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TeddyLoid×ぼくりり それぞれ戦い続けた末、ようやく出会った2人

TeddyLoid×ぼくりり それぞれ戦い続けた末、ようやく出会った2人

TeddyLoid『SILENT PLANET: INFINITY』
インタビュー・テキスト
杉山仁
撮影:永峰拓也 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

10代で脚光を浴びて以降、大きな支持を集めてきたトラックメーカーTeddyLoidと、シンガーソングライターぼくのりりっくのぼうよみ。互いに10代でキャリアをスタートさせ、「インターネット的」な感性を出自に持つアーティストだ。

昨年11月にリリースされたTeddyLoidの『SILENT PLANET: INFINITY』に収録されている“Foolish feat. 元・天才”は、2人が「ぼくのりりっくのぼうよみの友達」と語る謎のボーカリスト「元・天才」をフィーチャーして完成させた楽曲。ミュージックビデオは、ラストライブ『通夜・葬式』を目前に控えた入院中のぼくのりりっくのぼうよみをTeddyLoidが見舞うという、謎めいた内容で公開された。

TeddyLoidは、3年間続けてきた『SILENT PLANET』シリーズを完結。ぼくのりりっくのぼうよみはメジャーデビュー以降の3年間を経て、1月末を最後に「辞職」することを決めている。2人にとって、この3年間はどんな期間だったのか。TeddyLoidが「久しぶりにインターネットが面白く感じた」と語った、ぼくりりが巻き起こしたSNSでの一連の騒動と、「辞職」の真意についても明かしてもらった。

ぼくりりくんは「辞職」に向けて忙しかったので、「元・天才」くんを紹介してもらった、という感じでしょうか。(TeddyLoid)

—Teddyさんの『SILENT PLANE: INFINITY』に収録されている“Foolish feat. 元・天才”は、正体不明の謎の人物「元・天才」と制作されたそうですね。

TeddyLoid:最初は僕とぼくりりくんで、とあるアーティストに楽曲提供をしたことがきっかけでした。そのオファーが特殊で、「専用のLINEグループを立ち上げて、そこで話し合って1日で曲を作ってほしい」というもので。結局、会うどころか電話で話をする前に、曲が出来てしまったんです。その午後にLINEを数通交わしただけで。

ぼくりり:その制作方法も込みでのオファーだったんです。

左から:ぼくのりりっくのぼうよみ、TeddyLoid
左から:ぼくのりりっくのぼうよみ、TeddyLoid

TeddyLoid:そこで2曲ほど作業を進めていったんですけど、最終的な提供曲は1曲なので、曲がひとつ余ってしまって。ぼくりりくんも「こっちもかっこいいし、もったいなくないですか?」と個人的に連絡をくれたので、「この曲を仕上げて、僕の次作『SILENT PLANET: INFINITY』に入れさせてもらえないかな?」と提案しました。

ただ、ぼくりりくん自身は1月末の「辞職」に向けて忙しかったんです。そこで、ぼくりりくんの友達の「元・天才」くんを紹介してもらった、という感じでしょうか。

TeddyLoid
TeddyLoid

ぼくりり:「元・天才」くんは、普段は表舞台に出たがらないんですけど、しかるべき時には出てきてくれるんです。

TeddyLoid:別の友達の、「説教バ○ア」さんにお願いするという案もありました。

—2人とも何を言っているんだろう……。

ぼくりり:(笑)。僕とTeddyさんがやりとりした段階でサビだけできていて、その後、元・天才くんが歌を入れてくれたんですけど、彼からも「非常に素直に作った」と聞きました。ワンコーラスがスッと出てきて、フルサイズの完成までもそれほど時間はかからなかったそうで。僕は(エンジニアとして)彼のボーカルを録ったんですけど、それも非常にスムーズな作業でした。

ぼくのりりっくのぼうよみ
ぼくのりりっくのぼうよみ

—サウンド的には、ここ数年アメリカのメインストリームで増えていた、トラップ以降のエモラップ / サッドラップと言われるようなタイプの曲ですね。

ぼくりり:トラップにしようということは、最初の段階で話していました。すごく楽しい作業でした。……と、元・天才くんも言っていましたよ。

Teddyさんには、根本の部分に「雄っぽい自信」を感じます。(ぼくりり)

—2人は今回初めて接点を持ったはずですが、お互いにどんなイメージを持っていましたか?

