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Awesome City Clubと永野亮が語る、“勿忘”と映画『はな恋』

Awesome City Clubと永野亮が語る、“勿忘”と映画『はな恋』

Awesome City Club『Grower』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:YURIE PEPE 編集:矢島由佳子

ニューアルバム『Grower』の冒頭を飾っている“勿忘”は、Awesome City Clubにとってのターニングポイントとなる一曲だ。メンバーが本人役で出演もしている映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとして書き下ろされたこの曲は、映画のヒットとも相まって、現在各ストリーミングサービスのランキング上位をキープし続け、バンド最大のヒット曲となっている。作曲とアレンジに関わっているのは、atagiが以前から影響を公言するAPOGEEの永野亮。今回の対談では、“勿忘”の制作秘話をじっくり語り合ってもらった。

そして、このタイミングだからこそ、Awesome City Clubがこれまでどんなことを大切に活動してきたのかを、改めて知ってもらいたい。2019年のマツザカタクミに続いて、昨年はドラマーのユキエが脱退し、バンドが難しい状態に陥っていたのは事実だろう。しかし、それでも三人は音楽への愛情と泣き笑いの記憶を抱きしめながら、オーサムシティで生きていくことを選んだ。さあ、はじめよう。ここから、もう一度。

(坂元裕二さんから)「『東京ラブストーリー』の鈴木保奈美さんみたいだった」とおっしゃっていただいた。(PORIN)

左から:Awesome City Clubよりモリシー、atagi、PORIN。一番右が永野亮
左から:Awesome City Clubよりモリシー、atagi、PORIN。一番右が永野亮
Who is Awesome City Club? 1分でわかるAwesome City Club

―Awesome City Club(以下、オーサム)と永野さんのコラボレーションは前作『Grow apart』(2020年)からですが、遡れば5年前の自主企画『Awesome Talks Vol.3』(2016年3月17日、渋谷CLUB QUATTROにて開催)にAPOGEEが出演していましたよね。atagiさんにとって、永野さんでありAPOGEEというバンドは、どんな存在だと言えますか?

atagi:APOGEEは日本で一番好きなバンドで、もちろん永野さんのソロ名義の作品も聴いてるし、すごく影響を受けています。とにかく姿勢も音もクリエイティブなんですよね。音源を出すたびに、「今回はこんなアプローチなんだ」という驚きがあって、毎回見たことのないようなふり幅が出てくる。音楽のセオリー的な部分に恋しているというよりは、驚きと発想に毎回感激してますね。

―逆に、永野さんから見たAwesome City Clubはどんな印象ですか?

永野:対バンする前から知っていて、たぶん金子さんと話をしたと思うんだよね。

―あ、そうでしたっけ。

永野:僕らが再始動したタームで、LIQUIDROOMでgroup_inouとの2マンがあって、そのときに「Awesome City Clubというかっこいいバンドがいて、きっと永野さんも好きだと思う」と教えてくれて。で、僕もたまたま車を運転してるときに“Lesson”を聴いてて、いいバンドだと思ったから、「あ、知ってる」と思って。それから少ししてライブに誘ってもらって、音楽がかっこいいのはもちろん、ステージの魅せ方とかも含めて、音楽を単に音楽としてだけで捉えていないバンドで、それがコンセプチュアルにできあがってるのがすごいと思いました。

Awesome City Club“Lesson”(2015年)

映画『花束みたいな恋をした』では、麦(菅田将暉)と絹(有村架純)が“Lesson”を聴くシーンがある

―確かに、オーサムはこれまでずっと音楽を音楽としてだけではなく、ファッションやライフスタイルなどその周りにあるものまで含めて大事にしていました。ただ、近年はその土台の上で、改めて楽曲そのものを重視するようになっていたので、そのタイミングで永野さんと一緒に制作をするようになったのは必然の流れだったのかなと。

atagi:APOGEEからは「音楽に対して真摯たれ」という、ミュージシャンシップみたいなものをすごく感じるんです。僕もそういうものは持っていたいと思うので、その意味でも、永野さんと一緒に仕事ができるのは自分にとって大きなことですね。

Awesome City Club 2ndフルアルバム『Grow apart』(2020年リリース)では“トビウオ”と“STREAM”の2曲のアレンジを永野亮が手掛けている(Apple Musicはこちら

<あの鳥のように 大空駆ける日々を描いていた>と歌われる“トビウオ”のテーマは、APOGEE“アヒル”に対するオマージュ。APOGEE“Let It Snow”からリズムが引用されてもいる(Apple Musicはこちら

―映画『花束みたいな恋をした(以下、はな恋)』のインスパイアソングとして話題の“勿忘”は、アレンジだけでなく、作曲から永野さんが関わられた一曲で、すでにオーサムにとって大事な一曲になっていると思うし、これからますます大きな意味を持つ一曲になっていくのではないかと思います。そもそもは脚本の坂元裕二さんがオーサムのファンで、映画に出演したことから話が進んだそうですが、その経緯を話していただけますか?

Awesome City Club“勿忘”

PORIN:坂元さんがオーサムのことを好きでいてくださることは知っていたので、2019年8月のマツザカ(タクミ)の脱退ライブにご招待して、後日みんなで食事にも行って。その流れの中で、「今映画を作ってるんですけど、出演に興味ありますか?」というお話をいただいたんです。で、映画を撮り終えて、試写会に行ったときにすごく感銘を受けて、曲を作りたいと思ったのが始まりです。

―出演オファーがあったのは、どんな理由だったのでしょうか?

