特集 PR

フォーリミGENが見据える次の闘い。ロックが自由であるために

フォーリミGENが見据える次の闘い。ロックが自由であるために

『YON FES』
インタビュー・テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:浜野カズシ

04 Limited Sazabysが毎年4月に開催してきた『YON FES』。今年で4度目の開催となった本フェスを見て改めて感じたのは、街という遊び場で育まれてきたカルチャーやアートと音楽がどう紐づいて転がってきたのかを提示する姿勢だった。

04 Limited Sazabysの音楽は、メロディックパンクを背骨にしながらも、ラップミュージックやギターロック、モータウンポップスまでを飲み込んだミクスチャーなものだ。ソリッドで直情的なスタイルで走ってきたメロディックパンクに、言葉そのものをリズムとして機能させる歌を持ち込んだ感性。ジャンルを越境するというよりも、そもそもフラットに音楽全体を同じテーブルに乗せられる雑食性。そして、ポップネスと鋭い攻撃性が共存するバンドのキャラクター。そのバンドスタイルを育んだカルチャー、背景はどんなものなのか。その答えを知るためのヒントに満ちていた『YON FES』を総括しながら、改めて04 Limited Sazabysの根幹を探る。

『YON FES』は可愛らしい場所。だけど根っこの部分には、好きで憧れてきたカルチャーが一本通ってるんだと感じてほしいんです。

04 Limited Sazabys(ふぉー りみてっど さざびーず)<br>GEN(Vo,Ba)、HIROKAZ(Gt)、RYU-TA(Gt,Cho)、KOUHEI(Dr,Cho)による4ピースロックバンド。2008年、名古屋にて結成。2015年4月に1stフルアルバム『CAVU』でメジャーデビューし、2016年にはバンド主催の野外フェス『YON FES 2016』を地元・愛知県で初開催。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを行なった。同年10月10日には3rdフルアルバム『SOIL』をリリース。
04 Limited Sazabys(ふぉー りみてっど さざびーず)
GEN(Vo,Ba)、HIROKAZ(Gt)、RYU-TA(Gt,Cho)、KOUHEI(Dr,Cho)による4ピースロックバンド。2008年、名古屋にて結成。2015年4月に1stフルアルバム『CAVU』でメジャーデビューし、2016年にはバンド主催の野外フェス『YON FES 2016』を地元・愛知県で初開催。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを行なった。同年10月10日には3rdフルアルバム『SOIL』をリリース。

—『YON FES』、今年も楽しませていただきました。4年目を終えてみて、どんな実感がありますか。

GEN:楽しかったですねえ。これはバンドマンというより主催者としての話ですけど……たとえばクロークの袋を企業さんに作っていただいて持ち帰れるお土産にしたり、僕が仲よくさせてもらってる「A BATHING APE」にスタッフTシャツを作ってもらったり、YON FESオリジナルパッケージの水も作れたり。やってみたいと思ってたことがたくさん実現しましたね。

特によかったのは……毎年、ゲートの近くでグラフィックアーティストにライブペイントをやってもらってるんですけど、「どんなサイズが描きやすいか」「どんなサイズで見せたいか」って聞いた上でトラスロッドを組んだんです。そしたら装飾としても、フェスとして見せたいものとしても、インパクトのあるものになって。今年はESPY(エスパイ)さんっていう、名古屋のレジェンド的なグラフィックアーティストに描いてもらえて。

—名古屋で20年以上やられている方ですよね。ポップで可愛らしい装飾に彩られた『YON FES』の中で、ブルータルなパワーを放つあの空間の異物感とインパクトはすごかったです。

GEN:そうですねえ(笑)。元々、ESPYさんの絵を僕が知ってて、ファンだったんですよ。『YON FES』で名古屋のストリートカルチャーを伝えていくならESPYさんに描いてもらうのがいいなってずっとイメージしてたんです。だから、念願叶ったという感じですね。

