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多面的に活動するマーライオン 目指すはカルチャーが溶け合う場所

多面的に活動するマーライオン 目指すはカルチャーが溶け合う場所

NIYANIYA RECORDS
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:ともまつりか 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

今年、活動10周年を迎えるシンガーソングライターのマーライオン。「10周年」といっても彼はまだ26歳という若さで、しかし、16歳のころから世界と擦れ合いながら音楽を続けてきた事実が、年齢だけでは推し量れない、彼の音楽家としてのキャパシティの大きさとバイタリティの高さにつながっている。

去年リリースされたミニアルバム『ばらアイス』は、アナログ盤が曽我部恵一主宰のROSE RECORDSよりリリースされたことも納得の、全編弾き語りによる繊細で美しい名作だった。そして今年の夏は、マーライオンの主宰レーベル「NIYANIYA RECORDS」より、自身がプロデュースを担当する、シンガポール / 日本を拠点とするユニット「Chiriziris(チリヂリズ)」の1stアルバム『Chiriziris』のリリース、さらに、そのChirizirisも出演するイベント『シンガポール祭りVol.2』の開催も控えている。

正直なところ、これまでマーライオンは、その自主的な活動スタンスや、音楽だけでなく様々な分野のクリエイターとつながっていくフットワークの軽さ、イベント主催やレーベル主宰もこなす多面ぶり、そしてなにより、センシティブさとユーモアが混ざり合った佇まいと世界観によって、少し実態が見えづらいアーティストでもあった。しかし活動10周年を迎えた今、機は熟した。彼自身も「やっと、やりたいことをやれるようになってきた」と言っている。ならば、今こそ問いたい。「マーライオン、君は一体何者だ?」と。

いろいろ言ってくる大人たちの言葉に、流されざるをえない瞬間もあったんです。

―今日の取材で、「マーライオンとは何者だ?」というのを紐解きたいなと思っています。

マーライオン:はい、よろしくお願いします(笑)。

―僕がマーさんの存在を知ったのは、2012年にリリースされたアルバム『日常』のころだったんですけど、リスナーの感覚として、当時は柴田聡子さんやスカートの澤部渡さんのような人たちの名前もよく聞くようになっていた時期で。独立した個性を持つソロミュージシャンたちが一斉に現れた印象があったんですよね。

マーライオン:そもそもの話をすると、僕がマーライオンとしての音楽活動を始めたのが16歳のころだったんですけど、最初は、まだ売れる前の神聖かまってちゃんとか、ひらくドア、井乃頭蓄音団、THEラブ人間のようなバンドの人たちに出会って、ライブのやり方とかを教えてもらっていたんです。

初期のころは、「下北沢カラードジャム」っていうライブバーで弾き語りのイベントをやっていて。そこにライブを始めたころの柴田さんや、2ndアルバムが出る直前のスカートの澤部さんに出てもらったりしていたんですよね。で、その下北沢カラードジャムが閉店するのと同じ時期に、「南池袋ミュージック・オルグ」(ライブハウス。スカート、柴田聡子、ミツメ、大森靖子、NRQ、ザ・なつやすみバンドなどが自主企画やイベント出演していた。2014年12月末惜しまれつつ閉店)に出入りするようになるんです。

マーライオン<br>1993年ひなまつり生まれ横浜育ちのシンガーソングライター。「NIYANIYA RECORDS」主宰。これまでに曽我部恵一、澤部渡(スカート)と共同企画イベントを開催。近年は劇団コンプソンズに劇中歌を作曲&俳優として参加、子供ワークショップや文筆業、マセキ芸能社のお笑い芸人に弾き語りを教えるイベントなど多岐に渡って活動中。
マーライオン
1993年ひなまつり生まれ横浜育ちのシンガーソングライター。「NIYANIYA RECORDS」主宰。これまでに曽我部恵一、澤部渡(スカート)と共同企画イベントを開催。近年は劇団コンプソンズに劇中歌を作曲&俳優として参加、子供ワークショップや文筆業、マセキ芸能社のお笑い芸人に弾き語りを教えるイベントなど多岐に渡って活動中。

―ミュージック・オルグは、当時の東京のインディーズシーンにおいて、よく名前を聞く場所でした。

マーライオン:オルグは、DIYな感じがよかったんだと思います。誠実さを持って音楽活動をし続けることって、大変なことじゃないですか。それをやるには、自分ができる範囲を自分で作って、それを保ちながら続けていくのが大事だと思うんです。

そんな意識を持ちながら、普通のライブハウスに出ているバンドとは違う形で、なんとか音楽をやっていきたいと思って試行錯誤している人たちがいて。そういう人たちが勝手に集まっていたのがオルグだったのかなって思います。ただ、僕の場合はもっと単純に、自分が馴染める場所が他にはなかったっていうのが大きかったと思うんですけどね。

―他に居心地のいい場所がなかった?

マーライオン:そのころはまだ若かったので、いろいろ言ってくる大人の人たちもいて、そういう人たちの言葉に流されざるをえない瞬間もあったんです。それでずっと、自分が自分らしくいられる場所を探し求めていたんですよね。やっと周りの大人たちの意見に対して「ノー」と言えるようになったのが、オルグに出ていた時期かなと思います。それがちょうど、『日常』を出したころですね。

マーライオン『日常』ジャケット
マーライオン『日常』ジャケット(Amazonで見る
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リリース情報

Chiriziris『Chiriziris』
Chiriziris
『Chiriziris』(CD)

2017年7月17日(水)発売
価格:2,500円(税込)
NYNY-004

1. Never the Same
2. Night Class
3. Horns and Wings
4. Lighthouse on the Shore
5. I Keep Asking
6. Rosenritter
7. Kurokawa no Jikan

イベント情報

NIYANIYA RECORDS主催『シンガポール祭りvol.2』
NIYANIYA RECORDS主催
『シンガポール祭りvol.2』

日時:7月21日(日)
会場:東京都 渋谷 7th FLOOR
料金:前売3,000円
当日3,500円
学生(大学生/専門学校生まで)は、学生証提示で1,000円
出演:
マーライオンと7人のジョニーマーたち
kauai hirótomo
Chiriziris(Singapore&Tokyo)

出店:
ともまつりか
ぺ子(似顔絵屋さんあり)
oyasmur

BGM:
アジアのポップスを聴き倒す会

プロフィール

マーライオン
マーライオン

1993年ひなまつり生まれ横浜育ちのシンガーソングライター。NIYANIYA RECORDS主宰。これまでに曽我部恵一、澤部渡(スカート)と共同企画イベントを開催。近年は劇団コンプソンズに劇中歌を作曲&俳優として参加、子どもワークショップや文筆業、マセキ芸能社のお笑い芸人に弾き語りを教えるイベントを開催するなど多岐に渡って活動中。2017年からはマーライオンバンドとして、イベント毎に編成を変えて活動中。2018年にはシンガポールからミュージシャンを招聘し、国内外のシンガポールにまつわるバンドを集め「シンガポール祭り」というイベントを長野東京の2都市で開催。100名以上来場した。2019年には、曽我部恵一氏と6年ぶりに共同企画を開催。山田稔明(GOMES THE HITMAN)さんをゲストに招きイベントを開催。3月には弾き語りワンマンライブ(SOLD OUT)5月からPodcast番組「マーライオンのにやにやRadio」放送開始、6月、地元横浜の洋館でSSW東郷清丸氏をゲストに2マンライブを開催。7月からタワーレコードが運営する音楽情報サイトMikikiにてブログ連載を開始。最新作はROSE RECORDSから発売した「ばらアイス」12インチ45回転。

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