北イタリアのレッジョ・エミリアで実践されているアートを通じた幼児教育を紹介する企画展『驚くべき学びの世界展』が、東京・神宮前のワタリウム美術館で7月31日まで開催されている。
レッジョ・エミリアの教育は、芸術を通じて子どもの想像力や、自主性の発育を促すというもの。第2次大戦中のレジスタンス運動によって始まり、代表的な指導者、ローリス・マラグッツィの指導によって確立された。1970年代に北欧を中心とするヨーロッパ諸国、1980年代以降はアメリカに広がり、1991年に『ニューズウィーク』誌上において「世界で最も優れた教育」と絶賛されて以降は、アジア諸国を含む全世界に知られることになった。
同展は「イントロダクション」「書くことの魅力」「場所との対話」「モノとの対話」「光線」「アイディアとプロジェクト」の6つのテーマで構成され、それぞれのテーマに沿った23のプロジェクトを展示。グローバリゼーションによって迷宮入りした先進国諸国の教育の風景を、「学びのワンダーランド」へ転換する前衛的方法を提示する。
また、関連企画として専門家を招いた講演やワークショップも多数開催され、谷川俊太郎、康本雅子などがゲストとして登場する。参加には、事前の申込みと参加費が必要となるので、詳しくはワタリウム美術館のオフィシャルサイトで確認して欲しい。
『驚くべき学びの世界展』
2011年4月23日(土)~7月31日(日)
会場:東京都 神宮前 ワタリウム美術館
時間:11:00~19:00(水曜は21:00まで)
休館日:月曜
料金:大人1,000円 学生(25歳以下)800円 大人ペア券1,600円 学生ペア券1,200円
※期間中、何度も使えるパスポート制
『子ども教育研究会 ―芸術と教育と福祉の統合―』(全6回)
第3回
『読み書きの学びの支援 ―元気を与える支援とは?―』
2011年6月18日(土)19:00~21:00
講演:小池敏英
第4回
『質の良い空間とは?−創造性の環境づくり』
2011年6月26日(日)19:00~21:00
対談:芦原太郎、佐藤学(東京大学大学院教育学研究科教授)
第5回
『レッジョに学ぶアートの教育=台湾と日本』
2011年7月3日(日)19:00~21:00
対談:林曼麗、佐藤学(東京大学大学院教育学研究科教授)
第6回
『レッジョ・エミリアの保育の魅力』
2011年7月9日(土)19:00~21:00
講演:秋田喜代美
参加費:単回2,000円
※予約制(定員になり次第締切)
(画像上:子どもたちが描いた「街のなかで自由になった円柱」、画像中:子どもたちがつくった「音の彫刻」のデザインためのスケッチ、画像下:子どもたちが描いた「階段の声」)