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Awesome City Clubと木村豊が語る、音が鳴るジャケットの作り方

Awesome City Clubと木村豊が語る、音が鳴るジャケットの作り方

Awesome City Club『Grow apart』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:山川哲矢(Showcase) 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

Awesome City Clubがニューアルバム『Grow apart』を完成させた。複数のアレンジャーを迎えてアップデートされた楽曲はもちろん、ハイブランドを身に着けたモデルのように決め込んだアーティスト写真や、スタッズをキーアイテムに用いた一連のアートワークからも、バンドの新たなモードがはっきりと伝わってくる。アートディレクターを務めたのは、スピッツ、椎名林檎、ASIAN KUNG-FU GENERATIONらの作品を手掛ける「Central67」の木村豊。PORINにとっては念願叶ってのコラボレーションだったという。

『Grow apart』というタイトルには「それぞれ違う場所で成長していく」との意味が込められている。それはメンバーの脱退やレーベル移籍を経験したバンドの今を表したものだが、コロナ禍に伴うリモートワークの普及が象徴するように、個人としてのよりフレキシブルな社会 / 集団との関わり方を模索しなければならない現状ともリンクするように思う。バンドのメンバーとしてメジャーのレコード会社に所属しながら、自身のファッションブランド「yarden」を展開するPORINと、アートディレクターとして様々な作り手と関わる木村の対話は、もの作りにおける個人とチームのあり方を見つめ直す機会にもなった。

シティポップ感みたいなのあるじゃないですか? ファッションの匂いがして、ローファイな感じで、線画で、みたいな。そこからは絶対に抜け出したかったんです。(PORIN)

―まず、今回木村さんにアートディレクターを依頼した経緯を教えてください。

PORIN:個人的には前から知り合いだったというか、共通の知人を介して一緒に飲ませていただいたり、イベントに遊びに行かせてもらったりしていて。でも、木村さんとお仕事をするのは自分の中ですごく大きなことで、バンドが成長してからじゃないと、下駄を履かせてもらう感じになっちゃうし、やる意味がないなと思ってたんです。

今回レーベル移籍があり、バンドの方向性を改めて見直すタイミングになったときに、これまで5年間やってきて自分たちも成長できたし、もうちょっとエッジを効かせた作品にしたいねっていうのもあって、ようやく木村さんにお願いできるなって思えて。

PORIN from Awesome City Club(おーさむ してぃ くらぶ)<br>2013年東京にて結成。POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー自身の幅広いルーツをミックスした音楽性を持つ、男女ツインボーカルの混成男女4人組。2015年4月8日に1stアルバム『Awesome City Tracks』をリリース。メジャーデビュー5周年となる2020年には更なる飛躍を目指し、レーベルを「avex / cutting edge」に移籍。7月8日にニューアルバム『Grow apart』をリリース。PORINはファッションブランド「yarden」のディレクターを務める。
PORIN from Awesome City Club(おーさむ してぃ くらぶ)
2013年東京にて結成。POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー自身の幅広いルーツをミックスした音楽性を持つ、男女ツインボーカルの混成男女4人組。2015年4月8日に1stアルバム『Awesome City Tracks』をリリース。メジャーデビュー5周年となる2020年には更なる飛躍を目指し、レーベルを「avex / cutting edge」に移籍。7月8日にニューアルバム『Grow apart』をリリース。PORINはファッションブランド「yarden」のディレクターを務める。

―満を持しての依頼だったわけですね。PORINさんの思う、木村さんの作品の魅力は?

PORIN:木村さんの作品は一家に一枚必ずあるじゃないですか?(笑) 私はアジカン世代なので、アジカンのCDが家にたくさんあるんですけど、木村さんの作品はファッションの匂いがあんまりしないというか、雰囲気ものじゃないのがすごくいいなと思っていて。ちゃんと音が聴こえてくるし、本質的なものだと思うから、自分たちも本質的なものを作らないと説得力を持たせられない気がしていたんです。

木村豊のInstagramより。最近手掛けた、ゲスの極み乙女。のアルバムアートワーク一連

―実際の作品としては、連続配信シングル第1弾『アンビバレンス』のジャケットと、新しいアーティスト写真が最初に公開されました。

木村:最初の打ち合わせの時点ではまだアルバムの曲が出揃っていなかったんですけど、とりあえず配信3枚は共通のイメージでいこうっていう話をしました。アルバムが出るまでは結構長いスパンがあったので、アルバムのアートワークについては途中で考えようって。

木村豊(きむら ゆたか)<br>1995年にデザイン事務所「Central67」を設立。CDジャケットを中心にミュージックビデオの監督や本の装幀、ツアーグッズ等のデザインを手掛ける。直近ではゲスの極み乙女。の他に、スピッツ『猫ちぐら』『見っけ』、ラブリーサマーちゃん『THE THIRD SUMMER OF LOVE』、赤い公園『THE PARK』などのアートワークを手掛けている。
木村豊(きむら ゆたか)
1995年にデザイン事務所「Central67」を設立。CDジャケットを中心にミュージックビデオの監督や本の装幀、ツアーグッズ等のデザインを手掛ける。直近ではゲスの極み乙女。の他に、スピッツ『猫ちぐら』『見っけ』、ラブリーサマーちゃん『THE THIRD SUMMER OF LOVE』、赤い公園『THE PARK』などのアートワークを手掛けている。

PORIN:でも、めちゃくちゃいいアー写が撮れて、これをアルバムのジャケットにするか、アー写にするかで、ちょっとだけ揉めましたよね(笑)。

―アーティスト写真はどんなコンセプトで撮ったのでしょうか?

