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尾崎裕哉の叫び 僕が僕であるために、見えない壁に囚われぬよう

尾崎裕哉の叫び 僕が僕であるために、見えない壁に囚われぬよう

尾崎裕哉『Golden Hour』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:木村篤史 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2020/10/26

シンガーソングライターの尾崎裕哉が1stフルアルバム『Golden Hour』を完成させた。長年の付き合いであるプロデューサーのトオミヨウや、KREVAや布袋寅泰といった豪華ゲストの参加も話題だが、本作で何より重要なのは、尾崎が自らのこれまでを振り返り、自分を認め、肯定する作品であるということ。ダイバーシティの時代における「僕が僕であるために」の再定義。そんなふうな言い方もできるかもしれない。

1980年代のロックや歌謡曲をルーツに持ち、15歳までの10年間をアメリカで過ごして同時代のヒップホップやR&Bをインプットし、帰国後にJ-POPに触れた尾崎の作る楽曲は、独自のブレンド感が魅力。本作ではトオミに加え、SUNNY BOYや小袋成彬といったグローバルな視点を持つプロデューサーとの共同作業によって、その幅広い音楽性が確かに示されてもいる。レーベル移籍とコロナ禍の先で、現在の尾崎の心の内を聞いた。

尾崎裕哉(おざき ひろや)<br>1989年、東京生まれ。2歳の時、父・尾崎豊が死去。母と共にアメリカに渡り、15歳までの10年間を米国ボストンで過ごす。慶應義塾大学大学院卒。2016年に自伝『二世』(新潮社)を出版しアーティスト「尾崎裕哉」としては初の音源となるデジタル1stシングル『始まりの街』をリリース。2020年10月、初のフルアルバム『Golden Hour』をリリース。
尾崎裕哉(おざき ひろや)
1989年、東京生まれ。2歳の時、父・尾崎豊が死去。母と共にアメリカに渡り、15歳までの10年間を米国ボストンで過ごす。慶應義塾大学大学院卒。2016年に自伝『二世』(新潮社)を出版しアーティスト「尾崎裕哉」としては初の音源となるデジタル1stシングル『始まりの街』をリリース。2020年10月、初のフルアルバム『Golden Hour』をリリース。

無言の2年間は、自らを見つめ直し、「尾崎豊の息子」ではなく「尾崎裕哉」を待ってくれている人たちの存在に気づけた期間だった

―2017年に2枚のEPをリリースして以降、2018年と2019年は表立ったリリースがなく、弾き語りツアーなどを行っていたわけですが、尾崎さんにとってどんな2年間だったと言えますか?

尾崎:武者修行ですね。リリースをしなくても、ついてきてくれる人、待ってくれる人がいるってことに気づけたのは大きな収穫でした。これまでは七光り的な部分も大きかったし、それによって聴いてくれている人もいたけど、この無言の2年間でそういう人は離れていっちゃったなと。それはよくも悪くもですけどね。

尾崎裕哉“Glory Days”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

―「尾崎豊の息子のファン」ではなくて、「尾崎裕哉のファン」が残ったということですよね。

尾崎:そういう人たちがちゃんとライブに足を運んで、自分を見に来てくれることは、アーティストとしての自信になったというか……安心感がありました。「自分のやってることは本当に意味のあることなんだろうか?」って、考えちゃうこともあるんですけど、そういうときに、自分の言葉を求めてくれる人が、自分をちゃんと見ようとしてくれる人がいるって事実は、アーティスト活動をする上での土台になるんです。それがあったからこそ、武者修行をして、自分のスタイルを模索できたなと思います。

―尾崎さんは正式にデビューをしたのが27歳で、その時点で「満を持して」という感覚もあったと思うのですが、2枚のEPをリリースしてみて、「やっぱりもっと修行が必要だ」と感じた部分があったのでしょうか?

尾崎: EPを2枚出しても、まだ自分の音楽性の半分も出せてないし、もっともっとできるなと思ってました。常にいろんなスタイルにチャレンジしたいので。レーベルを移籍したのもあってリリースのタイミングを探っていたところもあるんですけど、一番は自分の曲作りともっと向き合いたかったのが大きかった。いろんな人とコラボレーションをしながら、自分の立ち位置を見つめ直した期間でした。

尾崎裕哉
尾崎裕哉“音楽が終わる頃 feat. 大比良瑞希”を聴く(Apple Musicはこちら

―そんななかで、今年はコロナ禍に見舞われたわけですが、音楽をやることの意味や、音楽の役割について、何か思うところはありましたか?

