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Corneliusが突然変異したとき 音楽家として迎えた転換点を語る

Corneliusが突然変異したとき 音楽家として迎えた転換点を語る

Cornelius『Mellow Waves Visuals』『The First Question Award』『Point』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:関信行 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

(映像演出は)照明の代わりにもなるし、視覚的なコミュニケーションができるのも大きい。

Cornelius

―“あなたがいるなら”のミュージックビデオも、Corneliusが配置の音楽であることを明確に示していましたよね。

小山田:あの映像を作ってくれた辻川(幸一郎)くんは、ちょうど『POINT』の頃から一緒にやってるんですよね。辻川くんがよく言うのは、「音楽をそのまま形にしてる」みたいなことで。“あなたがいるなら”も、空間があって、そこにいろんなものが現れては消えていくけど、一つひとつの音を全部拾って、その音が出るタイミングで現れて、残響が消える瞬間に消える。

小山田:僕の音楽自体もそういう作り方で、空間があって、キックをセンターに配置して、ハイハットはこの辺でっていうふうに、どんどん決めていく。だから、音と映像に誤差がないというか、僕のイメージともすごく近いし、聴いた人のイメージとも近い映像になってると思いますね。

―音楽と映像の関係性においても、『POINT』からより密になった印象があります。

小山田:ライブでのシンクロは『FANTASMA』の頃からやってたんだけど、当時はまだVHSで、自分でカットアップして、編集して作ってたんです。でも、『POINT』からは辻川くんとやるようになって、素材から全部自分たちで用意して、ちゃんと撮影して作るようになったので、そこは大きく違いますね。

―そもそもは、なぜライブで映像を使うようになったのでしょうか?

小山田:いろんな効果があるんですけど、照明の代わりにもなるし、『FANTASMA』から海外でライブをはじめたのもあって、視覚的なコミュニケーションができたっていうのも大きいですね。

小山田:VHSは音声トラックがステレオで2つあって、Lチャンネルにクリックを入れて、ドラムのあらき(ゆうこ)さんがそれを聴きながら叩く。もうひとつにはうわもののシーケンスのオケみたいなのが入ってて、同期する要領でそれと一緒に演奏してたんです。『FANTASMA』の曲を4人だけで演奏するには、そうする必要があったし。

なので、当時はステージ上でVHSをガチャってビデオデッキに入れて、スイッチを押してショーがはじまるみたいな感じで。それが気に入って、今につながる最初から最後までパッケージングされたスタイルのライブが確立された感じですね。

―『POINT』から映像との同期がさらに緻密になって、音楽自体の質も変わったので、ライブにおいても、フィジカル寄りというより、「再現する」という方向にシフトしたように思うのですが、実際意識の変化はありましたか?

小山田:「どこでどの音を鳴らす」っていうのがはっきり決まってて、そうじゃないと成立しない曲なので、演奏するのはシビアで、そこでバンド自体変わりましたね。ただ、ライブに関しては完全に生演奏で、クリックが鳴ってるか鳴ってないかの違いだけだから、フィジカルといえばフィジカル。正確な演奏を求められる楽曲なので、気分では演奏できないけど、でもそのほうが楽なんですよ(笑)。

―演奏する際にはシビアでも、「どこでどの音を鳴らす」ことが決まっているほうが楽というのは?

小山田:ライブの本編は全部1本になっていて、曲間も全部決まってるから、ちゃんと準備さえすれば、どこでも同じ形でショーができるんです。海外でライブをするようになると、いろんな環境でやらなきゃいけないから、なるべくコンパクトに安定したショーをやるために、今のスタイルを確立したというのも大きいですね。

Cornelius

小山田:『POINT』より前のライブは普通にMCもしてて、どうでもいい話とかしてたけど(笑)、海外だとそんなに話せないし、世界観を作り込んでもそのせいで現実に戻っちゃうから、MCはなくす方向になっていきました。

―最初にも話題に出たように、8月には『Cornelius Performs Point』が開催されて、映像との同期も楽しみなんですけど、『POINT』の曲は配置の音楽ではあるものの、基本的な構成要素がギター、ベース、ドラム、歌で、プラス環境音という感じだから、今聴くと、ちゃんとバンドっぽいんですよね。

小山田:そうですね。ちゃんとロックバンドの編成で、ロックやってるなって思う。でも、今考えると、当時はまだ『POINT』の曲をちゃんと演奏できてなかったんですよ……いや、当時から思ってはいたんですけど(笑)。でも、今ならだいぶできるんじゃないかな。

一つひとつの音の重要性を楽しんでもらえたら。

―最後にもうひとつだけお伺いしたいのですが、『POINT』の最後の曲“Nowhere”のラストでは最後にピアノが鳴らされて、その持続音がずっと続くじゃないですか? 美島豊明さん(録音・プログラミングを担当)がインタビューで「鳴り終わるまで動くな」って言って録ったとおっしゃっているのを読んだことがあるのですが、あのパートはどんな意図で作られたものなのでしょうか?

