精神病院が廃止されたイタリア、熱血漢と元患者の実話描く『人生、ここにあり!』

イタリアでの実話をもとに、精神病院の元患者たちと熱血労働組合員の社会での奮闘を描いたヒューマンドラマ『人生、ここにあり!』が、今夏に東京・シネスイッチ銀座ほか全国で公開される。

1978年に制定された「バザーリア法」により、続々と精神病院が廃止されていくイタリア・ミラノ。労働組合員のネッロは、正義感が強く労働の尊厳を固く信じているが、革新的な考えを持つ異端児でもあった。ある日ネッロは、労組のために出した本で組合から反逆者扱いされ、別の共同組合へ移動させられる。そこに集まっていたのは、精神病院が廃止されて居場所がなくなった元患者たちだった。

「バザーリア法」とは、1978年にイタリア全土で実際に制定された世界初の精神科病院廃絶法で、最初に精神病院廃絶を唱えた精神科医フランコ・バザーリアにちなんで名付けられたもの。精神科病院への入院、再入院を禁止にし、予防や治療は地域の精神保健サービス機関で行われ、治療を患者の自由意志に委ねるという法律だ。

これまでイタリア本国でも語られることのなかった実話を、愛と笑いに溢れたエンターテイメント作品に仕立て上げた同作は、2008年にイタリア国内で公開され、1年以上に及ぶロングランを記録している。

また、精神病院の元患者役のオーディションは、役者の知名度にこだわらず1年以上かけて実施。役者たちに精神科病院や精神医療に関する施設での研修をさせるなど本格的な演技も見どころだ。

『人生、ここにあり!』

2011年夏 シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ジュリオ・マンフレドニア
原案・脚本:ファビオ・ボニファッチ
出演:
クラウディオ・ビジオ
アニータ・カブリオーリ
アンドレア・ボスカ
ジョヴァンニ・カルカーニョ
ミケーレ・デ・ヴィルジリオ
カルロ・ジュセツペ・ガバルディーニ
配給:エスパース・サロウ

(画像:©2008 RIZZOLI FILM)

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