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Hump Backが「生活」を歌う理由。人の優しさを信じるために

Hump Backが「生活」を歌う理由。人の優しさを信じるために

Hump Back『人間なのさ』
インタビュー・テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:小杉歩
2019/08/31

今のメンバーふたりと一緒に何かをやることへのこだわりは強烈にあります。それがバンドを選び続ける理由。

―人を許せることが増えたことは、具体的に言うと、ライブや音楽にどういう変化をもたらしたと思いますか。

:これは特にライブの変化ですけど、人に委ねられることが多くなってきたというか。たとえば今までは、「私の荷物を受け取ってください!」って言ってなんでもかんでも渡そうとしてたんです。だけど今は、これでしょ、と思うものを「ここに置いておくから好きにとってね」っていうふうにやれるようになったと思いますね。音楽は変わらず、メロディを大事にして、自分の周りにある生活と人を曲にして――その中で自分の大事なものや幸せを実感するように歌うだけやと思ってますね。

―ただ、音楽もちゃんと変化していると思ったんですね。『拝啓、少年よ』から『涙のゆくえ』に至るまでの流れ、そしてこのアルバムを聴いていると、「林さんの歌をバンドでどう鳴らすのか」という向きよりも、この3人で鳴らせる音を堂々と鳴らすという潔さがどんどん強まっていると感じて。回りくどいところが一切ない音楽になってきていると感じたんですが。

:まさに、今回のアルバムはそれを意識しましたね。自分のメロディが一番前に出るように、必要以上に飾りをつけないことを意識して。潔いと言ってくれたのは、そういう部分かもしれないですね。とにかくシンプルにやるっていう。やっぱりメジャーでのファーストアルバムっていうこともあって、自分たちの芯や核をちゃんと伝えられるものにしたかったんですよ。

林萌々子(Hump Back)

―今の話でいうと、やはりメロディと歌が芯だということ?

:そうですね。やっぱり私自身がメロディと歌を大事にしてきたし、ベース、ドラム、コーラスをつけるにしても、ぴか(Ba)と美咲(Dr)が私の歌を活かすことを一番に考えてくれるんです。20016年からこの3人で着実にやってきたからこそ、歌に対してのことだけじゃなくて、3人で「やっぱりHump Backはここが大事やんな」って考えて、意思疎通が自然とできるようになってきたのが大きいと思うんですよね。

―自分の歌への自信以上に、バンドへの信頼を音楽にできるようになってきたという。それは、純粋に経てきた年月が大きいんですか。

:そうやと思います。一緒に過ごした時間もそうやし、一緒に踏んできたステージもそう。さっき言った「人に委ねられる部分が増えてきた」っていうのは、メンバーに対してもスタッフの人に対してもそうなんですよ。3人の中から生まれたものを育てて、それに対する意見があることで自分のレンジも広がっていくのが嬉しくて。バンドをいろんな角度から見られるようになったのが楽しいんですよ。そうなってくると、周りの人への感謝も生まれるし、大事な人が増えていくんですよね。

Hump Back アーティスト写真<br>左から:ぴか(Ba, Cho)、林萌々子(Vo, Gt)、美咲(Dr, Cho)
Hump Back アーティスト写真
左から:ぴか(Ba, Cho)、林萌々子(Vo, Gt)、美咲(Dr, Cho)

―そういう感覚が、より一層自分の身近な人や情景をシンプルかつ優しい目線で切り取る歌に繋がっているんですか。

:きっと、そういうことなんやと思いますね。

―2016年に今の3人で固まるまではメンバーの脱退が多かったし、林さんひとりの時期も長かったですよね。だけどひとりでも「Hump Back」というバンドの看板を掲げ続けたじゃないですか。それも、バンドという絆や、信頼できる人との繋がりが自分にとって一番大事だったということなんですか。

:バンドを選び続けた理由かあ……今言われたこともあるのかもしれないですね。ただ、周りの人からすると、「ひとりでもHump Backを背負い続けるのは相当パワーがいったでしょ」って思うみたいなんですけど、私からしたら「本当に好きでやってただけやし」って思うんですよ(笑)。もしかしたら、ひとりでやってる時は辛かったのかもしれないですけど……でも、それも覚えてないくらい(笑)。

