現代美術家・高嶺格のアイロニカルな「クールジャパン」展、新作インスタレーションも

現代美術家・演出家の高嶺格による展覧会『高嶺格のクールジャパン』が、12月22日から茨城・水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催される。

1968年に鹿児島で生まれた高嶺は、1990年代初頭からパフォーマンス活動を展開。近年は、アメリカの帝国主義、障がい者の性、在日外国人問題といったテーマに焦点をあてながら、支配する側とされる側、当事者と非当事者の入り組んだ関係を浮かび上がらせることで、鑑賞者自身への問いを喚起する作品を数多く発表している。

同展のために高嶺は2か月半にわたり茨城・東海村と水戸市の中間地点の町に滞在し、構想を練ると共に制作に取り組んだという。展覧会のタイトルになっている「クールジャパン」とは、日本人の優れた技術力や、食や漫画といった日本の文化を海外に積極的に発信するために日本政府が掲げているキーワードを指しており、鑑賞者は展示室ごとに展開される体感型の新作インスタレーションから、アイロニカルな高嶺格版クールジャパンの世界を訪ねることができるという。

高嶺は同展について「(震災後)私たちはイメージの数多くを目にしてきたけれども、その裏にある見えないものをいかに可視化できるか。その見えないものとは最近生じたものではなく、昔から連綿と続いている。原爆から福島の原発事故に対して、人々がこれまでどう反応しどう抑えつけられてきたか、ということと関連して考えたい」とコメントしている。

『高嶺格のクールジャパン』

2012年12月22日(土)~2013年2月17日(日)
会場:茨城県 水戸芸術館現代美術ギャラリー
時間:9:30~18:00(入場時間は17:30まで)
休館日:月曜、12月27日~2013年1月3日、1月15日、2月12日(ただし12月24日、1月14日、2月11日(月・祝)および12月25日は開館)
料金:前売600円 一般800円
※中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料

(画像上から:『ジャパン・シンドローム 水戸編』2012年 撮影:松本美枝子、アトリエでの制作風景 撮影:松本美枝子、『A Big Blow-job』2004年(参考図版)、『発電する人々』2010年(参考図版))

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