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Corneliusが突然変異したとき 音楽家として迎えた転換点を語る

Corneliusが突然変異したとき 音楽家として迎えた転換点を語る

Cornelius『Mellow Waves Visuals』『The First Question Award』『Point』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:関信行 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

『POINT』も実験音楽を作ったつもりは全くなくて、自分のなかではポップスだと捉えてる。

Cornelius

―『FANTASMA』までの情報量の多い作風から、『POINT』でミニマルな作風を確立されましたが、その過程で音楽的にはどんな模索があったのでしょうか?

小山田:それは空間の使い方ですよね。『FANTASMA』はひとつのレイヤー上にいろんなサンプルが重なってたり、音数が異常に多くて、空間があんまりない作りだったけど、『POINT』からは空間を意識しはじめて、「間」で作る、みたいな感覚がありました。

―レイヤーを重ねるというより、点を配置するような。

小山田:パソコン上で、オーディオとかMIDIとかピアノロールとかがいっぺんに視覚化されたことで、どこに音が入ってて、どこに入ってないか、目で認識できるようになったので、それを自分でコントロールできるようになったのは大きいですね。

ステレオ的な空間と、音の帯域と、時間軸があって、そこにどういうテクスチャーの音を、どういうタイミングで配置していくか。すべての音楽が意識的にも無意識的にもそうやって作られてると思うけど、それをより意識するようになったかもしれない。

Cornelius

―その感覚は、2010年代後半の音楽においても改めて重要になっている気がします。ミックスまで含めて作曲の一部というか。

小山田:「サウンドデザイン」みたいな言葉って最近はよく言われるようになったけど、昔はあんまり言われなくて、大きく「編曲」に括られていた気がする。それはやっぱりレコーディング技術の進化が大きくて、みんなが音を立体的に考えるようになったし、そうやってできた音楽に対して、聴く人も昔より意識的になったんだと思う。

―ストリーミングでいろんなタイプの音楽が並列に聴かれるなかで、打ち込みの音楽に対してバンドの音楽はどうしてもレンジの狭い、平面的な作りになりがちで、そこをもう一度見直そうという動きが起きているのも、非常に現代的だなと。

小山田:そういうのもきっとあるだろうね。ただ、「立体的であればいいのか?」っていうとそうとも限らない。普通にマイクを立てて録っただけのほうが心地いいってこともあるじゃない? 昔の音楽を今のミックスで聴くのは違和感があって、「やっぱりThe Beatlesはモノラル盤がいい」って人もいると思うし、そこは好みも大きいと思うけどね。

Cornelius

―Corneliusの曲の空間的な音の配置は、どのように培われたものなのでしょうか?

小山田:『FANTASMA』と『POINT』の間で結構な数のリミックスをやったのはすごく大きかったですね。BLURの“Tender”は普通アコースティックギター1本で弾くようなフレーズをバラで録って、ステレオでパンして鳴らすっていうのを最初にやった曲で、その手法は『POINT』でもすごく使われてる。トライアングルを最初に使ったのも“Tender”かな。あとは、マニー・マークの“Maybe I'm Dead”も空間を使ったダブっぽいリミックスで、あれも『POINT』に近い感じがあると思う。

Blur“Tender (Cornelius remix)”を聴く(Apple Musicはこちら

―逆に、「ポップスを作ろう」という意識は特になかったですか?

小山田:あんまり考えてなかったですね。『FANTASMA』の前までは日本でしか出てなかったから、ドメスティックなマーケットを何となくは意識してたと思うけど、『FANTASMA』で世界中の人が聴いてくれてるってわかったから、もうそんなことは意識しなくてもいいんだなって思った気がする。

ただ、もともとポップスは大好きだし、アカデミックな教育も全く受けてないから、『POINT』も実験音楽を作ったつもりは全くなくて、自分のなかではポップスだと捉えてる。違いがあるとすれば、ドメスティックなマーケットのことは全く考えてないっていうだけ。それは今も変わってなくて、どんな人が聴くかは想定してないというか、「いろんな人が聴いてくれたらいいな」としか考えなくなりましたね。