―ははははは。それも鈍感力なんですか。

:ほんまに、なんなんでしょうね?(笑)でも結局、その時のしんどさを覚えてないっていうのも、今ちゃんと更新できているからやと思うんですよね。「あの頃の大変さも必要やった」って思えるくらい、今の自分たちを肯定できるようになってきたんやろうなって。

―まさに“拝啓、少年よ”で歌われていることですね。

:その歌にも<遠回りくらいが丁度良い>っていう歌詞がありますけど、あの歌詞も、実は高校生くらいの時に書いていたのを今改めて歌ったもので。それに対して、今の自分たちが説得力を持たせてる感覚なんですよ。それに、バンドをなぜそこまでカッコいいと思うかって考えても、「犬はなんで可愛いのか」っていうのと一緒なんですよね(笑)。

―(笑)。ただ、敢えてこういう聞き方をしますけど、林さんの曲やメロディを聴いていると、弾き語りだけでも成立するフォークソングであり美しいメロディだと思うんです。その上でバンドでなければいけないのは、ご自身が人と何かを一緒にやることに対してどういうものを投影しているからなんだと思います?

:……そう言われてみると、バンドっていうもの以上に、今のメンバー2人と一緒に何かをやることへのこだわりは強烈にありますね。言われた通り、本当に信頼できる人と何かをやることの喜び。そういう気持ちが、バンドを選び続けて、バンドが一番好きやっていうことに繋がるんやと思います。昔はそこまで言語化できなかったですけど、現状としては、ようやく本当に信頼できる人と出会えたので。そこで初めて、自分はそういう人の繋がりを欲してたんやろなって思えます。

林萌々子(Hump Back)
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リリース情報

Hump Back『人間なのさ』初回限定盤(CD+DVD)
Hump Back
『人間なのさ』初回限定盤(CD+DVD)

2019年7月17日(水)発売
価格:3,024円(税込)
VPCC-80701

1. LILLY
2. 拝啓、少年よ
3. サンデーモーニング
4. コジレタ
5. 生きて行く
6. オレンジ
7. Adm
8. クジラ
9. 恋をしよう
10. ナイトシアター
11. 僕らは今日も車の中

初回限定盤付属DVD内容:
「“髪はしばらく切らないツアー”2019.5.12 日比谷野外音楽堂公演」

Hump Back
『人間なのさ』通常盤(CD)

2019年7月17日(水)発売
価格:2,376円(税込)
VPCC-86281

1. LILLY
2. 拝啓、少年よ
3. サンデーモーニング
4. コジレタ
5. 生きて行く
6. オレンジ
7. Adm
8. クジラ
9. 恋をしよう
10. ナイトシアター
11. 僕らは今日も車の中

ライブ情報

『僕らの夢や足は止まらないツアー』

2019年9月2日(月)
会場:東京都 Zepp Tokyo

2019年9月4日(水)
会場:千葉県 千葉LOOK

2019年9月13日(金)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2019年9月16日(月・祝)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

2019年9月21日(土)
会場:山形県 酒田MUSIC FACTORY

2019年9月22日(日)
会場:秋田県 Club SWINDLE

2019年10月4日(金)
会場:新潟県 新潟LOTS

2019年10月5日(土)
会場:福井県 福井CHOP

2019年10月11日(金)
会場:高知県 X-pt.