尾崎:音楽が役割を失うことは一生ないと思うんですよね。震災のときって、「衣食住以外のものって本当に必要なのか?」みたいなことをみんなが考えて、音楽にできることの少なさを痛感した人も多かったと思うんです。とはいえ、音楽を聴いて気持ちが救われる人は常にいるわけで。その経験を経た今となっては「音楽が役割を失うことはない」って俺は断言できる。

なので、コロナ禍での音楽の意味を模索するというよりはーーまだちゃんと薬も開発されていない不確実な状況で俺がやるべきことは、自分が作りたいものを作るってことだけ。コロナには左右されないというか、もともとあった『Golden Hour』の構想は非常にパーソナルなものだったので、それをそのまま出すだけだと思いました。

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リリース情報

尾崎裕哉『Golden Hour』
尾崎裕哉
『Golden Hour』(CD+DVD)初回生産限定盤

2020年10月21日(水)発売
価格:4,000円(税込)
SECL-2627/2628

[CD]
1. Golden Hour
2. Awaken
3. Road
4. つかめるまで feat. 大比良瑞希
5. LONELY
6. 想像の向こう
7. Glory Days
8. 蜃気楼
9. 音楽が終わる頃 feat. 大比良瑞希
10. 143
11. Rock 'n Roll Star feat. 布袋寅泰
12. ハリアッ!!(Smooth Drive Ver.)

[DVD]
『HIROYA OZAKI ”Golden Hour” MOVIES』
1. LONELY [Video Clip]
2. Making of "LONELY"
3. 音楽が終わる頃 feat. 大比良瑞希 [Video Clip]
『HIROYA OZAKI LIVE '20/05/29【MUSIC/SLASH】』
4. 143
5. 君と見た通り雨
6. OH MY LITTLE GIRL

尾崎裕哉『Golden Hour』
尾崎裕哉
『Golden Hour』(CD)通常盤

2020年10月21日(水)発売
価格:3,100円(税込)
SECL-2629

1. Golden Hour 
2. Awaken
3. Road
4. つかめるまで feat. 大比良瑞希
5. LONELY
6. 想像の向こう
7. Glory Days
8. 蜃気楼
9. 音楽が終わる頃 feat. 大比良瑞希
10. 143
11. Rock 'n Roll Star feat. 布袋寅泰 
12. ハリアッ!!(Smooth Drive Ver.)

イベント情報

『ONE MAN STAND 2020』

2020年10月23日(金)
会場:福岡県 福岡ROOMS

2020年10月28日(水)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3

2020年10月31日(土)
会場:和歌山県 和歌山CLUB GATE

2020年11月1日(日)
会場:兵庫県 神戸VARIT.

2020年11月3日(火・祝)
会場:愛知県 名古屋 SPADE BOX

2020年11月7日(土)
会場:石川県 金沢GOLD CREEK

2020年11月8日(日)
会場:新潟県 新潟ジョイアミーア

2020年11月13日(金)
会場:北海道 ふきのとうホール

2020年11月15日(日)
会場:栃木県 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 2/3 VJ-4

2020年11月19日(木)
会場:神奈川県 F.A.D yokohama

2020年11月21日(土)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1

『ONE MAN STAND 2020』

2020年12月9日(水)
会場:神奈川県 Billboard Live YOKOHAMA

2020年12月14日(月)
会場:東京都 Billboard Live TOKYO

2020年12月17日(木)
会場:大阪府 Billboard Live OSAKA

『ONE MAN STAND 2020 CHRISTMAS SPECIAL』

2020年12月24日(木)
会場:大阪府 大阪市中央公会堂

プロフィール

尾崎裕哉
尾崎裕哉(おざき ひろや)

1989年、東京生まれ。2歳の時、父・尾崎豊が死去。母と共にアメリカに渡り、15歳までの10年間を米国ボストンで過ごす。慶應義塾大学大学院卒。2016年に自伝『二世』(新潮社)を出版しアーティスト「尾崎裕哉」としては初の音源となるデジタル1stシングル『始まりの街』をリリース。2017年春、初のフィジカルCD作品『LET FREEDOM RING』をリリース。以降はフルオーケストラとの競演「ビルボードクラシックス」、弾き語りツアー「ONE MAN STAND」、バンドライブ「INTO THE NIGHT」と様々なスタイルでのライブを開催。2020年10月、初のフルアルバム『Golden Hour』をリリース。

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