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結城萌子と冨田明宏が対談。音楽家が惚れる彼女の魅力を紐解く

結城萌子と冨田明宏が対談。音楽家が惚れる彼女の魅力を紐解く

結城萌子『innocent moon』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:前田立 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

別名義で活動していた時はボーカロイドに近いような感覚でやっていたかもしれないです。(結城)

―結城さんは以前別名義で歌手活動をされていましたが、当時はどんな心境だったのでしょうか?

結城:ずっとフルートをやっていて、フルーティストになりたいとも思っていたので、「音楽で生きていきたい」っていう夢もあったんです。ただ、当時は「この音楽で生きていく」っていう感じは全然なくて、本当にゆるゆると、ボーカロイドに近いような感覚でやっていたかもしれないです。

いただいた曲に、ただ声を当てるだけ。「自分を表現する」というよりも、制作した方の音楽が、1人でも多くの人に届けばいいなってことくらいしか考えてなくて。

―逆に言えば、当時はなにがモチベーションだったのでしょうか?

結城:音楽をやっていく道筋のどこかで、もともと好きなアニメや声優に繋がるようなお仕事ができるんじゃないかっていう気持ちがモチベーションでした。ただ、当時の活動スタイルはサブカル寄りだったこともあって、このままだとなかなか道を開くことが難しいなと思って。そこで、1回歌手活動はやめて、声優としてゼロからスタートしようと思いました。そのタイミングで、今度は川谷さんからご連絡をいただいたんです。

―不思議な運命ですね。

結城:1回やめたのに、もう1回歌の世界に呼び戻されて、自分はこの世界で生きていくのがいいんだろうって、直感的に思ったんですよね。だったら、自分がもともと叶えたい「声優」という夢も、このプロジェクトで叶えようって決めたんです。

冨田:やめてもこっちに呼ばれちゃう。それを受け入れたんだ。

結城:はい。それで実際に夢が現実になったので、やってよかったなって思ってます。

この社会で何者かになって、なにかを成し得ることを要請されるのは過酷だし、生きづらいだろうなって。(冨田)

―冨田さんから見た結城さんの印象について話していただけますか?

冨田:最初はシャイな子という印象がありました。いい意味で、ちゃんと人に壁を作れる。つまりは、ちゃんと人を見ているなって。

あと出会ったころから今でもずっと変わらないのが、こんなに可愛く産んでもらって、音楽の才能もあるのに、なんでこんなに生きづらそうなんだろうなって。でも、僕はそこがすごく魅力的だと思うんですよね。

冨田明宏(とみた あきひろ)<br>ロンドン留学から帰国後、大手レコード店に入社。バイヤーを勤めながら音楽ライターとして洋楽ロックやJ-POP、アニソンの分野で活動。2010年創刊のアニメ音楽専門誌『リスアニ!』のスーパーバイザーを担当。日本武道館で開催されている『リスアニ!LIVE』総合MC。現在は音楽プロデューサーとして黒崎真音、ClariSの発掘 / プロデュースを手がける。また声優・内田真礼、飯田里穂ほかの音楽プロデュースを担当。Hifumi,inc所属。
冨田明宏(とみた あきひろ)
ロンドン留学から帰国後、大手レコード店に入社。バイヤーを勤めながら音楽ライターとして洋楽ロックやJ-POP、アニソンの分野で活動。2010年創刊のアニメ音楽専門誌『リスアニ!』のスーパーバイザーを担当。日本武道館で開催されている『リスアニ!LIVE』総合MC。現在は音楽プロデューサーとして黒崎真音、ClariSの発掘 / プロデュースを手がける。また声優・内田真礼、飯田里穂ほかの音楽プロデュースを担当。Hifumi,inc所属。

―実際に、結城さんはある種の生きづらさやネガティビティーを感じている?

結城:ありますね。なにか大きな出来事があったとか、トラウマがあるとか、そういうのはまったくないんですけど、いつからか生きるのって大変だなと思うようになって。

物事を深く考え過ぎちゃうところもあるから、楽観的な人とかポジティブな人が羨ましいし、私もこうなれたらもっと生きやすいと思うけど、でも難しいだろうと感じています。なぜこうなったのかは自分でもわからなくて……先天性だと思います。

冨田:でも、生きづらさって今の若い人たちはみんな感じていると思うんですよね。僕の世代も就職氷河期で相当息苦しかったですけど、まだなんとか未来があると思えた。でも、今って漫然とした不安があって、それってより怖いじゃないですか? この社会のなかで何者かになって、なにかを成し得ることを要請されるのは過酷だし、生きづらいだろうなって。

結城:みんながどういう風に生きているのか、すごく興味があります。日替わりで別の人になって生活してみたい。

冨田:ある意味、声優はそういう仕事かもしれないですよね。

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リリース情報

結城萌子『innocent moon』
結城萌子
『innocent moon』

2019年8月28日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-13091

1. さよなら私の青春
2. 散々花嫁
3. 幸福雨
4. 元恋人よ

プロフィール

結城萌子
結城萌子(ゆうき もえこ)

3月31日、千葉県生まれ。幼少期よりアニメや漫画、ゲームに親しみながら育ち、物心ついた時には将来は声優か漫画家になりたいという志をもっていた。2019年8月28日に『innocent moon』でワーナーミュージックよりデビュー。

冨田明宏(とみた あきひろ)

ロンドン留学から帰国後、大手レコード店に入社。バイヤーを勤めながら音楽ライターとして洋楽ロックやJ-POP、アニソンの分野で活動。2010年創刊のアニメ音楽専門誌『リスアニ!』のスーパーバイザーを担当。日本武道館で開催されている『リスアニ!LIVE』総合MC。現在は音楽プロデューサーとして黒崎真音、ClariSの発掘 / プロデュースを手がける。また声優・内田真礼、飯田里穂ほかの音楽プロデュースを担当。Hifumi,inc所属。

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