2019年10月12日(土)
会場:愛媛県 WStudioRED

2019年10月14日(月・祝)
会場:岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM

2019年10月18日(金)
会場:北海道 小樽GOLDSTONE

2019年10月19日(土)
会場:北海道 CASINO DRIVE

2019年10月21日(月)
会場:北海道 BESSIE HALL

2019年10月22日(火・祝)
会場:北海道 札幌PENNY LANE24

2019年11月1日(金)
会場:山梨県 KAZOO HALL

2019年11月3日(日・祝)
会場:富山県 Soul Power

2019年11月4日(月・振休)
会場:石川県 vanvanV4

2019年11月21日(木)
会場:鹿児島県 SR HALL

2019年11月23日(土・祝)
会場:宮崎県 SR BOX

2019年11月24日(日)
会場:大分県 T.O.P.S Bitts HALL

2019年11月30日(土)
会場:岩手県 Club Change WAVE

2019年12月1日(日)
会場:青森県 LIVE HOUSE FOR ME

2019年12月6日(金)
会場:奈良県 生駒RHEBGATE

2019年12月8日(日)
会場:和歌山県 和歌山CLUB GATE

2019年12月12日(木)
会場:熊本県 Django

2019年12月14日(土)
会場:佐賀県 SAGA GEILS

2020年1月7日(火)
会場:京都府 KYOTO MUSE

2020年1月8日(水)
会場:兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎

2020年1月18日(土)
会場:茨城県 mito LIGHT HOUSE

2020年1月19日(日)
会場:栃木県 宇都宮HELLO DOLLY

2020年1月21日(火)
会場:神奈川県 F.A.D YOKOHAMA

2020年1月31日(金)
会場:福岡県 Zepp Fukuoka

2020年2月1日(土)
会場:長崎県 ホンダ楽器 アストロスペース

2020年2月10日(月)
会場:群馬県 高崎clubFLEEZ

2020年2月11日(火・祝)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1

2020年2月13日(木)
会場:静岡県 Shizuoka UMBER

2020年2月14日(金)
会場:滋賀県 滋賀U★STONE

2020年2月21日(金)
会場:香川県 高松オリーブホール

2020年2月22日(土)
会場:徳島県 club GRINDHOUSE

2020年2月24日(月・振休)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2020年2月29日(土)
会場:宮城県 Rensa

2020年3月1日(日)
会場:福島県 郡山HIP SHOT JAPAN

2020年3月13日(金)
会場:鳥取県 米子 AZTiC laughs

2020年3月14日(土)
会場:島根県 松江 AZTiC canova

2020年3月15日(日)
会場:山口県 周南RISING HALL

2020年3月19日(木)
会場:三重県 M'AXA

2020年3月21日(土)
会場:岐阜県 yanagase ants

2020年3月22日(日)
会場:長野県 ALECX

2020年3月25日(水)
会場:東京都 東京国際フォーラム ホールA

2020年4月17日(金)
会場:愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2020年4月19日(日)
会場:大阪府 大阪城野外音楽堂

2020年5月23日(土)
会場:沖縄県 桜坂セントラル

プロフィール

Hump Back
Hump Back(はんぷ ばっく)

大阪府出身。2009年、林萌々子(Vo, Gt)を中心に高校の軽音楽部で結成されたロックバンド。何度かのメンバーチェンジを経て、2016年より林萌々子、ぴか(Ba, Cho)、美咲(Dr, Cho)の3人で活動。2016年12月に初の全国流通盤『夜になったら』を発表。2017年にもミニアルバム『hanamuke』をリリースし、2018年にシングル『拝啓、少年よ』でメジャーデビュー。7月17日に満を持しての1stフルアルバム『人間なのさ』を発売した。

関連チケット情報

2019年9月29日(日)
PIA MUSIC COMPLEX 2019
会場:新木場・若洲公園(東京都)
2019年10月5日(土)〜1月11日(土)
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
会場:千葉LOOK(千葉県)
2019年10月8日(火)
Survive Said The Prophet
会場:BIGCAT(大阪府)
2019年10月14日(月)〜3月14日(土)
Hump Back
会場:CRAZYMAMA KINGDOM(岡山県)
2019年10月18日(金)〜10月22日(火)
Hump Back
会場:小樽 GOLDSTONE(北海道)
2019年10月25日(金)〜10月27日(日)
ボロフェスタ2019
会場:KBSホール(京都府)
2019年10月31日(木)〜12月26日(木)
2
会場:SHELTER(東京都)
2019年11月9日(土)〜11月15日(金)
四星球
会場:NEVERLAND(奈良県)
2019年11月9日(土)
愛はズボーンpresents 「アメ村天国2019」
会場:心斎橋アメリカ村周辺のライブスペース複数会場(大阪府)
2019年11月16日(土)
四星球
会場:松阪M’AXA(三重県)
2019年11月21日(木)〜2月1日(土)
Hump Back
会場:鹿児島SRホール(鹿児島県)
2020年2月24日(月)〜3月15日(日)
Hump Back
会場:広島クラブクアトロ(広島県)

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