PORIN:パキッとした、ワンランク上のラグジュアリーな感じに見せたくて、スタイリストさんもこれまでとは違う人にお願いしたんです。4人体制での初めてのリリースだったから、すごく気合いが入っていて、自分たちの覚悟も表せるようなアー写にしたかったんですよね。雰囲気ものにはしたくなかったから、フィルム感とかもマジで要らないなって。超きれいな画質で撮ってる分、被写体がちゃんとしないと画にならないから、「自分たちにこれがこなせるのか?」という心配はありましたけど、いい感じに仕上がってよかったです。

―「ラグジュアリー」なイメージを出そうとしたのはなぜ?

PORIN:シティポップ感みたいなのあるじゃないですか? ちょっとファッションの匂いがして、ローファイな感じで、線画で、みたいな。そこからは絶対に抜け出したかったんです。今回は音楽自体も打ち込みが多いし、エッジーな感じが出てきたので、自分たちが今まで表せなかった毒っ気みたいなものも表現したくて、この感じになりました。

木村豊がアートディレクターを務めた、Awesome City Clubの最新アーティスト写真
木村豊がアートディレクターを務めた、Awesome City Clubの最新アーティスト写真

―レーザーディスクも存在感ありますね。

木村:撮影時にはジェンガとか黒ひげ危機一髪とかいろんなものを置いていて、その一環としてレーザーディスクも置いてたんです。なので、レーザーディスク自体に特別な意味があるわけではないんですけど、今の若い人はレーザーディスクを知らないと思うので、「なんだこれ? でっかいCD?」みたいになるかなって。レコードのサイズでCDの輝きなので、実物見ると結構びっくりするんですよ。

PORIN:合成みたいに見えますよね(笑)。私は名前だけ知ってて、実物を見たことがなかったので、結構衝撃でした。

―レーザーディスクはアルバムのブックレットでもフィーチャーされてますね。

PORIN
PORINが手に持っているのが、『Grow apart』のブックレット
PORINが手に持っているのが、『Grow apart』のブックレット

木村:せっかくだからアルバムでも使いたいと思ったんですけど、これ、撮るときにカメラマンが映っちゃうから、意外と大変で。あと、思ったより虹色にならないんですよ。実物を見ると結構虹色なんですけど、写真だと黒い部分が目立ってしまって、それも大変でした。

左から:PORIN、木村豊
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リリース情報

『Grow apart』初回生産限定盤(CD+Blu-ray)
Awesome City Club
『Grow apart』初回生産限定盤(CD+Blu-ray)

2020年7月8日(水)発売
価格:4,730円(税込)
CTCR-14988/B

[CD]
1. トビウオ
2. アンビバレンス
3. 最後の口づけの続きの口づけを
4. Heart of Gold
5. バイタルサイン
6. タイムスペース
7. Black and Blue
8. but×××
9. ブルージー
10. Okey dokey
11. STREAM

[Blu-ray]
『Awesome talks –Nice Buddy Tour 2019- 2019.12.24 @ SHIBUYA WWW X』
1. 青春の胸騒ぎ
2. 4月のマーチ
3. アウトサイダー
4. 君はグランデ
5. ブルージー
6. タイムスペース
7. アンビバレンス
8. pray
9. Don’t Think, Feel
10. SUNNY GIRL
11. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
EN1. Catch The One

Awesome City Club
『Grow apart』通常盤(CD)

2020年7月8日(水)発売
価格:3,080円(税込)
CTCR-14999

1. トビウオ
2. アンビバレンス
3. 最後の口づけの続きの口づけを
4. Heart of Gold
5. バイタルサイン
6. タイムスペース
7. Black and Blue
8. but×××
9. ブルージー
10. Okey dokey
11. STREAM

プロフィール

Awesome City Club
Awesome City Club(おーさむ してぃ くらぶ)

2013年東京にて結成。POPS / ロック / ソウル / R&B / ダンスミュージック等、メンバー自身の幅広いルーツをMIXした音楽性を持つ、男女ツインボーカルの混成男女4人組。2015年4月8日に1stアルバム『Awesome City Tracks』をリリースし、iTunesロックチャートで1位を獲得するなど話題を呼び、デビューから「Awesome City Tracks」シリーズと題して、2年間で4枚のアルバムをリリース後、ベストアルバム~EP~フルアルバムをリリース。毎年コンスタントに全国ツアーも行いながら、国内外の大型フェスティバルにも多数出演。Awesome City Club以外でのメンバー個々の活動も盛んで、数々の楽曲提供やライブ・ツアーへの参加、またクリエイターやファッションブランドとの親和性も高くコラボレーション等も積極的に行っており、メンバー4人が様々なフィールドでバンド・個人共としてカルチャー的にもメインストリームでも注目を集める存在となっている。メジャーデビュー5周年となる2020年には更なる飛躍を目指し、レーベルを「avex / cutting edge」に移籍。更に2020年は「Welcome to Awesome City」と銘打った一大カルチャーフェス開催を目標に掲げている。

木村豊(きむら ゆたか)

1995年にデザイン事務所「Central67」を設立。CDジャケットを中心にミュージックビデオの監督や本の装幀、ツアーグッズ等のデザインを手掛ける。2002年に作品集『脳内TRANSPOSE Central67 Works』、2017年に『死んだらJ-POPが困る人、CDジャケットデザイナー 木村 豊』(江森丈晃著)を発表。スピッツ、椎名林檎、Superflyなど様々なアーティストのデザインに携わっている。

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