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売れなきゃかっこ悪いのか? 激動のインディシーン20年を振り返る

売れなきゃかっこ悪いのか? 激動のインディシーン20年を振り返る

ワイキキレコード
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望 編集:柏井万作(CINRA.NET編集部)

大手芸能事務所のスキャンダルや「働き方改革」など、「所属」の概念が大きく変わってきていることを改めて実感させられる2019年。音楽業界ではこの20年ずっと語られ続けている「メジャーか? インディか?」という議論にしても、「所属」という観点から問題を捉え直すことで、新たな視座が生まれるはずだ。

本稿の主役であるサカモトヨウイチは、ELEKIBASSのメンバーとして活動しながら、インディレーベル「ワイキキレコード」を主宰し、今年それぞれが20周年を迎えた。駆け出しのバンドながら、USインディーポップの雄Of Montrealとアメリカツアーを回るというスタートからして異例だったが、業界的な激変が起きたこの20年を経て、今も変わらぬDIY精神でレーベルを続けていることもまた異例である。

すぐに数字や現実ばかりが語られがちな現代において、「大ヒット」を経験したわけではないサカモトを動かし続けてきたものは何なのか? ワイキキレコード20周年イベントにも参加するホフディランの小宮山雄飛、ワンダフルボーイズのSundayカミデを交えて、この20年の歩みを振り返ってもらった。

(渋谷系には)自分たちの仲間と一緒にDIYで作るっていう文化はあったよね。(小宮山)

左から:小宮山雄飛(ホフディラン)、サカモトヨウイチ(ELEKIBASS)、Sundayカミデ(ワンダフルボーイズ)
左から:小宮山雄飛(ホフディラン)、サカモトヨウイチ(ELEKIBASS)、Sundayカミデ(ワンダフルボーイズ)

―今回は「祝・ワイキキレコード20周年」ということで、サカモトさんであり、レーベルと関わりの深い雄飛さんとサンデーさんにも来ていただきました。

小宮山:そもそもなんでサカモッちゃんはエレファント6(1990年代のUSインディーポップを語る上で外せないミュージシャン集団で、The Apples In StereoやOf Montrealはその中心にいた)界隈と繋がってたの? まずそこがすごいよね。

サカモト:Of Montrealが初来日するときに、メールを送ったんですよ。ホントただの勢いで、「大好きです! 日本に来たら一緒にライブやりましょう!」って(笑)。そしたら向こうも「日本人が僕たちのことを知っててくれてうれしい!」みたいな感じになって、とりあえず空港まで迎えに行ったりして。そこでハモッて、「今度アメリカで一緒にツアーやろう」って話になり、一緒にぐるぐる回ったら、アメリカでもリリースすることになって……。

 Of Montrealとのアメリカツアーの様子
Of Montrealとのアメリカツアーの様子

サンデー:すごい行動力(笑)。

サカモト:基本的にその一点突破でここまでやってきました(笑)。

―ワイキキレコードを始めたのも、エレファント6など海外のインディレーベルの影響が大きかったのでしょうか?

サカモト:直接的には渋谷系の影響が大きかったんですけど、渋谷系の背景にも海外のインディシーンに対する憧れがありましたよね。

サカモトヨウイチ<br>1977年生まれ。1998年にバンド「ELEKIBASS」を結成。強い海外志向を持ち、後にアメリカで人気バンドとなるOf montrealと早くから交流を重ね、現在までに8度のアメリカツアーを実施。また、自ら主宰するレーベル「ワイキキレコード」からは国内外のアーティストの作品を数多くリリースしている。
サカモトヨウイチ
1977年生まれ。1998年にバンド「ELEKIBASS」を結成。強い海外志向を持ち、後にアメリカで人気バンドとなるOf montrealと早くから交流を重ね、現在までに8度のアメリカツアーを実施。また、自ら主宰するレーベル「ワイキキレコード」からは国内外のアーティストの作品を数多くリリースしている。(ワイキキレコードオフィシャルサイト

―渋谷系で言えば、Corneliusの小山田さんもレーベル「トラットリア」を主宰していましたね(カジヒデキ、カヒミ・カリィ、嶺川貴子などの国内アーティストはもちろん、マニー・マークやThe Pastels、The Apples in Stereoなど海外アーティストの音源もリリースしていた)。

サカモト:まさに、小山田さんが一番の影響源です。雄飛さんもファッションブランドをやられてたり、渋谷系のみなさんはデザインとかも含めて大体自分たちでコントロールしてましたよね?

