNDS LIKE SHIT』レビュー