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PEDROのアユニ・Dと田渕ひさ子が語る「音楽が開く心の扉」

PEDROのアユニ・Dと田渕ひさ子が語る「音楽が開く心の扉」

PEDRO『THUMB SUCKER』
インタビュー・テキスト
柴那典
編集:矢島大地(CINRA.NET編集部) 撮影:諏訪稔

19歳でNUMBER GIRLに入ったら、まずメンバーが喋ってるバンド名がわからない(笑)。その名前を覚えて帰って、CDを買いに行く、みたいな日々でした。(田渕)

―田渕さんはいろんなバンドをやってきたわけですが、どんなバンドもそういうものなんですか?

田渕:本当にそうですね。メンバー全員演奏技術の優れたミュージシャンの人が集まったバンドだったら、もちろん最初に合わせた時からみんな上手ではある。でも、たとえばご飯を食べに行った次の日とかは全然違うんですよ。喋って人となりがわかってくると、演奏もまとまってくる感じがしますね。

Spotifyでtoddle『Vacantly』を聴く

―アユニさんは、そのあたりはPEDROで初めて実感していることなんじゃないですか?

アユニ:そうですね。ライブ中の感覚としては全然違うものがあって。バンドだと自分たちで音を出してるので、一人じゃできないなっていう感覚が理解できました。そこに面白さもあるんだなって。

左から:アユニ・D、田渕ひさ子

―バンドをやったことで、BiSHの曲のサウンドの聴こえ方も変わってきた感じはあります?

アユニ:めちゃめちゃあります。楽器のことがわかってきたから、「ここのギターはこんなに繊細な音作りをして、だからこういう音が出てる」というのもわかるようになったし。あとは、今までは「ドラムの音を聴いてリズムを取れ」とか言われても全く分からなかったんですよ。だけどそういう基本的なことも、楽器を自分でやるようになったらわかるようになったし。自然と、音楽に身体が乗る感覚がありました。

―ということは、PEDROで得たものがBiSHの活動にもプラスになった。

アユニ:完全にプラスになってますね。音のとり方も全然前と変わったし。「この曲のここはめっちゃ格好いい」とか思うようになりました。音をちゃんと聴くというか。そういう意味でも音楽が純粋に楽しくなったんですよね。

左から:アユニ・D、田渕ひさ子

―話を聞いていると、本当にPEDROをやってよかったですねって感じがします。逆に、田渕さんが今のアユニさんと同じ年齢の頃は、どんな感覚で音楽をやっていたんでしょうか。

田渕:私は19歳のときにNUMBER GIRLに入ったんですよ。思い返すと……NUMBER GIRLでやっていたのはそれまで私が聴いてきた音楽と全然違ったので、必死でしたね。

まず、メンバーのメンズ達が喋ってるバンド名がチンプンカンプンでわからない。「こないだ買ったあのアルバムが格好よかったよ!」っていう話が一つもわからないわけです。「そのバンドはなんですか?」みたいな(笑)。だから、まずはその名前を覚えて帰って、CDを買いに行く、みたいな日々でした。

アユニ:そうなんですね。私と同じように、新しい音楽にどんどん出会っていった時代が田渕さんにもあったんですね。

田渕:もちろん。必死でしたよ(笑)。

今までの人生は、好きなものもなくて。でも、PEDROを始めて確実に変われたと思う。(アユニ)

―しかも田渕さんがNUMBER GIRLに入った頃は、今みたいにネットで調べられる時代、ストリーミングサービスで聴ける時代じゃないですからね。

田渕:そうなんですよ。YouTubeもないから。「教えて」とかも言えなかったんで、必死に記憶したり、バレないようにメモったりして。それを持ってCD屋さんにCDを買いに行ってました。だってね、私は中学、高校とすかんちのファンで、追っかけだったので(笑)。そこから1970年代のイギリスのロックを聴いてました。QUEEN、Led Zeppelin、T-REXから始まり、そういうものを沢山聴いていて。

田渕ひさ子

―すかんちのルーツにあるグラムロックも聴いてました?

田渕:はい。SWEETとかも聴いていました。だからNUMBER GIRLに入って、いきなり「The Wedding Presentがさあ」とか言われてもチンプンカンプンで。しかも買って聴いても、「これってロックなんですか?」っていう(笑)。それまで聴いていたロックがあまりに濃かったし、ギターのプレイも全然違うんで。

―バンドに入ってから聴いたのは?

