映画『彷徨える河』が10月29日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
20世紀初頭と中盤にアマゾンに足を踏み入れた、2人の白人探検家の手記に触発されて制作された同作。重篤な病に侵されてジャングルを訪れたドイツ人民族学者の治療のため、先住民の唯一の生き残りであるシャーマンのカラマカテが、幻の聖なる植物ヤクルナを求めて川を下る様と、その数十年後に孤独によって記憶や感情を失ったカラマカテがヤクルナを求めるアメリカ人植物学者との出会いをきっかけに再び旅に出る様子を、2つの時間軸を交差させながら描く。
メガホンを取ったのは『Variety』紙の「2016年に注目すべき監督10人」に選出されたコロンビア出身のシーロ・ゲーラ。『彷徨える河』では、神秘的な幻覚や呪術に彩られた世界観をモノクローム映像と多層に重ねられた音で具現化している。なお同作は『第68回カンヌ国際映画祭』監督週間芸術映画賞を受賞したほか、コロンビア映画としては初めて『第88回アカデミー賞』外国語映画賞にノミネートを果たした。