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Hilcrhymeが語る「作品の自主回収」に対する意見と、1人体制の今

Hilcrhymeが語る「作品の自主回収」に対する意見と、1人体制の今

Hilcrhyme『SUN ~リメイクベスト1~』
インタビュー・テキスト
高木"JET"晋一郎
編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2019/06/12

昨年9月からTOCによる1MC体制での活動をスタートさせたHilcrhyme。“春夏秋冬”や“大丈夫”など数多くのヒット曲を持ち、J-POPシーンの中でも大きな存在感を見せてきたラップユニットだが、一昨年の元DJの不祥事と脱退、そして作品の回収という激動の経験を経ての現在があることも、また事実だ。

しかし、それらの出来事を乗り越えて、メジャーデビューから10周年となる今年は、セルフタイトルアルバム『Hilcrhyme』をリリースし、全国20公演のリリースツアーを開催。その後も「MILESTONE10th」と題された10周年プロジェクトが決行され、『SUN』『MOON』『STAR』という3枚のリメイクベスト盤のリリースや、豊洲PIT・3DAYSライブなど、それまでにも増して精力的に、そしてリスナーとの距離を縮めながら、Hilcrhymeは歩みを進める。

今回はその10周年プロジェクトや、前述の「作品の回収」という事実に対する音楽産業とアーティストとの温度感など、「彼の経験とこれから」を忌憚なく語ってもらった。

また一からすべてを構築していかないとなって思っています。

―新体制での皮切りとなる昨年9月2日の日比谷野外音楽堂でのライブから現在まで、手応えはいかがですか?

TOC:順調ですね。一人になったことで手がけなくちゃいけない作業も倍になって、大変な部分も多いんですが、今年2月から行った全国ツアー(『Hilcrhyme TOUR 2019 “Hill Climb”』)を通して、地盤が固まってきたという感触があります。ここからホップ・ステップ・ジャンプと進んでいく、ホップの最中には差しかかれたかなって。

2018年9月2日『Hilcrhyme LIVE 2018「One Man」』
2018年9月2日『Hilcrhyme LIVE 2018「One Man」』

―確かにライブを拝見しても、一人になったから、という部分でのバタつきなどは感じなかったし、スムーズに現体制に移行できていると感じました。

TOC:一人になったという感覚があまりないし、Hilcrhymeはなにも変わってないなって。それは僕だけの力じゃなくて、裏方の人たちとちゃんと意思疎通をして、スタッフも一生懸命動いてくれたからという部分がすごく強いと思います。だから、スムーズに移行しているように見えていたとしたら、自分の力よりも、そういったバックアップによる部分の方が大きいと思いますね。

そういう部分を全国ツアーで確認できたので、本当のスタートラインは全国ツアーだったなと思うんです。それが失敗に終わってたら「これはもうダメなのかな……」と思ってたかも知れないですけど、自分の手応え的にも、オーディエンスの反響的にも、すごく充実感のあるものだったので、間違いなくいいスタートを切れたと思っています。

全国ツアー『Hilcrhyme TOUR 2019 “Hill Climb”』
全国ツアー『Hilcrhyme TOUR 2019 “Hill Climb”』

―野音の復活ライブはスタートという感触ではなかった?

TOC:ちょっと違いましたね。あれはエクスクルーシブな、Hilcrhymeの歴史年表の中でもちょっと感触が違うライブでした。ちょっと現実離れした1日だったし、活動休止からの復活ということもあって、あの場ではなにをしてもみんな盛り上がってくれたと思うんですよ、あれだけのストーリーがあれば。だから、野音よりも次の20公演を巡った全国ツアーが正直な反応が出ると思ったし、新体制が試される正念場だと思いましたね。

―確かに、全国ツアーはHilcrhymeをリスナーにとっての「日常に戻すプロセス」だったと思います。2018年12月以降、Hilcrhymeが非日常になってしまい、野音ではライブのアプローチも含めて、まだ非日常に近かった。でも、全国をライブで回ることによって、Hilcrhymeの存在が“アタリマエ”になったと感じました。

TOC:そうであれば嬉しいですね。リスナーの日常のルーティンのひとつになれたら。そういう動きを積み重ねて、2年後ぐらいに「ジャンプ」を目指したいです。

―ジャンプというのはスターダムなりヒット曲という「成功」だと思いますが、現体制での成功をすぐに求めないのは?

