ビヨンセは世界を唯一救う女性 ファン歴=年齢のRIRIが語る

アーティストの人生を変えた、音楽との出会い。そんな「音楽との偶発的な出会い」をコンセプトに、Ginza Sony Parkで毎週金曜日の夜をはじめ、不定期に行われている入場無料のライブプログラム『Park Live』。毎回、ジャンル、世代、国境を超えたアーティストが出演するこのイベントに、5月22日、RIRIが出演した。

小袋成彬、KEIJUとコラボレーションした“Summertime”が、今年の資生堂「アネッサ」のタイアップ楽曲に選ばれるなど、話題を集める若手R&BシンガーRIRIに、「音楽との出会い」について聞いた。そこでは、0歳のときに出会い、憧れ続けたというビヨンセの存在が語られた。

つかまり立ちしていたくらいの歳から、すでにリズムを取って動いていたみたいです。

―今日はGinza Sony Parkで最新EP『Summertime』のリリースライブが行われたタイミングでの取材ですが、『Park Live』のテーマが「音楽との偶発的な出会い」ということで、まずはRIRIさんと音楽の出会いから伺いたいと思います。

RIRI:私は赤ちゃんのときから、ずーっと音楽を聴いていました。母がすごく洋楽が好きで、家でも普段からいろんなジャンルの音楽が流れていて。つかまり立ちしていたくらいの歳から、すでにリズムを取って動いていた感じだったみたいです。

RIRI(りり)
1999年11月5日生まれの現在、最も注目されるR&B / ポップシンガー。2011年、ホイットニー・ヒューストンやセリーヌ・ディオンなどを手がけた名プロデューサー、デビッド・フォスターが主催した世界的次世代スターを発掘するオーディションに出場し、僅か11歳でファイナリストのひとりに選ばれる。2016年11月2日にリリースした初EP『I love to sing』はApple Music「R&B / ソウルランキング」で1位を記録。2018年ソニーミュージック アソシエイテッドレコーズより、1st アルバム『RIRI』と2nd『NEO』をリリース。2019年5月22日には、最新EP『Summertime EP』をリリースした。

―初めて自分で「音楽が好きだ!」とか「この歌が好きだ!」と認識したときって覚えています?

RIRI:認識したのは、Destiny's Child(以下、デスチャ)の『Independent Women, Pt. 1』とか『Survivor』の辺り。母から聞いた話だと、私が車で寝ていたときに、突然“Independent Women, Pt. 1”が流れた瞬間があって、母が「もしかして起きてないよね?」って後ろを向いたら、私がこうやって踊っていて(※腕を回しながら。MV1:25~のあたり)思わず「こわ!」と思ったらしいんです(笑)。しかも、ちゃんとリズムも合っていたみたいで。でも同時に、母も「この子はそんなに音楽が好きなんだなあ」って思ったらしくて。

幼い頃のRIRIも踊っていたDestiny's Childの“Independent Women, Pt. 1”MV

―小さい頃から洋楽のR&Bに触れて来たんですね。R&Bの魅力って、どんなところにあると思いますか?

RIRI:曲の雰囲気やサウンドに魅力を感じますね。R&Bって、エモーションを表現するタイプのジャンルじゃないですか。だから、歌っているうちにどんどん気持ちよくなるというか。歌い始めたときも、歌っていて一番楽しいと思ったのがR&Bだったんです。

―シンガーを目指したきっかけは?

RIRI:物心ついた、3、4歳の頃からすでに「歌手になりたい」って漠然とした夢がありました。ずっと音楽を聴いて育ってきたというのもあったので、とにかく音楽の道を進むことが自然な感じで。

―それはお母さんにいわれて……とかではなく、自発的に?

RIRI:はい、自発的に。小さい頃、母が「りーちゃんはなにになるの?」っていつも質問してたらしんですけど、そのときから「歌手になるー!」って答えていたらしくて。歌を歌うことも、ダンスをすることも、自分で好きでやってきた感じです。

そして、11歳のときにデヴィッド・フォスターさんのオーディション(ホイットニー・ヒューストンらを手がけた伝説的な音楽プロデューサー。RIRIは2011年にオーディションを受け、ファイナリストのひとりに選ばれた)を受けました。

―次世代アーティストを探す世界的なオーディションでしたよね。そもそも、オーディションを受けたきっかけはなんだったんですか?

RIRI:たまたま母が「こういうのがあるよ」って教えてくれて、そのまま「面白そうだよね」って。そのとき、すでに応募締め切りの2週間前くらいだったので、合格するしない、ってことよりも、「デヴィッド・フォスターさんに自分の声を聴いてもらいたい」という熱い思いで参加しました。

―デヴィッド・フォスターは、ビヨンセが映画『ドリームガールズ』(ビル・コンドン監督 / 2006年)で披露した“Listen”を手がけているプロデューサーでもありますしね。

RIRI:そうですね。やっぱりビヨンセは私の目標でもありますし、昔から一番尊敬する存在です。

ビヨンセは、「世界を救う唯一の女性」という感じがします。

―私もビヨンセの魅力に取り憑かれているファンのひとりなんですが、RIRIさんが思う、ビヨンセの魅力ってどんなところですか?

