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名曲に新たな息吹を。一味違うカバー企画の仕掛け人たちが語る

名曲に新たな息吹を。一味違うカバー企画の仕掛け人たちが語る

Old To The New
インタビュー・テキスト・編集
飯嶋藍子
撮影:西あかり

テクノロジーを使った表現に加えて、人間くさい余白があると俄然盛り上がるんです。(野村)

―その歌うための仕草や表情を映像に収めたのですか?

野村:そう、それがめちゃくちゃよかった。だから、撮影当日も、まず最初にそれを松本さんに伝えて「いわゆるミュージックビデオとしての佇まいやカメラを気にせずに、レコーディングの時のように歌に気持ちを込めて歌ってください」とお願いしました。

野村志郎(のむらしろう)<br>クリエイティブディレクター、映像監督。クリエイティブエージェンシー猿人 ENJIN TOKYO所属。これまで日本政府観光局、ANA、Google、Adobe、CROCS、SEIYU、Francfranc、野村ホールディングス、京都大学、沖縄県など数多くのブランディングやプロモーションを手がけている。自動制御のドローンが客のオーダーに従ってシューズを運んでくる世界初の「空中ストア」や、累計3,000万再生回数を超えた日本政府観光局のブランディング動画「JAPAN - Where tradition meets the future」、日本カルチャーを世界に発信するANAのグローバルプロモーション「IS JAPAN COOL?」などで、世界三大広告賞のONE SHOW、アジア最大級の広告賞SPIKES ASIAグランプリ、ADFEST、AD STARS、CODE AWARDベストクラフト賞、メディア芸術祭などを受賞。
野村志郎(のむらしろう)
クリエイティブディレクター、映像監督。クリエイティブエージェンシー猿人 ENJIN TOKYO所属。これまで日本政府観光局、ANA、Google、Adobe、CROCS、SEIYU、Francfranc、野村ホールディングス、京都大学、沖縄県など数多くのブランディングやプロモーションを手がけている。自動制御のドローンが客のオーダーに従ってシューズを運んでくる世界初の「空中ストア」や、累計3,000万再生回数を超えた日本政府観光局のブランディング動画「JAPAN - Where tradition meets the future」、日本カルチャーを世界に発信するANAのグローバルプロモーション「IS JAPAN COOL?」などで、世界三大広告賞のONE SHOW、アジア最大級の広告賞SPIKES ASIAグランプリ、ADFEST、AD STARS、CODE AWARDベストクラフト賞、メディア芸術祭などを受賞。

―バンドメンバーもとても豪華ですよね。ウエノコウジさん、フジイケンジさん、高野勲さん、あらきゆうこさんというトップランカー揃いです。

田中:本当にいろんなバンドで活躍されている方が、この企画のためだけに集結するっていう……アベンジャーズ感がすごかったです(笑)。

―でも、コロナ禍での企画は大変だったんじゃないですか?

柏井:レコーディングはできるけど、映像はどうしようっていう状況でした。まさに、いろんな方々が自宅で映像を撮ったりしている時期で。もちろん、自宅動画とかもタイミング的なおもしろさはあるけど、この企画はシリーズでやっていきたいから、コロナ禍であることに寄せすぎてもいけないなと思ったんです。

状況が状況だけど、映像にワンフックないと驚きが出ないなと悩んでいたところで野村さんに出会い、「おもしろい動画の企画ってなんかないですかね?」って相談させてもらったら、すぐに飛び抜けた企画を考えてくれて。それで音楽の作り方から全部変わった(笑)。

田中:映像がプロジェクトのひとつの基準になったし、自粛が解けて少しスタジオでできることもありそうだなって可能性が出てきた時に、さらにアイデアが広がっていきました。

―今回の、ふたつの動画を同時再生するとひとつの作品になるという映像のアイデアはどういうふうに生まれたんですか?

野村:とにかくコンセプトを際立たせるような表現方法を考えました。最初にお話をいただいた時に、今、田中さんと柏井さんが話されていたコンセプトがすでにきちんとあって、すごくいい企画だなあって思ったんです。僕は広告のクリエイティブディレクターをやりながら映像制作をしているので、課題をいただいた上でアイディアを考えて映像化するのが得意で。まず、おふたりから、意外性や驚きに繋がるアイデアを映像として入れてほしいとお話しいただきました。

松本さんの歌唱シーンを映し、歌を際立たせたside A、バンドメンバーの演奏シーンを映し、オケにフォーカスしたside Bのふたつの映像からなる“守ってあげたい”のMV。ふたつの映像を同時再生すると歌とオケが合体した1曲になる。
松本さんの歌唱シーンを映し、歌を際立たせたside A、バンドメンバーの演奏シーンを映し、オケにフォーカスしたside Bのふたつの映像からなる“守ってあげたい”のMV。ふたつの映像を同時再生すると歌とオケが合体した1曲になる。