田渕:みんなが喋ってる会話に出ていたのは、もちろんPixiesがあって、ほかにはSuperchunk、Dinosaur Jr.とかも。そういうのをいろいろ聴きました。あの頃に一気に音楽の世界が広がりましたね。

―世代と時代は違うけれど、10代後半でいきなり聴く音楽が広がったという体験は、アユニさんも田渕さんも共通している。

アユニ:確かにそうですね……!(笑)

田渕:お互い、確変が起きた(笑)。

アユニ・D

―ではアユニさんは音楽と出会って、自分自身どう変わった感覚がありました? それまで社交的な方ではないし、アクティブではなかったと言ってましたけれど。

アユニ:自分はもともと根が暗いんですけれど、確実にPEDROが始まってから自分の性格が変わりました。それこそ、ついこの間まで、こんなに喋れなかったし。一人の仕事が増えたりインタビューするようになったのもあるんですけれど。

私は、今までの人生の中で、趣味とか、好きなもの、尊敬できる人がなかったんです。なので、「つまらない人生だな」って思う毎日を過ごしていたんですけど。でも、好きなものや尊敬できるものができて、変わりました。

―好きなものができたことによって、自分の芯ができたというか。

アユニ:そうですね。辛い時にこれを聴いて元気を出す、これを見て元気を出す、みたいなものもなかったんです。探そうとしなかっただけかもしれないんですけれど、どちらにせよ自分にはなにも見つからなかった。でも、今はすごく辛いときとか、眠れないときとか、toddleの曲を聴いたりしています。

左から:アユニ・D、田渕ひさ子
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リリース情報

PEDRO『THUMB SUCKER』
PEDRO
『THUMB SUCKER』初回限定版BOX仕様(2CD+Blu-ray+photobook)

2019年8月28日(水)発売
価格:10,800円(税込)
UPCH-29339

DISC1
1. 猫背矯正中
2. Dickins
3. STUPID HERO
4. NIGHT NIGHT
5. SKYFISH GIRL
6. EDGE OF NINETEEN
7. ボケナス青春
8. おちこぼれブルース
9. NOSTALGIC NOSTRADAMUS
10. ironic baby
11. 玄関物語
12. アナタワールド
13. ラブというソング

DISC2『super zoozoosea』
1. ゴミ屑ロンリネス
2. GALILEO
3. 自律神経出張中
4. 甘くないトーキョー
5. MAD DANCE
6. ハッピーに生きてくれ
7. うた
※『zoozoosea』を現在の編成で再録

Blu-ray
2018.09.25 新代田FEVER
「PEDRO first live “happy jamjam psyco”」

「Document of THUMB SUCKER」
2019年春のアルバム制作開始から、7月17日に行われたツアー初日までの舞台裏に完全密着。膨大な映像を1時間に収めた作品。

PEDRO『THUMB SUCKER』
PEDRO
『THUMB SUCKER』映像付通常盤(CD+DVD)

2019年8月28日(水)発売
価格:6,458円(税込)
UPCH-20526

1. 猫背矯正中
2. Dickins
3. STUPID HERO
4. NIGHT NIGHT
5. SKYFISH GIRL
6. EDGE OF NINETEEN
7. ボケナス青春
8. おちこぼれブルース
9. NOSTALGIC NOSTRADAMUS
10. ironic baby
11. 玄関物語
12. アナタワールド
13. ラブというソング

DVD
2018.09.25 新代田FEVER
「PEDRO first live “happy jamjam psyco”」

PEDRO『THUMB SUCKER』
PEDRO
『THUMB SUCKER』通常盤(CD)

2019年8月28日(水)発売
価格:3,240円(税込)
UPCH-20527

1. 猫背矯正中
2. Dickins
3. STUPID HERO
4. NIGHT NIGHT
5. SKYFISH GIRL
6. EDGE OF NINETEEN
7. ボケナス青春
8. おちこぼれブルース
9. NOSTALGIC NOSTRADAMUS
10. ironic baby
11. 玄関物語
12. アナタワールド
13. ラブというソング

イベント情報

『DOG IN CLASSROOM TOUR』FINAL

2019年8月29日(木)
会場:東京都 TSUTAYA O-EAST

プロフィール

PEDRO(ぺどろ)

BiSHのメンバーであるアユニ・Dによるバンドプロジェクト。アユニ・Dがベースボーカルを執り、全楽曲の作詞から一部作曲までを行う。ライブは、ギターに田渕ひさ子(NUMBER GIRL、toddle)、ドラムに毛利匠太をサポートメンバーに迎えたスリーピース形態で展開する。2018年に『zoozoosea』でデビューし、2019年8月28日に1stフルアルバム『THUMB SUCKER』をリリース。

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