ホン・サンス監督『それから』に町田康、菊地成孔、ホンマタカシらが賛辞

6月9日から公開される映画『それから』への著名人によるコメントが寄せられている。

ホン・サンス監督の『それから』はモノクローム映像による作品。小さな出版社に勤めることになった女性・アルムが社長の不倫騒動に巻き込まれていくというあらすじだ。アルム役は『お嬢さん』のキム・ミニが演じるほか、クォン・ヘヒョ、キム・セビョク、チョ・ユニらが出演する。

同作にコメントを寄せたのは、柴崎友香、Noritake、相田冬二、吉田大八、濱口竜介、町田康、ホンマタカシ、町山広美、菊地成孔、宇野維正といった顔ぶれ。町田康は「静かな結末はよく見ると凄絶。彼女の向かう先には『それからが空洞のように開いて私たちの日常に繋がっている。映画が終わって私たちは自分の『それから』に向き合うしかないのである」とコメントしている。

柴崎友香のコメント

そこにある現実と不確かさ、愛と不信、その先にあるものを知りたくなって、わたしはこの映画を繰り返し観てしまう。

Noritakeのコメント

パレットに好きな水彩絵の具だけを置いてみて、混ぜていると、濁ってしまう。
キャンバスに塗ってみると、そんなに悪くない色をしている。
モノクロの中に何色ともいえない色を感じます。

相田冬二のコメント

エモーションはいま、あらたな次元に。
深くて鮮烈、ビターでやわらか、辛くて透明。
この筆致が、わたしたちの混迷を抱きしめる。
人生は愚かなほど、きっと美味しい。

吉田大八のコメント

天国と地獄の間に一瞬だけ射し込む光、美しい恩寵!奇蹟と書いてキム・ミニと読む。

濱口竜介のコメント

欲望に駆られた人を嘲笑うのではなく、愛に苦しむ人に寄り添う、ホン・サンスの新境地。
女優キム・ミニの美しさが胸に染み入ってくる。

町田康のコメント

静かな結末はよく見ると凄絶。
彼女の向かう先には「それから」が空洞のように開いて私たちの日常に繋がっている。
映画が終わって私たちは自分の「それから」に向き合うしかないのである。

ホンマタカシのコメント

夏目漱石
そして人生の機微
ただただラストショットのために、この映画は実存している。

町山広美のコメント

今度のホン・サンスはいよいよ剥き出しだ。
お得意の飲み屋の会話がめくれて、真実がつるんと剥き身になる瞬間に鳥肌がたった。
人生の結末を見ることは誰にもできない。物語ではないから、ただ「それから」が続く。
だから、信じれば大丈夫。疑えば恐れれば不自由になるよ。できることをしよう、さあもう一杯。

菊地成孔のコメント

「人生は、ほとんど同じことを繰り返しているだけだ」と、自作の反復性を説明して見せた、愛までを観察の素材とする、ホン・サンスの人生に初めて生じたスキャンダルという綻び、それが作品にどう現れたか?スリリングでシンメトリック、リリカルなミニマリズム。

宇野維正のコメント

映画の「聖」と人間の「俗」が交差する特別な場所にホン・サンスの作品はある。
そしてこれが重要なのだが、物語が毎回とても面白い。
中でも『それから』はホン・サンス史上最高に面白いのではないか。

作品情報

『それから』

2018年6月9日(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:ホン・サンス 出演: クォン・ヘヒョ キム・ミニ キム・セビョク チョ・ユニ 上映時間:91分 配給:クレストインターナショナル
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