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alcottが語る、カツセマサヒコらと作った「愛」にまつわる結晶

alcottが語る、カツセマサヒコらと作った「愛」にまつわる結晶

alcott『あまのじゃくし』
インタビュー・テキスト
沖さやこ
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2018/12/04

どうしても強がってしまう、弱音を見せられないところは、男性も女性も同じやなと思っていて。(貴田)

—「LOVE LETTERS」もそうですが、alcottはちょっと風変わりな企画を立てることが多いですよね。観客が手錠をつけて参加するライブ『神戸大監禁』もそうですが、今年行われたクラウドファンディングは『あまのじゃくし』のリード曲を選定するという内容で、打ち立てるものがどれもユニークだなと思います。

貴田:今回のクラウドファンディングに関しては、『あまのじゃくし』のリード曲が僕らだけでは決められなかったことが理由で……。メンバーもスタッフもみんな意見が違ったんです(笑)。

いろんな人に意見を聞いていったけど、みんなばらばらで……そんなときに「あれ? 俺らのことを知ってくれている人のなかに、まだ意見を聞いてない人がいるぞ?」と。僕らのいちばんの仲間であり、僕たちより僕たちのことをわかっている人たちであるファンの方々に意見をもらおうと思ったのが始まりですね。

貴田宰司
貴田宰司

—そうしてリード曲に決定したのが10曲目の“FUN”。ファンが“FUN”を選んだということですか。

貴田:そうです。もうファンも“FUN”も信じるしかないですよね(笑)。

貴田:最初は「この曲が?」と思ったけれど、今となっては「なんでその考えに及ばなかったんやろ?」と驚くくらいリード曲は“FUN”しかないなとしっくりきています。僕たちのことをちゃんと見てくれているんやな……と思ったし、ファンの気持ちが知れたのはすごくよかった。マネージャー目線で考えてくれる人も多かったんですよ。

—マネージャー目線?

貴田:“FUN”を選んでくれた人の意見に、「alcottがミュージックビデオにする曲を考えるとなると、alcottがもっと広まる曲を選ぶべきやと思う。私は違う曲がいちばん好きやけど、リードにすべきなのは“FUN”やと思う」というものがすごく多くて……本当に愛がすごくて! その愛のおかげで迷いなく“FUN”をリード曲にできました。

内田:“FUN”は友情がテーマになった曲なので、それをお客さんから「この曲がalcottのリード曲に相応しいよ」と言ってもらったことは、すごく特別なことやなと。さっき宰司が言っていたように、お客さんたちが僕らの知らない僕たちのよさを教えてくれました。

内田将之
内田将之

—男女の美しい友情にも見えるし、女の子が男友達に一方的に片想いをしながら、その気持ちを隠して励ましているようにも見える曲だと思います。

貴田:うん。“FUN”は『あまのじゃくし』のなかでもいろんな見方ができる曲やと思いますね。

—個人的にこの曲は特に「なんでこんなに女性の気持ちがわかるんだろう?」と驚いて。女性からすると、男性からもっと頼ってもらいたいし支えになりたいのに、男性はなかなか女性を頼ってくれないんですよね。

貴田:男性は女性になかなか頼れないですよね……でもそれは、男も女性に思っていることなんですよ。どうしても強がってしまう、弱音を見せられないところは、男性も女性も同じやなと思っていて。

それは男同士でもそうですね。たとえばメンバー同士でもこれだけ仲よくて長いことやっていると、素直になれない場面も多くて。君に今ものすごく甘えたいけれど、なかなか自分を出せない、ということが多いから……「甘えていいよ」と言われたい欲求がこの曲を生み出したところもあります(笑)。

—ははは。たしかに甘えて欲しい、頼って欲しいと思っている側も、それを口にすることは少ないかもしれません。

貴田:僕も「甘えていいよ、頼ってくれていいよ」と言える人間でありたいですね。でも自分から大切な人にそういうことを言うのが恥ずかしいので、“FUN”では女の子に言ってもらったところもあるのかもしれない(笑)。そのおかげでより自分の気持ちを出せたなと思いますね。

貴田宰司
貴田宰司

愛してもらっていることを疑うのは失礼だと思うんです。(貴田)

—alcottはロックバンドのなかでも特に、様々な企画を精力的に行っているバンドだと思うので、バンドに還元されるものも多いのではないかと思います。

内田:alcottは基本的には自分たちも楽しみたいし、お客さんにも楽しんでもらいたいという気持ちが強いメンバーが集まっているので、お客さんには自分たちの活動からそのときにしか得られないなにかを持ち帰ってもらいたくて。それを楽曲に落とし込んでいる部分も大きいですし、イベントもそれと同じですね。

貴田:関西人の気質かもしれないですね。どうしても面白いと思われたいというか(笑)。

小浦:alcottは流行のアンテナがすごく敏感で、僕が思い描いていたロックバンドの活動とはちょっと違ったんですよね。

小浦哲郎
小浦哲郎

小浦:(谷)里志が力を入れているLINE LIVEも、最初は「バンドマンが携帯に向かって不特定多数の人にしゃべり続けるって!」と思ったりもしたんですけど、実際やってみるとけっこう面白くて。立ち上げた途端に500人くらいの人が参加してくれて、いろんな地域の人が見てくれる。コミュニケーションも取れるし、明確に数字が出るぶん目標も定めやすい。今では、いいツールやなと思っています。

