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Kan Sano率いるLast Electroが語る、最先端のバンドサウンド

Kan Sano率いるLast Electroが語る、最先端のバンドサウンド

Last Electro『Night Symphony』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:垂水佳菜 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

エレクトロニックミュージックが主流になっている昨今、エレキギターのあり方ってすごく難しい。(Jun)

—あのヨレたビートって、もともとはどこに由来しているんでしょうね。

Kan:僕、『Voodoo』の下敷きになっているのはSly & The Family Stoneの『暴動』(1971年発表の『There's a Riot Goin' On』)だと思ってて。あのアルバムに“Thank You for Talking to Me Africa”という曲があって、そのベースがめちゃくちゃモタってるんですよね。

Sly & The Family Stone『There's a Riot Goin' On』を聴く(Apple Musicはこちら

Kan:そういうビハインドした演奏って歴史的に存在していて、それがヒップホップの登場で、より強調されてきたというか。たとえば、一瞬ヨレた演奏が曲のなかにあったとして、そこが気持ちよければサンプリングして抜き出したものをループさせるのがヒップホップじゃないですか。そうやって「再発見」されたところもあるんじゃないかなって。

—たしかに。ループポイントのちょっとしたズレに、心地よいグルーヴを感じたりしますよね。ギターのアプローチも、低音の役割の変化によって変わってきますか?

Jun:エレキベースの場合はギターと同類というか、「竿モノ」ということでの絡みなんかを意識するんですけど、シンセベースはもっと曲の重心を支える感じになって、ギターにとって違う役割になるのかもしれないです。

それに、エレクトロニックミュージックが主流になっている昨今、エレキギターのあり方ってすごく難しいなと思っていて。ギタリストと会うと、よくこの話題になります(笑)。でも、ギターでしか表現できないサウンドも絶対あると思うし、何か面白いことを曲のなかでできないかといつも模索しています。それが、今の時代のギタリストが向き合うべき命題のひとつかなと。

Jun Uchino(Last Electro、Mime)
Jun Uchino(Last Electro、Mime)

Kan:“I'm Yours Tonight”を去年リリースしたときに、「このギター、やばい!」という意見がすごく多くて。みんなギター聴いてくれているんだなと思って嬉しかったな。

Jun:僕も嬉しいです(笑)。

Kan:Junくんはギタリストとしてのバックグラウンドがしっかりした、「根っからのギタリスト」だと思うんです。ギターが持つワイルド感や生々しさは僕らも求めている。とはいえ、無理して4人全員の演奏を入れることもないと思ってはいるんです。今、たくさん曲を作っているんですが、ほとんどギターが入っていない曲もあるんですよ。その代わり、ライブだったらギターがもっと必要になってくる曲も出てくるだろうし、そこは音源とライブを分けて考えていますね。

ヒョットコはKan Sanoのアイデアで、Ippeiがデヴィッド・リンチやスタンリー・キューブリックの作品が好きだというところ着想にしている

—お話を聞いていて、思い出したのはYMO(Yellow Magic Orchestra)なんですよね。彼らは音源ではクリックに合わせてジャストな演奏をしているけど、ライブでは渡辺香津美さんをゲストギタリストに招いてめちゃめちゃフュージョンをやっている。

Kan:たしかに、YMOがどんどんテクニカルにソロとか入れていくと、どんどんフュージョンに近づいていきますよね。そういう音楽って一時期「ダサい」とされてきたけど、Thundercatが出てきたあたりから「楽器を弾きまくることのカッコよさ」みたいなものが、再定義された感じがします。カマシ・ワシントンもそう。

ほぼ全編にわたってThundercatがベースを手がける、Flying Lotus『You're Dead!』(2014年)を聴く(Apple Musicはこちら

Kan:彼らはフュージョンとかクロスオーバーと呼ばれるサウンドを、完全に狙ってやっていますよね。そう考えるとFlying Lotusってすごいなぁと改めて思います。スピリチュアルジャズとかプログレとか、そういう要素を引っ張ってきて、ビートシーンのなかで融合させるっていう。そのアンテナの張り方や嗅覚はさすがだなと。

Yusuke:そして、当時のジャズやフュージョンと明らかに違うのが低音の処理ですよね。そこはちゃんとアップデートされている。

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リリース情報

Last Electro
『Night Symphony』(7インチ盤)

2019年4月10日(水)発売
価格:1,620円(税込)
DSB-40

[SIDE-A]
1. Night Symphony
[SIDE-B]
1. When You Kill Me

ライブ情報

『SYNCHRONICITY'19』

2019年4月6日(土)13:00 開場・開演
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-Crest、TSUTAYA
O-nest、duo MUSIC EXCHANGE、clubasia、VUENOS、Glad、LOFT9

出演:
Last Electro
浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS
SOIL&”PIMP”SESSIONS
SPECIAL OTHERS
大森靖子
雨のパレード
アルカラ
cinema staff
mabanua
KID FRESINO
Awich
STUTS
AAAMYYY
Say Sue Me(Korea)
tokonoma
ADAM at
Schroeder-Headz
TRI4TH
JABBERLOOP
カネコアヤノ(バンドセット)
Ghost like girlfriend
ニガミ17才
GEZAN
踊ってばかりの国
THE LITTLE BLACK
スカート(弾き語り)
toddle
羊文学
KONCOS
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ
CRCK/LCKS
Ryu Matsuyama
ニトロデイ
Nao Kawamura
Gai Sunya(yahyel)
sora tob sakana
Maison book girl
ポップしなないで
SAKA-SAMA
ギリシャラブ
The Taupe
nhhmbase
falls
the SHUWA
テスラは泣かない。
SuiseiNoboAz
Lucie, Too
The Wisely Brothers
Special Favorite Music
Luby Sparks
東郷清丸
ザ・おめでたズ
Kick a Show
BLACK BASS
BROTHER SUN SISTER MOON
座布団5000/
VENUEVINCENT
Sankara
Babaroa
Mega Shinnosuke
レイラ
山形りお
CHAILD
SOA
DJ Ko Umehara(-kikyu-)
DJ New Action!(星原喜一郎 / 遠藤孝行)
松本誠治
白鳥雪之丞(Tears of Swan)
出口博之(exモノブライト)
ハシダカズマ(箱庭の室内楽)
西村ひよこちゃんemo
アイアムアイ
ミノウラヒロキ・マジックショー
Gravityfree(Live Painting)
料金:1日券5,800円 通し券11,000円(共にドリンク別)
(通し券は4月7日(日)『SYNCHRONICITY’19』との通し券)

プロフィール

Last Electro

平成最後の夏に結成。国内外のアンダーグラウンドジャズ・ソウルシーンで暗躍するIppei Sawamura(SANABAGUN.)、Jun Uchino(Mime)、Yusuke Nakamura(BLU-SWING)、Kan Sanoの4人から成るリーダー不在のミュージシャンズミュージシャン集団。ゼロ年代のクロスオーバーシーンでプロダクションスキルを培ったプロデューサーと新世代のプレイヤーのセッションから生まれた突然変異のヒューチャーソウル。ポストダブステップ以降のビート感覚、リンチやキューブリックなどカルト映像作家に通じる終末SF観、空洞化する現実を冷たい視線で傍観する詞と実体を持たない憂鬱なウィスパーボイス。あらゆるジャンルを飲み込みながら、個々の活動と別次元で進行する鋭利なアート性は今後の展開が予測不能。2019年から本格始動。1月に初の7インチ「No More Sunshine」をリリース。

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