TOC:「禊」……なんですかね。元相方の不祥事によってすごく迷惑をかけてしまった人が多いんですね。だから、そういった部分での禊も含めて、今すぐに「ジャンプ」は求めていないし、それは現実的にも無理なのかなって思っています。それよりも人間関係も含めて、また一からすべてを構築していかないとな、って。それが遠回りだけど一番の近道だと思っています。

Hilcrhyme(ひるくらいむ)<br>2006年6月9日にHilcrhymeを結成。2009年にシングル『純也と真菜実』でメジャーデビュー。同年リリースの2ndシングル『春夏秋冬』が大ヒットし、『日本レコード大賞』『有線大賞』など各新人賞を受賞。2018年3月19日にDJが脱退。メンバーはTOCのみとなったが、TOCは「人生全てをかけてHilcrhymeを全うする」と所信表明。歌い続けていく。
Hilcrhyme(ひるくらいむ)
2006年6月9日にHilcrhymeを結成。2009年にシングル『純也と真菜実』でメジャーデビュー。同年リリースの2ndシングル『春夏秋冬』が大ヒットし、『日本レコード大賞』『有線大賞』など各新人賞を受賞。2018年3月19日にDJが脱退。メンバーはTOCのみとなったが、TOCは「人生全てをかけてHilcrhymeを全うする」と所信表明。歌い続けていく。

―音楽シーンのサイクルはとにかく早くなってるから、なかなか長期計画を立てるのは難しくなっているけど、Hilcrhymeは長い目で考えているというか。

TOC:やっぱり「跳ねる」にも、そこに地力が見えないと、単なるラッキーパンチだったって見抜かれると思うんですよね。自分たちも(ヒット曲を)ぶち当てるための下積みがあったわけだし、今のHilcrhymeでそれを狙うなら、この体制で地力をつけないといけないと思うし、今はその最中なんだと思っています。

―ラッキーパンチを狙うんじゃなくて、相手を確実にノックダウンさせるための力とキレが必要だし、それを養っている期間だと。

TOC:間違いないですね。だからシビアだし、気が抜けない。でも同時に「楽しく、楽に」というのは、今のモットーでもありますね。

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リリース情報

『SUN ~リメイクベスト1~』(CD)
Hilcrhyme
『SUN ~リメイクベスト1~』(CD)

2019年6月12日(水)発売
価格:3,240円(税込)
POCE-12116

1. アイセイ(新曲)
2. 春夏秋冬 2019
3. ルーズリーフ 2019
4. トラヴェルマシン 2019
5. 友よ 2019
6. パーソナルCOLOR 2019
7. Changes 2019
8. Kaleidoscope 2019
9. エール 2019
10. FLOWER BLOOM 2019
11. Summer Up 2019

イベント情報

『Hilcrhyme LIVE 2019“MILESTONE 10th”~DAY1・招待=Show Time~』

2019年7月13日(土)
会場:東京 豊洲PIT
出演:
Hilcrhyme
Creepy Nuts
My Hair is Bad

『Hilcrhyme LIVE 2019“MILESTONE 10th”~DAY2・アコースティック~』

2019年7月14日(日)
会場:東京 豊洲PIT

『Hilcrhyme LIVE 2019“MILESTONE 10th”~DAY3・ワンマン~』

2019年7月15日(月)
会場:東京 豊洲PIT

『TOC 生誕祭 2019』

2019年10月4日(金)
会場:東京都 TSUTAYA O-EAST
出演:
Hilcrhyme
TOC

プロフィール

Hilcrhyme
Hilcrhyme(ひるくらいむ)

2006年6月9日にHilcrhymeを結成。2009年にシングル『純也と真菜実』でメジャーデビュー。同年リリースの2ndシングル『春夏秋冬』が大ヒットし、『日本レコード大賞』『有線大賞』など各新人賞を受賞。メロディアスなラップスタイルと等身大かつ文芸的なリリック、万人に響くメロディーメイクが反響を呼び、日本語ラップという形では過去に例を見ないトータル1000万DL超えを記録。また、叩き上げのスキルあるステージングにより動員を増やし続け、2014年には初の武道館公演をSOLD OUT。ブレずに新潟在住で音楽活動を続ける。2018年3月19日にDJが脱退。メンバーはTOCのみとなったが、TOCは「人生全てをかけてHilcrhymeを全うする」と所信表明。歌い続けていく。

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