:LINE LIVEの1回の放送で視聴者さんを2000人集めて、全員Zeppに連れていきたいという野望がありますね。

谷里志
谷里志

貴田:時代の移り変わるスピードが速すぎるので、新しいことには臆病にならないようにしたいし、凝り固まってしまうのは避けたい。この4人でいい音楽を作るという芯さえ持っていれば、世の中がどんな世界になったとしても対応していける気がしていて。アンテナを張りながら見極めて、ちゃんとチャレンジしていけたらなと思っています。

地べたを這いずり回るような泥くさいところから活動をスタートさせた自分たちが、ここまでバンドを続けてこられた、チャレンジし続けられたのはファンの方々に支えていただいていたから。だからこそそういう人たちにちゃんと恩返しをしていきたいですね。

—最初に話してくださった「alcottがラブソングを歌い続けている理由」につながりますね。

貴田:愛してもらっていることを疑うのは失礼だと思うんです。『あまのじゃくし』というタイトルも「あまのじゃく」で終わりたくなかったから。おたまじゃくしが成長してカエルになるように、「あまのじゃくし」は成長するし変われる――不器用で素直になれないかもしれないけど、それで終わりじゃないよ、というのを見せたかったんです。

もっともっと大きいところにいきたいし、日本武道館にも立ちたいし、ホールが似合うバンドにもなりたい。「このままじゃ終われない」という想いがすごく強いバンドで、『あまのじゃくし』はそういう気持ちがぎゅっと詰まった、愛に触れたくなるアルバムになったと思いますね。

alcott『あまのじゃくし』ジャケット
alcott『あまのじゃくし』ジャケット(Amazonで見る
alcott『あまのじゃくし』(Apple Musicはこちら

左から:谷里志、貴田宰司、内田将之、小浦哲郎
左から:谷里志、貴田宰司、内田将之、小浦哲郎
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リリース情報

alcott『あまのじゃくし』
alcott
『あまのじゃくし』(CD)

2018年11月14日(水)発売
価格:2,484円(税込)
LNCM-1271

1. スーパーノヴァ
2. つがいの蝶
3. ドールポップ
4. 告白記
5. 春へ
6. あまのじゃくし
7. 与太郎
8. またたび
9. 予報外れのラブソング
10. FUN
11. 小火

イベント情報

『alcott “あまのじゃくし” ツンデレラ・ストーリー TOUR 2018』

2018年12月1日(土)
会場:石川県 金沢 AZ

2018年12月7日(金)
会場:宮城県 仙台 MACANA

2018年12月14日(金)
会場:福岡県 Queblick

2018年12月16日(日)
会場:愛知県 名古屋アポロベイス

2018年12月18日(火)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-Crest

2018年12月20日(木)
会場:大阪府 心斎橋 Music Club JANUS

プロフィール

alcott
alcott(あるこっと)

2010年8月結成。神戸出身のロックバンド。全てのソングライティングを担うVo&Gt貴田宰司の冒頭から結びまで丁寧に綴る歌詞とメロディーは、年齢や性別を問わず多くのリスナーの支持を受け、過去多数のタイアップを獲得。アーティストやアイドルなどの著名人もオススメバンドにalcottの名前を挙げるなど、リスナーだけでなく業界関係者にも絶大な支持を誇る。地元神戸で毎年開催する自主企画のサーキットイベント『BUTAFES』は年々規模を拡大し、昨年は1000人SOLD OUT。2017年5月にリリースした初の全国流通アルバム『YELL』は収録曲「さくらの麓」が全国FM13局のパワープレイを獲得!!好セールスを記録し話題に。そして、2018年「代々木ゼミナール」のCMソングに書き下ろしにて楽曲提供した「スーパーノヴァ」が決定。TVCMが全国で多数オンエアされるさらには3月から4か月連続で恋愛をテーマに制作した楽曲を配信リリース。「LOVE LETTERS」と題し、ありそうでなかった楽曲×小説×ドラマがコラボラレーションしたプロジェクトを立ち上げる。人気ライターのカツセマサヒコや森崎ウィンなど豪華キャストを起用し各所で話題に。自身初となる東京、大阪ワンマンも大成功に終え、サポートドラマーの小浦哲郎が正式メンバーとして加入、4人体制になり、満を持してMastard Recordsからアルバム『あまのじゃくし』をリリース。

関連チケット情報

2019年9月29日(日)
7秒とロック
会場:下北沢ライブハウス4店舗同時開催(その他)
2019年10月12日(土)〜10月14日(月)
FM802 30PARTY MINAMI WHEEL 2019
会場:アメ村ライブハウス一帯(大阪府)
2019年10月19日(土)
JOKAFES2019~福山城下音楽祭~<リストバンド引換券>
会場:福山城下複数会場(広島県)
2019年11月13日(水)
アイビーカラー
会場:KYOTO MUSE(京都府)
2019年11月23日(土)
BUTAFES 2019
会場:神戸のライブハウス6会場(兵庫県)

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