Cornelius“Nowhere”を聴く(Apple Musicはこちら

小山田:あそこだけ生で録ったんですよ。ミックスしてたスタジオにたまたまピアノが置いてあったから、「最後に生ピアノを録ろう」って、一音だけ弾いて、音が完全に消えるまで録音して。あれ、ピアノの音量が下がっていくのと同時に、録音レベルを上げてるんです。音が減衰しきるところまで、聴覚上でも聴ける状態にしたかったので、小さな物音を拾っちゃわないように、「動くな」って言って録ったんですよ。だから、あれって周りの環境音は異常に上がってるんですけど、そういう聴覚作用みたいなのが面白いなって。

―ああ、たしかに。

小山田:音の切れ際って聴くことないじゃないですか? でも、そこを聴かせたかったんですよね。“Nowhere”のラストでは、本当に音が聴こえなくなる瞬間がわかる。

―音数を絞って、本当に必要な音だけを配置して作られた作品のラストであることを考えれば、「一つひとつの音をよく聴いて楽しんでほしい」というメッセージにも受け取れます。

小山田:うん、そんな感じもきっとあったと思いますね。一つひとつの音の重要性、テクスチャーみたいなことを、楽しんでもらえたらなって思います。

Cornelius
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リリース情報

Cornelius『Mellow Waves Visuals』
Cornelius
『Mellow Waves Visuals』(Blu-ray)

2019年7月31日(水)発売
価格:7,020円(税込)
WPXL-90203

「Music Videos」
1. あなたがいるなら
2. いつか / どこか
3. 未来の人へ
4. Surfing on Mind Wave pt 2
5. 夢の中で
6. Helix / Spiral
7. Mellow Yellow Feel
8. The Spell of a Vanishing Loveliness
9. The Rain Song
10. Crepuscule
11. Audio Architecture -Cocktail Party in the AUDIO ARCHITECTURE-
12. Audio Architecture -線維状にある in fibrils-
13. Audio Architecture -airflow-
14. “Mellow Waves”Teasers #1~3

「Mellow Waves Tour 2018 @Tokyo International Forum」
1. いつか / どこか
2. Point of View Point
3. Audio Architecture
4. Helix / Spiral
5. Drop
6. The Spell of a Vanishing Loveliness
7. Mellow Yellow Feel
8. Sonorama 1
9. 未来の人へ
10. Count 5 or 6
11. I Hate Hate
12. Surfing on Mind Wave pt2
13. 夢の中で
14. Beep It
15. Fit Song
16. Gum
17. Star Fruits Surf Rider
18. あなたがいるなら

「Mellow Waves Tour Documentary」

Cornelius『The First Question Award』
Cornelius
『The First Question Award』(CD)

2019年7月31日(水)発売
価格:2,592円(税込)
WPCL-13066

1. THE SUN IS MY ENEMY
2. (YOU CAN'T ALWAYS GET) WHAT YOU WANT
3. SILENT SNOW STREAM
4. PERFECT RAINBOW
5. BAD MOON RISING
6. CANNABIS
7. RAISE YOUR HAND TOGETHER
8. THE BACK DOOR TO HEAVEN
9. THEME FROM FIRST QUESTION AWARD
10. THE LOVE PARADE
11. MOON LIGHT STORY
[Bonus Tracks]
12. PELE
13. DIAMOND BOSSA
14. THEME FROM FIRST QUESTION AWARD -English version-

Cornelius『Point』
Cornelius
『Point』(CD+DVD)

2019年7月31日(水)発売
価格:3,996円(税込)
WPZL-31631/2

[CD]
1. Bug (Electric Last Minute)
2. Point Of View Point
3. Smoke
4. Drop
5. Another View Point
6. Tone Twilight Zone
7. Bird Watching At Inner Forest
8. I Hate Hate
9. Brazil
10. Fly
11. Nowhere
[Bonus Tracks]
12. Point of View Point (Yann Tomita Mix) (2002)
13. Drop The Tusen Takk Rework (Kings of Convenience Mix) (2002)
14. Drop Herbert's Kangaroo Dub (Matthew 'Cactus' Herbert Mix) (2002)

[DVD]
1. Point Of View Point
2. Smoke
3. Drop
4. Drop - Do It Again
5. Another View Point
6. Bird Watching At Inner Forest
7. I Hate Hate
8. Tone Twilight Zone
9. From Nakameguro to Everywhere
10. Smoke - Do It Again

イベント情報

『Cornelius Performs Point』

2019年8月6日(火)
会場:東京都 恵比寿LIQUIDROOM
出演:
Cornelius
砂原良徳(DJ)

2019年8月12日(月・振休)
会場:大阪府 梅田 サンケイブリーゼ

2019年8月21日(水)
会場:東京都 渋谷 Bunkamura オーチャードホール

料金:各公演7,800円

プロフィール

Cornelius(こーねりあす)
Cornelius(こーねりあす)

1969年東京都生まれ。1989年、フリッパーズギターのメンバーとしてデビュー。バンド解散後、1993年、Cornelius(コーネリアス)として活動開始。現在まで6枚のオリジナルアルバムをリリース。自身の活動以外にも、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやREMIX。プロデュースなど幅広く活動中。

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