カメラの眼を通して探る人間と衣服の関係、展覧会『杉本博司 ハダカから被服へ』

人間と衣服の関係を現代美術家・杉本博司がカメラの眼を通して探る展覧会『杉本博司 ハダカから被服へ』が、3月31日から東京・品川の原美術館で開催される。

杉本は、1970年代後半に着手したという自然史博物館のジオラマを撮影した『ジオラマ』シリーズや、全米などの映画館で撮影した『劇場』シリーズで脚光を浴び、世界中の海と空を同じ構図で撮り続けた『海景』シリーズとあわせて美術家として国際的な評価を確立。2000年代に入った今もなお、建築の設計や文楽・能などの舞台活動にも活躍の場を広げている。

杉本にとって原美術館での初めての展覧会となる『杉本博司 ハダカから被服へ』では、ガブリエル・シャネル、イヴ・サンローラン、川久保玲など、20世紀を代表するファッションを彫刻的にとらえた『スタイアライズド スカルプチャー』シリーズを中心に展示。「人類の衣服の歴史は人類の歴史そのものと同じほど古い」ことに着目し、「人体とそれを包む人工皮膚を近代彫刻として見る」という視点から制作された同シリーズは、人間にとっての衣服の意味および人間と衣服の関係を掘り下げる示唆的な内容になるという。

また、『スタイアライズド スカルプチャー』シリーズに加え、『ジオラマ』および『肖像写真』から選んだ写真作品や、杉本博司自身が演出を手がけた文楽の人形、デザインを手がけた能楽の装束、これまで収集した美術工芸品も紹介。人間の身体と「装う」ことの意味を、杉本博司ならではの視点で読み解く。


『杉本博司 ハダカから被服へ』

2012年3月31日(土)~7月1日(日)
時間:11:00~17:00(水曜は20:00まで、入館は閉館時刻の30分前まで)
会場:東京都 品川 原美術館
料金:一般1,000円 大高生700円 小中生500円

関連イベント『対談 杉本博司×深井晃子』
2012年4月1日(日)14:30~16:00
会場:東京都 品川 原美術館ザ ホール
出演:
杉本博司
深井晃子(京都服飾文化研究財団理事、チーフ キュレーター)
料金:一般2,000円(入館料込、要事前申し込み、詳細は原美術館ウェブサイトおよびブログほか参照)

(画像上から:「スタイアライズドスカルプチャー 003 [川久保玲 1995]」 2007年 衣装所蔵:公益財団法人京都服飾文化研究財団 ゼラチンシルバープリント 149.2 x 119.4 cm ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi、「類人」 1994年ゼラチンシルバープリント 64.7 x 89.5 cm ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi、「スタイアライズドスカルプチャー 008 [イヴ・サンローラン 1965]」 2007年 衣装所蔵: 公益財団法人京都服飾文化研究財団 ゼラチンシルバープリント 149.2 x 119.4 cm ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi、「スタイアライズドスカルプチャー 011 [ジョン・ガリアーノ 1997]」 2007年 衣装所蔵: 公益財団法人京都服飾文化研究財団 ゼラチンシルバープリント 149.2 x 119.4cm ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi)

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