RIRI:やっぱり、ストイックにやり抜く力ですね。歌声もパフォーマンスも、誰が見ても唖然とするような実力ですけど、私はビヨンセの人間性も大好きなんです。私の“Crush On You”って曲を書いてくれた作家さんが、ビヨンセの“Drunk In Love”を手がけた方で、LAでセッションさせてもらったんですけど、その方も「やっぱりビヨンセのエネルギーやオーラはすごい。それに、あれ程の存在なのにも関わらず、彼女は全ての人に対して愛情深く、優しくて素晴らしい方なんだ!」といっていて。他にも、ビヨンセに会ったことがある人はみなさん、そういっていましたね。

―彼女のパフォーマンスを見ていると、本当に「選ばれし表現者なんだ!」という感じがしますよね。

RIRI:「世界を救う唯一の女性」というか、強い女性という感じがありますよね。ビヨンセを見ていると、人にはそれぞれ個性や色があるし、自信を持ってそれを表現していくことが大事なんだって、強く思います。彼女が作りだす世界観も楽曲も、ビヨンセらしさがすごく出ているし、いつもブレない。自分の軸が常にあって、アーティストとしても、ひとりの女性としても本当に大好きです。

―ビヨンセのパフォーマンスの中で、特に印象に残っているものはありますか?

RIRI:ずっとハマって見ていたのは、『Beyoncé's I Am... World Tour』(2010年)です。あのビヨンセが、すごくかっこよくて。あと、「Beychella」(2018年の『コーチェラ・フェスティバル』でビヨンセが披露したステージ。Netflix『HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品』で見ることができる)はすごいですね。

―『HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品』の練習風景の様子で垣間見ることができる、ビヨンセの体型の変化もすごいなと思って見入っていました。

RIRI:そうそう! ライブまでは炭水化物も取らない。

―それに、乳製品も取らないって。

RIRI:すごいですよね、ストイック!

―あそこまでの人だから、あれだけのステージができるっていうことですよね。

RIRI:『コーチェラ』って、みんなそこまでこだわって自分のステージを作らないじゃないですか。

―いわゆるフェスですからね。いろんなオーディエンスが集まってるし、自分のツアーとは勝手が違いますもんね。

RIRI:そういう感じの中、あそこまで「自分はこれなんだ!」ってコンセプトを打ち出すのはすごいですよね。いやあ……いくらでも話せるな(笑)。

―ビヨンセらに刺激されつつ、これからRIRIさんが表現者として目指すビジョンはありますか?

RIRI:これまで、私の楽曲はラブソング系が多かったんですけど、これからは自分が経験したことを通じて、新たな自分というか、「絶対に負けない」っていう自分の強さの部分をコンセプトにして曲を出していけたら嬉しいなと思っています。あと、これからは、若い世代にも向けてたくさんやっていけたらいいな。そのためのプロジェクトや企画ができたら楽しそう。

『Park Live』でのRIRIのステージ

―次作では新しいRIRIさんが見ることができるのでしょうか?

RIRI:どうなるかはまだはっきり分からないんですけど、制作はこれから始まります。これまでタイトな制作期間で仕上げることが多かったので、次の作品は、じっくりと自分がこだわり尽くしたものをアルバムとして作ってみたいという思いが強いですね。

あと、いまはヒップホップが流行っているのもあるし、そういう要素を取り入れたものもアリかなって。ラップをするのも楽しそうだなって思っています。

―いまや、ラップも歌も境目がない。ビヨンセやアリアナ・グランデも、ラップのようなフロウで歌っているし、リル・ウージー・ヴァートやジュース・ワールドも歌のようなラップになってきている。

RIRI:ポスト・マローンとかも大好きなんですけど、みんな、歌ラップ的なフロウですよね。

―今年に入って、アリアナやビリー・アイリッシュらが動き出して、もうすぐマドンナも新作アルバムが出るなど、いままでになく女性シンガーのポップスシーンが賑やかだなと感じてします。その中にRIRIさんも入り込んで欲しいですね。

RIRI:いやもう、絶対に入り込みますよ。とにかく突き進むのみという意気込みで、今日のライブもパフォーマンスしました。

私は人それぞれ、みんな絶対に輝くために生まれてきたと思っているんです。

―今日、RIRIさんのパフォーマンスを約1年ぶりに拝見したんですが、いつの間にか、すっかりディーバのようなオーラが全身から放たれているなあと感心しながら見入ってしまいました。デビュー以来、2枚のアルバムリリースやツアーを経て、パフォーマーとしてもだいぶレベルアップしたのでは?

RIRI:パフォーマンス面でいうと、今年のツアーからダンスを取り入れたんです。ツアーのときは1時間半くらいガンガンに踊って、めちゃくちゃ頑張りましたね。最近はダンスの振りも体の中に染み込んできて、自分流に踊れるようになってきたので楽しいです。昔からダンスもやりながらパフォーマンスしたいと思っていたので、実現できてすごく嬉しい。

―ステージに立つシンガーとしての心構えというか、マインド的にも成長したのではないかなあ、と感じていました。

RIRI:去年と今年で、戦わなきゃいけない大変な経験をたくさんしましたね。その分、そこで重要なことを学んだので……。自分がこの曲に対してかけるいる思いとか、決意、そして、「絶対になにがあっても屈しないっていう強い思い」を、リアルにパフォーマンスに込められるようになりました。自分でも、かなり成長したなって思います。

―その大変だった経験って、主にご自身のキャリアに対してのものですか?

