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Easycomeが見つけた活動の道しるべ 誰かの人生の一部になる歌を

Easycomeが見つけた活動の道しるべ 誰かの人生の一部になる歌を

Easycome『レイドバック』
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2020/07/27

ちーかまと落合の言葉から垣間見える、Easycomeがこの4人じゃなきゃいけなかった理由

―Easycomeにとって、シャムキャッツは相当大きな存在なんですね。彼らには『Friends Again』(2017年)というアルバムもありますけど、「友情」と「バンド」というのは、どこか複雑に入り組んでいくものなのかな、という気もするんですよね。

ちーかま:シャムキャッツがどんな関係性のバンドだったのかは、私にはわからないので……。ただ思うのは、きっと私だけじゃなくてみんなそうだと思うんですけど、最近はコロナで気持ちが落ち込んでいたし、別にコロナのことだけじゃなくても、気分が落ち込むときはあるじゃないですか。

―そうですね。

ちーかま:でも、バンドでスタジオに入って演奏したり、録った音源を聴きながら車で帰るとき、「私たち、最強じゃん!」と思えるんですよね。あとで冷静になれば醒めるんですけど(笑)、その瞬間は、「このメンバーがいれば最強やな」と思える。それがバンドのいいところだなと思うんです。

私は落合ほど音楽に詳しいわけでもないし、音楽をやらなければ生きていけないタイプではないなと自己分析しているんです。ひとりで音楽をはじめていたら、絶対に続けていないだろうなって思う。でも、だからこそ「みんなでいれば最強だ!」と思える瞬間が尊いし、それがなくなっちゃったら終わっちゃうんだろうなと思うし。

Easycome

―落合さんの音楽遍歴は?

落合:中学生の頃、友達の兄ちゃんが聴いていたBUMP OF CHICKENを聴くようになって。それからバンプばかり聴いていたんですけど、しばらくすると他のバンドにもハマって、RADWIMPSしか聴かない時期もあり(笑)。その頃に初めてバンドのライブを観に行ったり、友達と一緒にギターを買ったりもして。

ずっとサッカー部やったんですけど、サッカー少年でありながら、家ではギターを弾く日々を過ごしていました。で、高校に入ってからは急に「俺は洋楽しか聴かない」と言いはじめるんですけど(笑)。

―(笑)。

落合:でもやっぱり、高校の終わり頃に「日本語の歌っていいな」と思いはじめて。「昔、親が車で聴いていたチューリップって、やっぱりいいな」とか思い出したり。あとは、くるり、サニーデイ・サービス、はっぴぃえんど、ユーミン……そういった人たちを聴いていました。

Easycome“pass you by”を聴く(Apple Musicはこちら

―ちーかまさんから見て、落合さんの作る曲にはどんな印象を抱きますか?

ちーかま:落合の曲は、メロディにおいても歌詞においても、いつも一筋縄ではいかないなって思うんですけど(笑)。

落合:(笑)。

ちーかま:でも、たまに「これ、誰にも負けないわ」と思うようなメロディがあったり、「この歌詞、宝物だわ」と思うようなものがあるんです。そこが好きです。ずっと80点を出し続けるんじゃなくて、たまに120点とか150点の曲をポンッと出してくれたときに、「やっぱり、落合は最高だな」となりますね。

Easycome

内に秘めた思いを言葉にしきらない落合。彼がそれでも音楽にこだわり、音楽を作るのはなぜなのか?

―新作『レイドバック』に収録された曲で一番、ちーかまさんが「きた!」と思った曲は?

ちーかま:“描いた果実”かなぁ。この曲の歌詞は、いい意味で落合っぽくなくて。落合の歌詞は、いつもレコーディングのギリギリにくるので、あとから自分の感情が追いつくというか、ライブで歌っていくうちに、自分の感情の置き方が理解できるようになるんです。

“描いた果実”も、案の定、歌入れの5秒前くらいに歌詞がきて(笑)、「譜割り知らん!」って感じだったんですけど、でも、この曲の歌詞はひととおり読んだだけで、スッと自分のなかに入ってきたんですよね。落合らしくないんだけど、一番、「落合だな」と思わせる。そこが、しっくりきた理由なのかなと思うんですけど。

Easycome“描いた果実”を聴く(Apple Musicはこちら

―落合さんご自身としては、“描いた果実”はどういったモチーフから生まれた曲だったのでしょうか?

落合:う~ん……歌詞は大体、自分のことを書くので、「俺やで」っていう感じなんですけど(笑)。よく考えたら、歌詞は全部「がんばれ、落合」みたいな感じなんですよ。

―ははは(笑)。でも、わかります。

落合:曲を書くのは、自分のことを残したいから書くんですけど、別に、それを発表したいわけでもないし、わかってほしい気もするけど、「わかってもらわんでもええわい」とも思うし……。

自分のなかではグワッとなっているんだけど、「これ、誰にも言われへんな」みたいなことを、いつも書いているような気がします。誰にも言われへんし、言うようなことでもないしな、みたいなこと。

落合(Easycome) / 撮影:Misa Shinshi
落合(Easycome) / 撮影:Misa Shinshi

落合:なので、みんなが「歌詞、意味わからん」というのも、当然な気もするんですよね。別に、書かんでもいいことって感じもするから。だから……歌詞に書いてあるのは、「本当は話したいけど、恥ずかしいから言えないこと」っていう感じなのかもしれないです。

―「曲を書くのは、自分を残すこと」というのは、根底にあるものですか?

落合:それは、ありますね。……前に、考えたことがあって。もし、無人島にひとりで辿り着いて、もう助からないとなったら、僕は、なんとかしてアルバムを作ろうとすると思うんですよね。

―そのくらい、落合さんにとって曲を作るということは、生きていくうえで必要なこと?

落合:うん……そうだろうなって思います。「自分は、自分でありたい」というか。もちろん、どんな生き方をしていても、その生き方がその人自身だと思うんですけど、僕は、音楽をやることで、「自分になりたい」というか……こんなこと言っても、わけわからないかもしれないけど(笑)。でも、そういうものを感じることができるのが、僕の場合は音楽なのかなって思います。

Easycome“タペストリー”を聴く(Apple Musicはこちら

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リリース情報

Easycome『レイドバック』
Easycome
『レイドバック』(CD)

2020年7月15日(水)発売
価格:1,595円(税込)
NCS-10239

1. スピーチ
2. タペストリー
3. pass you by
4. 描いた果実
5. crispy crispy

プロフィール

Easycome
Easycome(いーじーかむ)

2015年8月、大学のサークル仲間と組んだバンドからメンバーチェンジ、改名を経て「Easycome」を結成。大阪・南堀江knaveで初ライブ開催。2016年9月、1stミニアルバム『風の便りをおしえて』を会場限定販売と一部の店舗での販売開始。2017年8月、2ndミニアルバム『お天気でした』をリリース。2018年12月、サポートドラマーとして参加していたDr.johnnyが正式メンバーとして加入。2019年7月、1stアルバム『Easycome』をリリースし「タワレコメン」にも選出される。2020年7月15日、1st EP『レイドバック』をリリースした。

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