小宮山:わりとDIYなところはありましたね。例えばカジくんはレコード屋で働いてたし、スチャダラパーとかかせきさいだぁは桑沢(デザイン研究所)だったりして、自分でジャケットデザインしたカセットテープを配ったり、ビデオを作ったり。いわゆる「メジャーに突然スカウトされて」とか、事務所に入ってレコード会社と契約する以前に、自分たちの仲間と一緒にDIYで作るっていう文化はあったよね。

小宮山雄飛(ホフディラン)
小宮山雄飛(ホフディラン)

サカモト:僕は世代で言うとちょっと下なので、それを見て、「楽しそうだな、あの先輩たち」って思ってました。なので、クオリティの高さ以前に、自分が好きにやるってことが最高だと思ってて……「上手くなろう」とかが一切なく、ここまで来ちゃいましたけど(苦笑)。

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イベント情報

『WaikikiRecord 20th Guaranteed to Make You Feel Good!』
『WaikikiRecord 20th Guaranteed to Make You Feel Good!』

2019年9月23日(月・祝)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest

出演:
ELEKIBASS
ワンダフルボーイズ
ホフディラン
奇妙礼太郎
Robert Schneider +
John Ferguson of The Apples in Stereo
PARIS on the City!
空中カメラ
尾島隆英
ゆーきゃん
OverTheDogs
徳永憲
SPIRO

DJ:
ヨッシー&ズンドコ・ロッポンギ(TKC)
洞澤&近藤(The Bookmarcs)
菅原潤
長坂(夢見る港)

VJ:
onnacodomo

FOOD:
Lottie

料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)
※高校生以下は身分証明書提示で入場無料

プロフィール

ELEKIBASS
ELEKIBASS(えれきべーす)

1998年に結成し、強い海外志向を持ち、後にアメリカで人気バンドとなるOf montrealと早くから交流を重ね、現在までに8度のアメリカツアーを実施。一方、国内でも渋谷系の流れを組むバンドとしての評価も獲得。また、自ら主宰するレーベルWAIKIKI REOCRDからは国内外のアーティストの作品を数多くリリースしているサカモトヨウイチ率いる60年代後半のブリティッシュロック、ブルース調のリズム、ミュージックホールメロディー、そして風変わりなサイケデリックさの要素をあわせ持つバンド、ELEKIBASS。2016年8月にアメリカのジョージア州アセンズで開催されている、インディポップミュージックのフェスティバル「Athens Popfest」へDeerhoofやElf Power、DANIEL JOHNSTONらとともに出演。アメリカでの7inchレコードシングルのリリースも決定している。

ホフディラン
ホフディラン

日本が誇る2ピースPOPグループ。1996年『スマイル』でデビュー。1998年には“遠距離恋愛は続く”、“欲望”、“極楽はどこだ”などお馴染みの曲は多数。『FUJI ROCK FESTIVAL』への参加、日本武道館でのワンマンライブを成功させる。約3年半の活動休止後、2006年9月に活動再開。10月18日には「5年ぶり」のニューアルバム『帰ってきたホフディラン』を古巣ポニーキャニオンより絶賛発売中!

ワンダフルボーイズ

OSAKAUNDERGROUNDのPOPMAKER、Sundayカミデを中心にCLUBMUSICをbaseにしたパフォーマンスは常にDANCE and MELLOWでフロアを沸かせている。2019年4月遂にVictor EntertainmentよりAlbum『We are all』でメジャーデビュー。「君が誰かの彼女になりくさっても」「天王寺ガール」などの代表作のイメージとは異なるDANCETUNEの連続で踊るステージは90年代のCLUBCULTUREを彷彿とさせている。

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