RIRI:去年、制作のためにLAに行って色んな海外の方とセッションさせてもらったんです。夢のためにとことん向かい合って進んでいくのはすごく楽しかったし、現地の文化に触れることも大好きだったので、それ自体は全く苦じゃありませんでした。

でも、なんていったらいいのかな……自分が表現したいことだったり、目標に向けてやっていく細かい過程だったり、そういった些細な部分でかなりいろんな葛藤がありました。私は夢に向かうために、涙を流すことは全然なくて、むしろそういう状況だと逆に「よっしゃ、やってやるぞ」とエネルギーに変えるタイプなんですけど、そのときは一旦この瞬間から脱出したいと本気で思うくらいキツい思いをして、結構本気で泣いてましたね。

―でも決して逃げ出すことはなく、結果的により強いRIRIになっていまの立ち位置に戻って来ている。まだ若いのに、すごい精神力だと思います。

RIRI:自分の目の前で起きてることって、必要だから起きていることだし、ここで乗り越えないと、また同じことが繰り返されるような気がして。だから、さらに強い精神を持つことができましたね。

―RIRIさんがそこまで強くいられる原動力ってなんだと思いますか?

RIRI:多分、大きな夢だと思います。私にはやっぱり、そこしかない。夢を持つことって、ものすごいパワーになるんですよね。学生のときも、周りの友達から「RIRIは夢や才能があるからいいよね」っていわれることがあって、それも嬉しいんですけど、その反面、「私には無理」って思って夢を諦めてしまった子たちもたくさん見てきました。

私は人それぞれ、みんな絶対に輝くために生まれてきたと思っているんです。自分がワクワクすることに対して夢を持つことって大切だと思うし、夢を叶えられたかどうかという結果よりも、そこに向かう過程が大事だと思っています。

―現在のRIRIさんの具体的な夢は?

RIRI:とにかく昔から抱いている夢なんですけど、ゆくゆくは日本人アーティストとして世界で活躍していきたいと思っています。大きな目標だと、『グラミー賞』を獲ったり『コーチェラ・フェスティバル』に出たり。そういった自分の目標を達成して、音楽を通じて「夢を追える大切さ」を伝えていけるアーティストになれたら嬉しいなと思います。

―ちょっと意地悪な質問ですが、その目標達成に当たって、いまのRIRIさんに足りないものってどんなものがあると思いますか?

RIRI:物理的なことでいうと、もっと英語力をつけたいなって思います。音楽ビジネスのことや、レコーディングのシーンで使う英語も「あ、これなんていうんだろう」って思うことがいっぱいあったし。

あと、国内外問わず色んな方とコラボレーションやセッションをさせて頂く中で、自分が表現したいものに対して「自信を持ってやること」ってすごく大切だなと思っていて。一番最初にLAでセッションしたときは不安もあったんですけど、最近は結構慣れてきて。毎回、仮歌録りをするときに「よし、やってやる!」って自信を持って表現すると、海外の方も喜んでくれるんですよね。

―では最後に、今後さらにパフォーマーとしてチャレンジしていきたいことを教えてください。

RIRI:とにかくライブに関していうと、ビヨンセの世界観が大好きなので、自分の世界観も踏まえつつ、いつかはビヨンセのようなショー的な感じのライブをすごくやりたいですね。

イベント情報
『Park Live』

2019年3月22日(金)
会場:Ginza Sony Park 地下4階
ライブハウスともクラブとも一味違う、音楽と触れ合う新たな場となる"Park Live"。音楽との偶発的な出会いを演出します。
開催日:毎週 金曜日20:00 - 、不定期

リリース情報
RIRI
『Summertime EP』(CD)

2019年5月22日(水) 発売
価格:1,700円(税込)
AICL-3629
1. Summertime / RIRI, KEIJU, 小袋成彬
2. Better Days
3. luv luv feat. Junoflo
4. HONEY (BUNNY Remix)
5. Dilemma (Produced by DJ CHARI & DJ TATSUKI) / JP THE WAVY & RIRI

プロフィール
RIRI (りり)

1999年11月5日生まれの現在、最も注目されるR&B / Popシンガー 。2011年、ホイットニー・ヒューストンやセリーヌ・ディオンなどを手がけた名プロデューサー、デビッド・フォスターが主催した世界的次世代スターを発掘するオーディションに出場し、僅か11歳でファイナリストのひとりに選ばれる。2016年11月2日にリリースした初EP『I love to sing』はApple Music 「R&B / ソウルランキング」で1位を記録。2018年ソニーミュージック アソシエイテッドレコーズより、1st アルバム『RIRI』と2nd『NEO』をリリース。2019年5月22日には、最新EP『Summertime EP』をリリースした。



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