ぼくりり:Teddyさんは、EDMのプロデューサーとしていろんなことができる人ですよね。それと、根本の部分に「雄っぽい自信」を感じます。競争過多なEDMというジャンルで活動しながらも、変に変化球を模索するのではなくて、「ストレートに戦っても勝つけど、何か?」という感じがするというか。いろんなジャンルを取り込んでいても、それはあくまで自分らしさを表現するためであって、人と比べてどうこうという話ではないように感じます。

—正面切って突き進んで行くことから逃げない方ですよね。

ぼくりり:それがすごく好きです。そこに「自信の表われ」を感じるんですよ。

ぼくのりりっくのぼうよみ

TeddyLoid:アルバムのラスト曲も“Winners”だしね(笑)。僕の場合、その時の興味で作ったものをすぐ出したいという気持ちが強くて、手札を隠したりはしないんです。今回の“Foolish feat. 元・天才”も、絶対今発表したいと思った曲でした。

—一方、Teddyさんから見たぼくりりさんの魅力というと?

TeddyLoid:アーティストには「光」タイプとか「闇」タイプとかいろんな人がいると思うんですけど、ぼくりりくんはそのすべてを持っている人だと思います。器用貧乏という意味ではなく、もっと深い部分で全部の要素を持っている人だな、と。それは、ラストアルバム『没落』でも感じました。ジャンルの幅広さも、フロウやリリックもそうで。

TeddyLoid

—ぼくりりさんの曲には、ひとつの曲の中に複数の視点が混在しているものがありますよね。いろんな表情を使い分けることができる。

ぼくりり:僕はこれまでアルバム4枚を出しましたけど、それも作品ごとに興味が違っているんです。1枚目(『hollow world』2015年)は、自分の価値観の中で完結するスモールミュージック的なものでした。2nd(『Noah's Ark』2017年)ではそこから大きく踏み出して、アルバム1枚で壮大な絵を描くようなものを作って。次の3作目(『Fruits Decaying』2017年)では、音楽で王道とされるいろんな要素を「俳句」や「短歌」のようなフォーマットのひとつだと捉えて、そのルールに沿って「何点取れるか」を考えて作りました。「夏っぽさ」だったらこんな曲で……とか、いろんな定番がありますよね。

『Fruits Decaying』収録曲“SKY's the limit”

—枠があるからこその魅力もある、ということですね。

ぼくりり:そうです。たとえば野球だって、バットの規格が決まっているから試合が成り立つわけじゃないですか。もちろん、音楽は本来何をしてもいいものですし、コルク何%のバットを持ってきてもいいと思うんです。でも、あえてそうせずに、決められたルールの中で何点取れるかを考えたのが3枚目のアルバムでした。そして最後の『没落』(2018年)は、好きなことを好きなように、なおかつ人に届くように作ったアルバムです。なので、作品ごとに自分のモードがあって、その時にやりたいことをやってきた感覚です。

ぼくのりりっくのぼうよみ『没落』
ぼくのりりっくのぼうよみ『没落』(Amazonで見る
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リリース情報

TeddyLoid『SILENT PLANET: INFINITY』
TeddyLoid
『SILENT PLANET: INFINITY』(CD)