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リリース情報

Cornelius『Mellow Waves Visuals』
Cornelius
『Mellow Waves Visuals』(Blu-ray)

2019年7月31日(水)発売
価格:7,020円(税込)
WPXL-90203

「Music Videos」
1. あなたがいるなら
2. いつか / どこか
3. 未来の人へ
4. Surfing on Mind Wave pt 2
5. 夢の中で
6. Helix / Spiral
7. Mellow Yellow Feel
8. The Spell of a Vanishing Loveliness
9. The Rain Song
10. Crepuscule
11. Audio Architecture -Cocktail Party in the AUDIO ARCHITECTURE-
12. Audio Architecture -線維状にある in fibrils-
13. Audio Architecture -airflow-
14. “Mellow Waves”Teasers #1~3

「Mellow Waves Tour 2018 @Tokyo International Forum」
1. いつか / どこか
2. Point of View Point
3. Audio Architecture
4. Helix / Spiral
5. Drop
6. The Spell of a Vanishing Loveliness
7. Mellow Yellow Feel
8. Sonorama 1
9. 未来の人へ
10. Count 5 or 6
11. I Hate Hate
12. Surfing on Mind Wave pt2
13. 夢の中で
14. Beep It
15. Fit Song
16. Gum
17. Star Fruits Surf Rider
18. あなたがいるなら

「Mellow Waves Tour Documentary」

Cornelius『The First Question Award』
Cornelius
『The First Question Award』(CD)

2019年7月31日(水)発売
価格:2,592円(税込)
WPCL-13066

1. THE SUN IS MY ENEMY
2. (YOU CAN'T ALWAYS GET) WHAT YOU WANT
3. SILENT SNOW STREAM
4. PERFECT RAINBOW
5. BAD MOON RISING
6. CANNABIS
7. RAISE YOUR HAND TOGETHER
8. THE BACK DOOR TO HEAVEN
9. THEME FROM FIRST QUESTION AWARD
10. THE LOVE PARADE
11. MOON LIGHT STORY
[Bonus Tracks]
12. PELE
13. DIAMOND BOSSA
14. THEME FROM FIRST QUESTION AWARD -English version-

Cornelius『Point』
Cornelius
『Point』(CD+DVD)

2019年7月31日(水)発売
価格:3,996円(税込)
WPZL-31631/2

[CD]
1. Bug (Electric Last Minute)
2. Point Of View Point
3. Smoke
4. Drop
5. Another View Point
6. Tone Twilight Zone
7. Bird Watching At Inner Forest
8. I Hate Hate
9. Brazil
10. Fly
11. Nowhere
[Bonus Tracks]
12. Point of View Point (Yann Tomita Mix) (2002)
13. Drop The Tusen Takk Rework (Kings of Convenience Mix) (2002)
14. Drop Herbert's Kangaroo Dub (Matthew 'Cactus' Herbert Mix) (2002)

[DVD]
1. Point Of View Point
2. Smoke
3. Drop
4. Drop - Do It Again
5. Another View Point
6. Bird Watching At Inner Forest
7. I Hate Hate
8. Tone Twilight Zone
9. From Nakameguro to Everywhere
10. Smoke - Do It Again

イベント情報

『Cornelius Performs Point』

2019年8月6日(火)
会場:東京都 恵比寿LIQUIDROOM
出演:
Cornelius
砂原良徳(DJ)

2019年8月12日(月・振休)
会場:大阪府 梅田 サンケイブリーゼ

2019年8月21日(水)
会場:東京都 渋谷 Bunkamura オーチャードホール

料金:各公演7,800円

プロフィール

Cornelius(こーねりあす)
Cornelius(こーねりあす)

1969年東京都生まれ。1989年、フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。バンド解散後、1993年、Cornelius(コーネリアス)として活動開始。現在まで6枚のオリジナルアルバムをリリース。自身の活動以外にも、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやREMIX。プロデュースなど幅広く活動中。

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