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コンテスト連続優勝とコロナでの不運。PULPSデビュー前の軌跡

コンテスト連続優勝とコロナでの不運。PULPSデビュー前の軌跡

PULPS『the the the』
インタビュー・テキスト・編集
タナカヒロシ
2020/10/15

「原田知世さんと妄想で結婚して、この歌詞になりました」(田井)

―今回リリースされた『the the the』は、本当は「複数のコンテンストで優勝して、King Gnuの前に出ていたバンドが全国デビュー!」という流れで出るはずだった作品ですよね。

田井:そうですね(笑)。お預けになっていたものを改めてリリースという感じです。

大石:でも、コロナ禍で進めていないバンドも多いなかで、こういう機会を与えてもらって、むしろ恵まれてるほうやなって、プラスに捉えてます。

―『the the the』というタイトルは、どういう意味なんですか?

田井:これもバンド名と同じく、あんちゃんが考えました。

あんちゃん:「the」っていう英語の意味は、僕にはよくわからないんですけど、「これ!」みたいなイメージがあったんです。アルバムは「いまの僕らはこれや!」っていう作品になったので、「これ! これ! これ!」っていう感じで『the the the』になりました(笑)。

田井:だから収録曲は、全部ここ1年くらいで作った曲です。

―フォークや歌謡曲の要素という意味では、“クチナシの部屋”がいちばん強く出ているのかなと思ったんですけど、これは結婚の歌ですよね。

田井:そうですね。新婚というか、結婚という幸せを見つけた2人の歌を想像で書きました。

PULPS“クチナシの部屋”MV

―なんでこういう曲を書こうと思ったんですか?

田井:この曲は詞とメロディーが同時に浮かんだんですけど、<くちなしの花を飾って>の部分は、最初は<くちなしの丘の下で>と歌っていて、それが頭から離れなかったんです。もともと原田知世さんの“くちなしの丘”という曲が大好きなこともあったので、これは他の歌詞は思い浮かばんわと思って、それやったら原田知世さんと結婚したらこうなのかなっていう歌にしようと思ったんです。

地本:なんでそうなるん!?(笑)

田井:小さい頃から原田知世さんが出ているブレンディボトルコーヒーのCMを見てて、幸せな家庭、幸せな奥さん=原田知世さんというイメージやったんですよ。それで妄想で結婚して、この歌詞になりました。

―妄想で曲を作ることは多いんですか?

田井:メンバーのことを歌った曲とかもありますけど、妄想で作ることも多いですね。自分の身の回りに事件とかがまったくないので、その代わりに妄想しているのかなと思います。

今回のなかだと“青い鳥”も妄想ですね。これもサビの<青い鳥>という歌詞がメロディーと一緒に浮かんできて、もう外せないなって。それで青い鳥を捕まえようとするけど、結局捕まえられないっていう詞にしようと思ったんです。青い鳥は幸せの象徴と言われているので、幸せを掴めそうで掴めない恋愛の歌っていうか。

PULPS“青い鳥”MV

「僕のなかで憂歌団はバンドの到達点。あの域に達することができたらなって思います」(田井)

―今作を聴いた人には、どういうバンドだなと思ってほしいですか?

田井:さっきも言ったようにエバーグリーンというか、ずっと人生に寄り添うような音楽が好きなので、流行りとか関係なく聴けるバンドっていうイメージを持ってもらえたら、いちばんうれしいですね。

地本:いい意味で派手じゃないと思うんです。ガヤガヤしてないし、トゲトゲもしてないし、普通に「いい曲やな」っていうふうに聴いてもらえたらと思うんですけど、大人になって聴いたときに、楽器の渋さとかに気づいてもらえたらうれしいですね。

僕らで言うと、ウルフルズとかがそうやったんですよ。昔から聴いてたけど、自分で楽器するようになってから「ウルフルズってすごかったんやな」って思うようになったので。

田井:僕はウルフルズも好きですけど、バンドの到達点は憂歌団やなって思うんです。かっちり演奏するわけじゃないけど、もうグルーヴっていう言葉では表せないくらいのものがあって。あの域に達することができたらなって思いますね。

憂歌団を聴く(Apple Musicはこちら

―Queenから憂歌団まで、ほんと守備範囲が広いですね。

田井:それも図書館のおかげです。ほとんど全部借りたくらいなので。

―ある意味、地元の図書館を背負って立つバンドですよね。中学生に図書館のCDを全部聴かせたら、こういうバンドができましたっていう。

地本:そこに僕らのCDを置いてもらったら完成ですね(笑)。

PULPS
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リリース情報

PULPS
『the the the』(CD)

2020年10月7日(水)発売

1. 青い鳥
2. 1989
3. クチナシの部屋
4. untitle crown
5. Flower

プロフィール

PULPS(ぱるぷす)

全員1994年生まれ、小学校の同級生4人により大阪府八尾市で結成。南蛮キャメロとして関西を拠点に活動し、『ツタロックフェス2020』『battle de egg2020』のオーディションで連続優勝。『ツタロックフェス2020』『COMING KOBE20』などへの出演権を獲得するも、新型コロナウイルスの影響で相次いで中止に。2020年8月にPULPSに改名し、同年10月に初の全国流通作『the the the』をリリース。フォークやUKロックの影響を受けた、どこか懐かしくキャッチーな楽曲を武器とする。

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