柏井:その2、3日後に詳細な打ち合わせをしたんだけど、その時点で野村さん、すでに企画書を完成させてて(笑)。

―え! すごい速さ!(笑)

野村:たまにやっちゃうんです(笑)。打ち合わせまでの2、3日の間についつい考えてしまうんですよ。今回、歌と歌い手さんが真ん中にあって、過去の名曲を今に歌い継ぐっていう構図が明確にあるので、それを企画性のある映像表現でどう伝えるか考えたら、アイデアが出やすくて。

柏井:それで出してくださったのが、歌を中心に名曲の魅力を伝えるside Aの動画、それを「New」にするような音楽の要素が聴けるside Bの動画、それを合体させることによって音がミックスする、というアイデア。1曲にまとまった音源はLINE MUSICで聴けるんだけど、デジタルでいろんなことが簡単にできるこの時代になったからこそ、すっごくアナログに同時に再生ボタンを押さないと1曲にならない映像っておもしろいなと思いました。

左から:野村志郎、田中大輔、柏井万作

野村:デジタルとアナログが一緒になっている感じがいいなと思って。テクノロジーを使った表現に加えて、人間くさい余白があると俄然盛り上がるんですよ。そういう掛け合わせでおもしろいものが生まれると思ったんです。

この一手間でコンテンツをこんなに自分ごと化できる。(柏井)

―さらっと動画を見るというよりは、「自分の手でタイミングをしっかり合わせて見るぞ!」というちょっと意気込んだ気持ちになりそうですよね。

柏井:同時に再生ボタンを押すという一手間があることによって能動的にコンテンツに接触するし、「ちゃんとタイミング合ってるかな?」って集中して2つの動画に入り込む。それで同時に再生することがうまくいった時の感覚って、普通に聴いて「いい曲だな~」で終わる感じとは違うんですよね。この一手間でコンテンツをこんなに自分ごと化できるんだなって思いました。

柏井万作

―それぞれの動画を片方ずつ見ても、いつもの音楽の聴き方とは違う感覚になりそうです。

柏井:レコーディングの現場って一つひとつの楽器、一つひとつのフレーズやプレイに感動するんだけど、音源になるとどうしても歌の背景に聴こえがちになるじゃないですか。でも、今回のside Bを聴いて楽器に集中してみると、“守ってあげたい”ってあんなに優しい歌なのに、「ウエノさんのベース、ゴリゴリじゃん!」とか「ケンジさんのギター、本当におしゃれだな」とか、いろんな音がちゃんと聴こえてきて。そうやって音にフォーカスする楽しみ方ができるのもすごくいいなと思いました。

松本穂香“守ってあげたい”MV side B

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リリース情報

Old To The New
Old To The New

レコードやカセット、CDで発表された無数の名曲たちを 新鮮さをもって蘇らせるプロジェクト『Old To The New』。
音楽サブスクリプションサービスの登場で、 無限に広がる音楽ライブラリにアクセスできるようになった今だからこそ、 名曲たちを聴き継ぎ、語り継ぎ、歌い継いでいきたい。 そして、何よりも大切にしたいのは、 どんな時代にあっても変わりなく、 人の心を震わせ続ける、「歌」の力です。 この企画では、毎回特別な歌い手をお招きし、 感動や驚きをお届けします。

松本穂香『守ってあげたい』
松本穂香
『守ってあげたい』

プロフィール

田中大輔(たなか だいすけ)

LINE RECORDS事業プロデューサー。1976年神奈川県生まれ。大学卒業後、CD・レコードショップのバイヤーを経て、2002年ユニバーサル ミュージック合同会社に入社。数々のアーティストのマーケティング・メディアプランナーを担当し、2015年LINE株式会社に入社。音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」に従事、2017年3月に「LINE RECORDS」を発足。

柏井万作(かしわい まんさく)

1981年、東京都生まれ。2006年に取締役として株式会社CINRA立ち上げに参加。創業時から現在までカルチャー情報サイト『CINRA.NET』の編集長としてサイトの運営を行っている。入場無料の音楽イベント『exPoP!!!!!』、カルチャーフェス『NEWTOWN』などの立ち上げ&運営責任者を務める。

野村志郎(のむら しろう)

クリエイティブディレクター、映像監督。クリエイティブエージェンシー猿人 ENJIN TOKYO所属。これまで日本政府観光局、ANA、Google、Adobe、CROCS、SEIYU、Francfranc、野村証券、京都大学、沖縄県など数多くのブランディングやプロモーションを手がけている。自動制御のドローンが客のオーダーに従ってシューズを運んでくる世界初の「空中ストア」や、累計3,000万再生回数を超えた日本政府観光局のブランディング動画「JAPAN - Where tradition meets the future」、日本カルチャーを世界に発信するANAのグローバルプロモーション「IS JAPAN COOL?」などで、世界三大広告賞のONE SHOW、アジア最大級の広告賞SPIKES ASIAグランプリ、ADFEST、AD STARS、CODE AWARDベストクラフト賞、メディア芸術祭などを受賞。

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