LEDのデジタル数字を用いた表現で知られる宮島達男が新しいテーマを模索

LED(発光ダイオード)のデジタル数字を用いた独特の表現手法で国際的に評価される現代美術アーティスト・宮島達男による『Warp Time with Warp Self』が、東京・台東区のSCAI THE BATHHOUSEで12月22日まで開催されている。

1980年代後半からいち早くLEDという素材に注目した宮島は、20年以上のあいだLEDのデジタル数字を常に表現言語に用い、六本木ヒルズテレビ朝日社屋の外壁に恒久設置された「Counter Void」や瀬戸内海の直島の古民家に展示されている「Sea of Time '98」などを手がけてきた。

今までの宮島の作品は、一貫して時間と空間の感覚をテーマとし、法則に従った規則正しいリズムの中でLEDが点滅を繰り返すことで現れる秩序と静寂の下にその表現手法が評価されてきた。しかし今回の新作では、単純なアルゴリズムの下に支配されない時間と空間の規則性を越えて展開する数字と数字の関連性、それが生む偶発的な事象によるイマジネーションの飛躍をコンセプトとした彫刻作品7点が展示されるなど、既存の「静謐な」イメージをやぶる新たな挑戦が繰り広げられる。

あらゆる事象や生命は一所にとどまらず、既存の枠を超えて多くの物事と関わりながら豊かな進化を続けていくという、宮島の新しい世界観の在り方を示唆する最初の試みとなるだろう。

宮島達男『Warp Time with Warp Self』

2010年11月12日(金)~12月22日(水)
会場:東京都 台東区 SCAI THE BATHHOUSE
時間:12:00~19:00
休廊日:日、月曜、祝日

(画像上:“Changing Time with Changing Self No.2” 2001, 216 x 396 x 15 cm(参考作品)Installation view at Contemporary Art Gallery, Art Tower Mito photo: Sadamu Saito、画像中:“Changing Time with Changing Self No.25-W” 2002, 264 x 264 x 15 cm(参考作品)、画像下:“C.F.Plateaux No.9” 2007, 84.9 x 100.8 x 1 cm(参考作品))

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