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Lucky Kilimanjaroの所信表明。怒りを捨て、自分の人生を踊れ

Lucky Kilimanjaroの所信表明。怒りを捨て、自分の人生を踊れ

Lucky Kilimanjaro『!magination』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:関信行 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
熊木幸丸

熊木はなぜ「踊る」という言葉を繰り返し語るのか? そのひと言に込められた感覚を紐解く

―「人にパワーを与える」ということについて、もう少し話せればと思うんですけど、そもそも熊木さんは今の社会をどんなふうに感じているのでしょうか?

熊木:自分が面白いと思うことをできる人とできない人が、明確に分かれはじめていると感じています。

発信することのハードルが下がって、たとえば、YouTuberの方とかは自分が面白いと思ったことを他人の目は気にせずやってる感じがありますよね。ただ、面白いことをやってる人がたくさんいるという状況の一方で、自分のクリエイティブを外に出せなくなってる人もいると思う。でも、僕は誰もがクリエイティブであっていいと思っていて。

―これだけいろんな表現やコンテンツにあふれていて、しかもクオリティーも高いとなると、自分でやる必要性を見出せない場合もあるかもしれない。

熊木:そう。ただ、そこにあんまり閉塞感は感じてないんですよね。僕は世の中がどんどんよくなってると思ってるタイプなので、感傷的になることはなくて。「落ち込むこともあるけど、どんどんやっていこう!」ってことを発信したい。

Lucky Kilimanjaro“グライダー”を聴く(Apple Musicはこちら

―自分が面白いと思うことをやっていくために「パワー」が必要だということですね。

熊木:今回のアルバムを通して言っているのは、「自分がいいと思ったことを、ちゃんと人に伝えたり、表現できる力を与えたい」っていうことなんです。

“Drawing!”の歌詞で言ってるように、僕は表現の技法は教えられないけど、「何かをやってみよう」と思う気持ちは与えられるかもしれない。ちょっと躊躇しちゃう感覚に対して、「うるせえ!」って跳ね除けられる勇気みたいなものを与えられたらなって。

Lucky Kilimanjaro“Drawing!”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

熊木:だから、“Drawing!”はものを作っている人だけに向けているわけじゃなくて。実際は誰もが日常のなかでちょっとした工夫を、クリエイティブなことをしていると思うから、もっともっと想像力を働かせて、楽しい世界にしていければなっていう想いを込めています。

―“Drawing!”では<描けるかどうかは求められていない / 描きたいかどうかだ>や<芸術は高尚だとかいう / ステレオタイプが君を窮屈にしてる>と歌われていますね。

熊木:「僕はプロじゃないし」って、諦めちゃうのはもったいないじゃないですか? プログラミングでも、写真でも、「プロじゃないし、恥ずかしい」なんて思わないで、とりあえずやってみたら、自分の生活がもっと面白くなるかもよってことは言いたいです。

そのためには、社会的な足かせを取り除くことが大事で、「恥ずかしい」と思ってしまうような社会の空気を、Lucky Kilimanjaroの音楽でゆっくりほぐしたい。そうやって「誰でも何かやってるのが普通じゃん」って空気を作れればいいなって思います。

僕らが「踊る」って言っているのは、「自分の人生を踊る」ってことなんです。自分の思っていること、表現したいことをやることが、僕らにとっての「踊る」ってことなんですよね。

熊木幸丸

「一番大事なのは『心から人生を楽しむ』っていうこと」

―『!magination』というアルバム自体、「もっと想像力を広げて、自分を表現していこう」というメッセージがはっきりと感じられる作品に仕上がっていますよね。

熊木:最後に入っている“ロケット”という曲を最初に書いたんですけど、この曲を書くまでは、どういう音楽で、どういうことを言うべきか一瞬わからなくなったんです。

でも、一度何も考えずに、とにかく今かっこいいと思うものを作ろうと思って、数時間でできたのが“ロケット”で、やっぱり自分がいいと思うものをとりあえずやってみることが大事だなと。だからこそ、「これを伝えなくちゃいけない」と思って、そこからアルバムの全体像に繋がっていきました。

Lucky Kilimanjaro“ロケット”を聴く(Apple Musicはこちら

―“ロケット”では<目をつむって諦める前に / ロケットを飛ばして / 見上げたら暗雲だけど / その先で君の星になるよ>と歌われていて、プレッシャーや他人の目を跳ね除けてでも、自分がやりたいことをやることが、誰かの道しるべにもなると読み取れます。

熊木:聴いてくれてる人に向けているようで、この曲は自分に言ってる曲ですね。自分の曲で自分が救われたと感じたのは、今回が初めてでした。完璧を求めて、最初からガチガチにやっちゃうと、なかなか上手くいかないけど、どんどん作って、どんどん出していけばいいんだなって、すごく軽くなれました。