『YON FES』で描かれた、ESPY氏による作品
『YON FES』で描かれた、ESPY氏による作品
『YON FES』で描かれた、ESPY氏による作品

—あのライブペイントと『YON FES』全体を見ていて、オーバーグラウンドとアンダーグラウンド、ポップネスと鋭さ、音楽とストリートっていうものを丸ごと飲み込んでいる04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)そのものだなと思って。ESPYさんのようにアンダーグラウンドのカルチャーを守り続けてきた方が作品性をそのままぶつける場所を作れていること自体が、フォーリミの面白い立ち位置を表している気がしたんです。

GEN:言われた通り、『YON FES』は過ごしやすくて可愛らしい場所だし、フォーリミのキャラクターもそういう見え方だと思うんです。だけど根っこの部分には、好きで憧れてきたカルチャーが一本通ってるんだなって感じてもらいたいんです。

昔、僕らがパンクバンドに憧れた頃のシーンには、いわゆる「悪くて怖い人」が多かったんですよ。尖ればいいってわけじゃないけど、怖さも僕にとっては憧れと魅力だった。でも今は不良から成り上がる人もいないですし、喧嘩が強くて伝説のバンド的な人もそんなにいない(笑)。だからこそ、エッセンスとして毒っぽい部分や、それこそアンダーグラウンド――普段の生活では触れることのない異物を混ぜたくて。

たとえばアンダーグラウンドのシーンの人ほど怖いイメージがありますけど、それは簡単に心を開かないから怖く見えるわけですよね。でも逆に言えば、ちゃんと自分の生き方に筋が通っているから簡単に心を開かないわけで。だったら、自分から心をこじ開けるように頑張るしかないし、自分も筋の通った人間でいなくちゃいけない。僕は、そういう心の開き合いで人と仲よくなってきたし、そうして関係を作りながら吸収してきた音楽やカルチャーだから、自分の中では全部に筋が通ってると思うんです。

—フォーリミのキャラクターという話もあったけど、ポップなものと尖ったものを混ぜたいのは、ご自身ではフォーリミをどう位置付けているからなんですか。

GEN:僕らはパンクのシーンから出てきながら、アートの分野とか、音楽に限らないサブカルチャーを飲み込むことで活動範囲を広げてきたバンドだと思うんです。たとえば……ヤンキーと遊ぶほうが楽しいけど、カルチャーに対する審美眼はオタクのほうがセンスよかったりするじゃないですか。で、僕はその両方と関わるのが好きだったんですよ。

小さい頃から好奇心旺盛だったし、逆に言うと、自分から知らない世界に飛び込まないと何も面白いことは見つからないって思ってきて。そうやっていろんなカルチャーや知識を手に入れてきた自分からすると、「センスのあるヤンキー」がちょうどいいっていう感覚があるんです。芸術的なものや文学的なものも、アンダーグラウンドなものも、それぞれ真逆のタイプの人達にこそ面白がってほしい。それが絶妙に自分達の音楽にも反映されているし、自分が通ってきたストリートやアンダーグラウンドの文化もそのまま『YON FES』に落とし込んでいて。

『YON FES』でのライブ。2日間で2万6000人を動員した。(撮影:ヤオタケシ)
『YON FES』でのライブ。2日間で2万6000人を動員した。(撮影:ヤオタケシ)

—ただ、ストリートから生まれてきたカルチャーとひと言で言っても、世代や時代で意味もリアリティも変わってくる。そういう意味で言うと、GENくんがそういうカルチャーに触れたり、元々ストリートから生まれてきたアートが好きだったりするのは、ご自身のどういう部分が共鳴したからなんだと思いますか。

GEN:ああー……ひとつ、名古屋のシーンに育まれたものは間違いなくありますね。名古屋は大阪ほど東京にへり下ってはいないけど、「東京と大阪の中間にある」っていう独特の劣等感と負けん気が爆発してて、「自分達でなんとかしなくちゃいけない」「自分達で楽しいことを作りたい」っていう意識が強烈にある場所だと思うんですよ。

GEN
Page 1
次へ

イベント情報

『YON FES 2019』

2019年4月6日(土)、4月7日(日)
会場:愛知県 モリコロパーク(愛・地球博記念公園)

