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大谷ノブ彦×柴那典が語る、ミスチル、ワンオク、エルレの2018年

大谷ノブ彦×柴那典が語る、ミスチル、ワンオク、エルレの2018年

『NEWTOWN 2018』
テキスト
柴那典
撮影:CINRA.NET編集部 編集:中島洋一、山元翔一

音楽を愛し音楽に救われてきた芸人・大谷ノブ彦(ダイノジ)と、音楽ジャーナリスト・柴那典による音楽放談企画「心のベストテン」。「音楽についてパァッと明るく語りたい! なぜなら、いい音楽であふれているから!」というキャッチコピーを掲げ、cakesで連載していた人気企画が、CINRA.NETでリブートすることとなりました。

第1回となる今回は、10月3日にニューアルバム『重力と呼吸』をリリースしたMr.Childrenについて語らいます。ロックバンドとして、前作とは明らかにモードを変えてきたMr.Children。その背景にあるONE OK ROCKの存在についてや、海外諸国に比べ日本で未だにロックが元気な理由について、縦横無尽な音楽トークをお届けします。

これまでは、ポップスって大衆っていう漠然としたものに対して寄り添わなきゃいけなかった。でも今は、そうじゃないような気がしている。(大谷)

:これまでウェブメディア・cakesで4年間続いてきた連載、音楽放談「心のベストテン」ですが、今回からCINRA.NETに引っ越しとなりました!

大谷:いやあ、続けられてうれしいなあ。一生やりたい!

:やりましょう、やりましょう。

左から:柴那典、大谷ノブ彦 / CINRA.NET掲載第1弾ということで、頭文字のCをポーズをとる2人
左から:柴那典、大谷ノブ彦 / CINRA.NET掲載第1弾ということで、頭文字のCをポーズをとる2人

大谷:柴さん、今回はまずMr.Children! ミスチルについて語りたい!

:ニューアルバム『重力と呼吸』、素晴らしかったですね!

大谷:ハンパないです。最高! 今作を聴いて思ったのが、「アーティストがオーディエンスにどう寄り添うか」というテーマなんですよ。これを柴さんと語りたい。

:どういうことですか? 僕は、今回のアルバム、これまでのようには聴き手に寄り添ってないなと思って。

大谷:お、正反対ですね! 聞かせてください。

:というのも、今回の新作って、バンドのアルバムなんですよね。自分たちの肉体性みたいなものをガンガン前に出している。ストリングスとかホーンセクションとか、そういう音もあんまり入ってなくて、桜井さんがロックヒーローを引き受けている。

大谷:うんうん。

:で、やっぱり「Mr.Childrenさすがだな」って思ったのは、今回はそういうアルバムなんだというメッセージが1曲目の“Your Song”の最初の10秒で全部わかる。

大谷:叫び声でね。あのシャウトで決まりですよ。DJであの曲流すと、あそこをみんなで歌うんです。

:「ワン、ツー!」ってドラムのカウントではじまって、桜井さんが思いっきり叫ぶ。しかもミュージックビデオでは地下道で自ら楽器のセッティングまでしてる。ということは、自分たちが今いるのは誰かに用意されたきらびやかな場所じゃなくて、その辺のガレージでやってるアマチュアバンドと同じステージだということを表明しているんじゃないかと。

冒頭を聴くだけでアルバムのモードが全部わかるっていうのが、Mr.Childrenっていうバンドのキャッチーさなんですよね。自分たちのメッセージを10秒で伝えることができる。

大谷:なるほど。昔のコマーシャルでよく言われていた、つかみ一発で世界観をわからせるって話ですよね。

:そのうえで、求められるMr.Children像を引き受けてるというより、自分たちをどう見せるかを最優先させているんですよね。そういう意味では、今回のアルバムはこれまでと違って聴き手に寄り添ってないんじゃないかなって。

大谷:なるほどね。僕はめちゃめちゃ寄り添ってると思ったんです。それは柴さんの言うことを否定するわけじゃなくて。今の時代への寄り添い方だと思うんです。これまでは、ポップスって大衆っていう漠然としたもの、見えないものに対して寄り添わなきゃいけなかった。でも今は、そうじゃないような気がしているんです。

:というと?

大谷:少し前に桜井さんとお会いしたをしたときに、<Wow>の部分の歌い方の話をしたんですよ。ここはみんなでシンガロングするためのところなんじゃないかって。

大谷ノブ彦

大谷:で、この“Your Song”のメロディーって、Mr.Childrenの曲によくあるサビで転調して高い声を絞り出すようなものじゃなくて、わりと平坦なんです。歌詞も、<君じゃなきゃ>って繰り返しながら、自分たちはあなたを必要としているみたいなことを書いているわけで。今までMr.Childrenはそういうふうに言ってなかったんですよ。

:曲の主人公が若者ではないんですよね。<君と僕が重ねてきた 歩んできた たくさんの日々>という歌詞があって。共に人生を歩んできたような関係を歌っている。バンドとファンの関係にも思えるけど、長年連れ添った夫婦とか恋人のラブソングにもとれる。

大谷:その寄り添い方が僕はすごいなと思ったんですよね。

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イベント情報

『心のベストテン 公開放談――平成が終わっても音楽は鳴り止まない』

2018年11月10日(土)
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧 八王子市立三本松小学校)
時間:17:30~19:00
教室:2A
出演:大谷ノブ彦、柴那典
料金:無料

「音楽についてパァッと明るく語りたい! なぜなら、いい音楽があふれているから!」。ハートのランキングを急上昇しているナンバーについて、熱く語らう音楽放談の公開トークをお届け。cakesの人気連載『心のベストテン』が、CINRA.NETでリブート。邦楽から洋楽、芸能から時事まで『NEWTOWN』でも、縦横無尽に語り尽くします。

プロフィール

大谷ノブ彦(おおたに のぶひこ)

1972年生まれ。1994年に大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジを結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。音楽や映画などのカルチャーに造詣が深い。相方の大地と共にロックDJ・DJダイノジとしても活動。著書に『ダイノジ大谷ノブ彦の 俺のROCK LIFE!』、平野啓一郎氏との共著に『生きる理由を探してる人へ』がある。

柴那典(しば とものり)

1976年神奈川県生まれ。音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立、雑誌、ウェブなど各方面にて音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。主な執筆媒体は「AERA」「ナタリー」「CINRA」「MUSICA」「リアルサウンド」「ミュージック・マガジン」「婦人公論」など。日経MJにてコラム「柴那典の新音学」連載中。CINRAにてダイノジ・大谷ノブ彦との対談「心のベストテン」連載中。著書に『ヒットの崩壊』(講談社)『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)、共著に『渋谷音楽図鑑』(太田出版)がある。

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