なので、今回は今まで自分たちがやってこなかったパターンの曲も結構やれたんです。これまでずっと「踊らせる」って言ってきて、ダンサブルな曲を作ってきたけど、一番大事なのは「心から人生を楽しむ」っていうことなんですよね。そういう感覚はスローな曲でもできるなと確信できて、ただの「ダンスミュージックをやってるバンド」に止まらない、いろんな曲を出せるバンドになれたらなって。

Lucky Kilimanjaro“とろける”を聴く(Apple Musicはこちら

―メランコリックな“ロケット”や、チルアウトな“とろける”はまさにそういう曲ですよね。逆に、これまで以上に高速なドラムンベース調の“RUN”も新鮮でした。

熊木:“RUN”はまさにブレイクビーツというか、ドラムンっぽいことをやりたくて、ジョジョ・メイヤーとかSquarepusherとかをイメージしました。最初はもうちょっと軽いノリだったんですけど、いろんな要素を足したら重くなっていって、わけわかんないけどまあいいかって(笑)。もともと歌詞もそんなに定まってなかったから、作ってるときの自分の状況も含めて言葉にしてみました。

Lucky Kilimanjaro“RUN”を聴く(Apple Musicはこちら

―<根拠がないからこそ / そこに新しい価値を信じてる>というフレーズは、「まずはやってみよう」というアルバム全体のメッセージともシンクロしますよね。

熊木:この曲に関しては、これが果たしていいのか自分でもわからないんですけどね(笑)。ただ、アルバム全体で考えたときに、「そのときじゃないと生まれなかった曲」が入っているのはいいなと思ったし、実際にいい作品になったんじゃないかと思います。

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リリース情報

Lucky Kilimanjaro『!magination』
Lucky Kilimanjaro
『!magination』(CD)

2020年3月4日(水)発売
価格:2,970円(税込)
MUCD-1447

1. Imagination
2. Drawing!
3. 350ml Galaxy
4. グライダー
5. RUN
6. 時計の針を壊して
7. とろける
8. 君とつづく
9. 春はもうすぐそこ
10. DO YA THING
11. ロケット
12. ひとりの夜を抜け -Live at Shibuya WWW Nov.23 2019-
13. HOUSE -Live at Shibuya WWW Nov.23 2019-
14. FRESH -Live at Shibuya WWW Nov.23 2019-

イベント情報

『LUCKY KILIMANJARO ONEMAN TOUR「!magination」』

2020年5月2日(土)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

2020年5月8日(金)
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET

2020年5月9日(土)
会場:大阪府 心斎橋 Music Club JANUS

『!magination ―もう一杯―』

2020年6月21日(日)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO

料金:各公演 前売3,900円(ドリンク別)

イベント情報

『CROSSING CARNIVAL'20』

2020年5月16日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest、duo MUSIC EXCHANGE、WOMB LIVE、clubasia、7th FLOOR

出演:
王舟(トリオ編成)
君島大空
CRCK/LCKS
柴田聡子inFIRE
曽我部恵一
betcover!!
吉澤嘉代子
YOMOYA
Lucky Kilimanjaro
and more
料金:5,500円(ドリンク別)

プロフィール

Lucky Kilimanjaro
Lucky Kilimanjaro(らっきー きりまんじゃろ)

熊木幸丸(Vo)を中心に、同じ大学の軽音サークルの仲間同士で結成され、2014年、東京を拠点にバンド活動開始。「世界中の毎日をおどらせる」をテーマに掲げた6人編成によるエレクトロポップ・バンド。スタイリッシュなシンセサウンドを軸に、多幸感溢れるそのライブパフォーマンスは唯一無二の存在感を放つ。2018年11月に1st EP『HUG』にてメジャーデビュー。 その後、2019年6月『風になる』、7月『HOUSE』、8月『Do Do Do』、9月『初恋』と4か月連続でシングルをリリース、更に10月には2nd EP『FRESH』を立て続けにリリースすると、楽曲の良さが評判を呼び全国のTV、AM/FM局にて56番組のパワープレイ・番組テーマを獲得。“FRESH”はオリコン2019年10月度FMパワープレイランキング1位を獲得。同年8月には『ROCK IN JAPAN FES.』への初出演も果たし、フェスファンからも熱い視線を浴び更なる注目を集める。2019年11月、バンド自身初となるワンマンライブ『FRESH』@渋谷WWWは、4か月前の7月には既に即完状態。2020年3月にはメジャーでは初のフルアルバム『!magination』のリリースを発表。また同時に5月には恵比寿LIQUIDROOMを皮切りに東名阪のワンマンツアーを発表。

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