2018年11月28日(水)発売
価格:3,024円(税込)
NKCD-6850

1. Game Changers(LAST BOSS Mix)with 中田ヤスタカ(CAPSULE)
2. ME!ME!ME!(INFINITY)feat. DAOKO
3. To The End(INFINITY)feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)
4. Forever Love(VIP Mix)
5. Foolish feat. 元・天才
6. N.U.L.L. feat. Kradness(アニメ『ファイトリーグ』エンディングテーマ)
7. Grenade(INFINITY)feat. 佐々木彩夏 from ももいろクローバーZ & サイプレス上野
8. Invisible Lovers(INFINITY)feat. IA, 鈴木福 & MASAKing
9. Sleeping Forest(INFINITY)feat. ボンジュール鈴木 & TORIENA
10. Searching For You(INFINITY)feat. 柴咲コウ & DECO*27
11. Above The Cloud(INFINITY)with 小室哲哉 feat. マーク・パンサー
12. もののけ姫 2018 feat. 米良美一(TeddyLoid EDM Remake)
13. 魂のルフラン(TeddyLoid 2014 Remix)
14. Winners feat. Reol & Giga(アニメ『ファイトリーグ』オープニングテーマ)

TeddyLoid『SILENT PLANET: RELOADED』
TeddyLoid
『SILENT PLANET: RELOADED』(CD)

2018年11月14日(水)発売
価格:3,024円(税込)
NKCD-6849

1. Reloaded(Intro)
2. Guardians of the Universe feat. Virtual Riot
3. Bring It Back feat. TRIΔNGLE
4. Two Dawgz and The Ape feat. Paloalto & SALU
5. Lion Rebels(RELOADED)feat. JUN 4 SHOT from FIRE BALL& N∀OKI, NOBUYA & KAZUOMI from ROTTENGRAFFTY
6. Break The Doors(RELOADED)feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)
7. Vibraskool(RELOADED)
feat. 近田春夫(Professor Drugstore a.k.a. President BPM) & tofubeats
8. Shout It Out(RELOADED)feat. Kダブシャイン
9. Venom
10. ダイスキ(RELOADED)feat. DAOKO
11. Just Gone
12. TL will return(Interlude)
13. You Made Me feat. ちゃんみな

ぼくのりりっくのぼうよみ『没落』
ぼくのりりっくのぼうよみ
『没落』(CD)

2018年12月12日(水)発売
価格:2,700円(税込)
VICL-65078

1. 遺書
2. あなたの手を握ってキスをした
3. 二度と来ない朝
4. 断罪
5. 人間辞職
6. 輪廻転生
7. 僕はもういない
8. 祈りを持たない者ども
9. 曙光
10. 没落
11. 超克

プロフィール

TeddyLoid(てでぃろいど)

音楽プロデューサー / DJアーティスト。18歳でMIYAVIのメインDJ~サウンドプロデューサーとして13カ国を巡るワールドツアーに同行し、キャリアをスタート。m-flo、ゆず、柴崎コウ、ももいろクローバーZ、中田ヤスタカ、KOHH、HIKAKIN & SEIKIN、Crossfaith、米良美一、the GazettE、ちゃんみな、DAOKO、アイナ・ジ・エンド(BiSH)、IA、じん他、様々なコラボレーション、プロデュースが国内外で話題に。『Panty & Stocking with Garterbelt』、『ME!ME!ME!』等のアニメのサウンドトラック、ゲーム、CM音楽等も多数手がける。また2016年には海外のSpotifyで最も再生された日本のアーティスト5組に選出され、2017~2018年には4カ国13都市に及ぶワールドツアーを敢行。2018年11月にはコラボレーション大作『SILENT PLANET』の完結編、集大成として、2枚のアルバムを連続リリースした。

ぼくのりりっくのぼうよみ

早くより「ぼくのりりっくのぼうよみ」、「紫外線」の名前で動画サイト等に投稿を開始。高校2年生の時、10代向けでは日本最大級のオーディションである「閃光ライオット」に応募、ファイナリストに選ばれる。提携番組であるTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」で才能を高く評価されたことで一躍脚光を浴び、まだ高校3年生だった2015年12月、1stアルバム『hollow world』でメジャー・デビュー。言葉を縦横無尽に操る文学性の高いリリックは多方面から注目を集め、雑誌「文學界」にエッセイを寄稿するなど、音楽フィールド以外でも才能を発揮している。先頃、ぼくのりりっくのぼうよみを「辞職」することを宣言、そのアーティスト活動を来年1月で終えることを公式発表した。12月12日、ラスト・オリジナル・アルバム『没落』と、ベスト・アルバム『人間』を同時リリース。

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