PORIN:坂元さんからは、ライブで私のパフォーマンスや存在を見たときに、「『東京ラブストーリー』の鈴木保奈美さんみたいだった」とおっしゃっていただいて。

―それはすごい……!

PORIN<br>Awesome City Club(オーサム シティ クラブ)とは、2013年に東京で結成された男女ツインボーカルのグループ。ポップス、ロック、ソウル、R&B、ダンスミュージックなど、メンバーそれぞれの幅広いルーツをミックスした音楽を発信している。2015年4月にデビュー。さまざまなアーティストへの楽曲提供やプレイヤーとしてライブに参加するなど、メンバーは個々の活動も盛んに行っており、クリエイターやファッションブランドとのコラボレーションでも注目されている。映画『花束みたいな恋をした』にPORIN・メンバーが本人役で出演し、さらに映画のインスパイアソング“勿忘”は各配信サイトで上位にランクインするなど話題を呼んでいる
PORIN
Awesome City Club(オーサム シティ クラブ)とは、2013年に東京で結成された男女ツインボーカルのグループ。ポップス、ロック、ソウル、R&B、ダンスミュージックなど、メンバーそれぞれの幅広いルーツをミックスした音楽を発信している。2015年4月にデビュー。さまざまなアーティストへの楽曲提供やプレイヤーとしてライブに参加するなど、メンバーは個々の活動も盛んに行っており、クリエイターやファッションブランドとのコラボレーションでも注目されている。映画『花束みたいな恋をした』にPORIN・メンバーが本人役で出演し、さらに映画のインスパイアソング“勿忘”は各配信サイトで上位にランクインするなど話題を呼んでいる

PORIN:もうひとつの理由として、坂元さんはコアなこともやりつつ、ちゃんとマスに向けて発信をして、結果を残してる方じゃないですか? オーサムもオシャレでかっこいいんだけど、やりたいことはマスに向いていて、その姿勢にすごくシンパシーを感じたし、だからオーサムが好きなんだよね、ともおっしゃっていただきました。

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リリース情報

Awesome City Club『Grower』
Awesome City Club
『Grower』(CD+Blu-ray)

2020年2月10日(水)発売
価格:6,050円(税込)
CTCR-96010/B

[CD]
1. 勿忘
2. tamayura
3. Sing out loud, Bring it on down
4. ceremony
5. 湾岸で会いましょう feat. PES
6. 記憶の海
7. Nothing on my mind
8. Fractal
9. 僕らはこの街と生きていく
10. 夜汽車は走る

[Blu-ray] 『Welcome to Awesome City – We are in our house -』他

Awesome City Club『Grower』
Awesome City Club
『Grower』(CD)

2021年2月10日(水)発売
価格:3,190円(税込)
CTCR-96011

1. 勿忘
2. tamayura
3. Sing out loud, Bring it on down
4. ceremony
5. 湾岸で会いましょう feat. PES
6. 記憶の海
7. Nothing on my mind
8. Fractal
9. 僕らはこの街と生きていく
10. 夜汽車は走る

イベント情報

『Awesome Talks - One Man Show 2021 -』

2021年5月7日(金)
会場:東京都 中野サンプラザ

作品情報

『花束みたいな恋をした』

2021年1月29日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開

監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
音楽:大友良英
出演:
菅田将暉
有村架純
清原果耶
細田佳央太
韓英恵
中崎敏
小久保寿人
瀧内公美
森優作
古川琴音
篠原悠伸
八木アリサ
押井守
Awesome City Club PORIN
佐藤寛太
岡部たかし
オダギリジョー
戸田恵子
岩松了
小林薫
配給:東京テアトル、リトルモア

プロフィール

Awesome City Club
Awesome City Club(おーさむ してぃ くらぶ)

2013年に東京で結成された男女ツインボーカルのグループ。ポップス、ロック、ソウル、R&B、ダンスミュージックなど、メンバーそれぞれの幅広いルーツをミックスした音楽を発信している。2015年4月にデビューミニアルバム『Awesome City Tracks』をリリース。さまざまなアーティストへの楽曲提供やプレイヤーとしてライブに参加するなど、メンバーはAwesome City Club以外での個々の活動も盛んに行っており、クリエイターやファッションブランドとのコラボレーションでも注目されている。メジャーデビュー5周年となる2020年に、バンドのさらなる飛躍を目指し、レーベルをavex / cutting edgeに移籍。映画『花束みたいな恋をした』にPORIN・メンバーが本人役で出演し、さらに映画のインスパイアソング『勿忘』をリリースすると各配信サイトでは上位にランクインするなど話題を呼んでいる。2021年2月10には“勿忘”を含む10曲を収録した、3枚目となるフルアルバム『Grower』をリリース。

永野亮(ながの りょう)

広島県出身、慶應義塾大学卒。2006年にAPOGEEのVocal&Guitarとしてデビュー、音楽活動を開始。2010年以降、CMなどの映像音楽作家としても活躍中。2011年6月6日にソロデビューアルバム『はじめよう』をリリース。APOGEEとしての最新アルバムは2018年3月にリリースされた『Higher Deeper』。

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