出演:
4月6日(土)
04 Limited Sazabys
10-FEET
BiSH
My Hair is Bad
ONIONRING
SHANK
teto
かりゆし58
四星球
ナードマグネット
ヤングオオハラ

4月7日(日)
04 Limited Sazabys
BLUE ENCOUNT
ENTH
Hump Back
KEYTALK
SiM
SPECIAL OTHERS
SUPER BEAVER
Survive Said The Prophet
クリープハイプ
ハルカミライ

リリース情報

『SOIL』通常盤(CD)
04 Limited Sazabys
『SOIL』通常盤(CD)

2018年10月10日(水)発売
価格:2,916円(税込)
COCP-40494

1. message
2. My HERO
3. Brain sugar
4. Utopia
5. Milestone
6. Password
7. Alien
8. Kitchen
9. Galapagos
10. memory lane
11. Shine
12. Squall

プロフィール

04 Limited Sazabys(ふぉー りみてっど さざびーず)

GEN(Vo,Ba)、HIROKAZ(Gt)、RYU-TA(Gt,Cho)、KOUHEI(Dr,Cho)による4ピースロックバンド。2008年、名古屋にて結成。2015年4月に1st フルアルバム『CAVU』でメジャーデビューし、2016年にはバンド主催の野外フェス『YON FES 2016』を地元・愛知県で初開催。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを行なった。同年10月10日には3rd フルアルバム『SOIL』をリリース。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

LUMINE ART FAIR - My First collection / Art of New York City

10月12日、13日にルミネ新宿で開催する『LUMINE ART FAIR -My First Collection』のために制作された動画。現地アーティスト2名の言葉と、リアルな空気感とともにNYのアートシーンを紹介している。「NY、かっこいい!」という気持ちがムクムク膨れ上がってくるはずだし、アートに触れるきっかけはそれくらいがちょうどいいと思う。(石澤)

  1. ドラマ『まだ結婚できない男』。新キャスト迎えて13年後を描く 1

    ドラマ『まだ結婚できない男』。新キャスト迎えて13年後を描く

  2. 中山美穂がダンサーに恋 松尾スズキ監督・脚本・主演『108』本編映像公開 2

    中山美穂がダンサーに恋 松尾スズキ監督・脚本・主演『108』本編映像公開

  3. セクゾ中島健人&菊池風磨が「ガルボ」のキニナル食感を70種の表情で表現 3

    セクゾ中島健人&菊池風磨が「ガルボ」のキニナル食感を70種の表情で表現

  4. 『全感覚祭』が10月13日に渋谷複数会場で急遽開催、千葉会場中止を受け 4

    『全感覚祭』が10月13日に渋谷複数会場で急遽開催、千葉会場中止を受け

  5. 宮藤官九郎の新作舞台『もうがまんできない』に阿部サダヲ、松尾スズキら 5

    宮藤官九郎の新作舞台『もうがまんできない』に阿部サダヲ、松尾スズキら

  6. フレデリックの表現がユニークな理由 双子の関係と想像力に秘密が 6

    フレデリックの表現がユニークな理由 双子の関係と想像力に秘密が

  7. 『水曜どうでしょう』漫画化、『週刊少年チャンピオン』で連載 7

    『水曜どうでしょう』漫画化、『週刊少年チャンピオン』で連載

  8. 宮沢氷魚と藤原季節が額をくっつける、今泉力哉『his』ポスター&場面写真 8

    宮沢氷魚と藤原季節が額をくっつける、今泉力哉『his』ポスター&場面写真

  9. 細野晴臣『NO SMOKING』特別映像公開 坂本龍一、高橋幸宏、星野源ら登場 9

    細野晴臣『NO SMOKING』特別映像公開 坂本龍一、高橋幸宏、星野源ら登場

  10. 小沢健二の新アルバム『So kakkoii 宇宙』11月発表、新曲配信&ライブも 10

    小沢健二の新アルバム『So kakkoii 宇宙』11月発表、新曲配信&ライブも