被災県3紙による防災記事で構成されたおみやげ袋「おみやげ防災」無料配布

神戸新聞社、福島民報社、熊本日日新聞社の「おみやげ防災プロジェクト」として「おみやげ防災」が無料配布される。

「おみやげ防災」は、1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震時に得られた防災知見を全国に発信するべく、被災地を取材してきた地元新聞社が集めた防災記事で構成された「おみやげ袋」。観光客が「おみやげ」と共に新聞社に蓄積された防災知見を持って帰ってもらえる仕組みとして制作された。

兵庫・神戸では阪神・淡路大震災が発生した1月17日から三宮駅や神戸空港をはじめとした神戸を象徴する場所で配布。福島では東日本大震災が発生した3月11日、熊本では熊本地震が発生した4月14日に各地方の象徴的な場所で「おみやげ防災」を配布していく。神戸新聞は「在宅時の避難」、福島民報は「水害対策方法」、熊本日日新聞は「避難所での生活方法」を紹介。

昨年度起案し、実施予定だった同プロジェクトは新型コロナウイルス感染拡大に伴う観光などの県外移動自粛の理由から延期していたが、感染拡大が続く今もなお災害のリスクは常に隣りあわせであることから被災地の防災知見が広がることに意味はあると考え、配布を実施する運びになったという。

おみやげ防災ステートメント(神戸新聞版)

コロナの収束を、
災害は待ってくれるだろうか。

コロナという未曾有の危機に直面する今、
一体どれだけの人が災害に備えることが
できているでしょうか。
地震は人の都合など考えてはくれない。
26年前の今日、震災で日常が一変した私たちは、
そのことを誰よりも知っています。
だから、今、こんな時こそ、改めてみんなに
防災についても見直してもらいたい。
このお土産袋に載っている記事は、神戸新聞が
地元新聞社として、阪神・淡路大震災を
一番近くで取材して集めた防災知見です。
被災地の経験を、被災地だけの経験にしないために。
まずはこの地で暮らす人の手から、その先の大切な誰かへ、
徐々にでも、命を守る情報が広がることを願って作りました。
災害は防げなくても、知識があることで防げる被害はきっとあるから。
お土産袋になった神戸新聞、今日から配布をはじめます。

宗像恒成(福島民報)のコメント

東日本大震災から8年半が経った2019年10月に発生した台風19号と記録的大雨により、福島県内では32名の尊い命が奪われました。大災害の中、命を守るため住民はどう行動したかを袋に記しました。災害時の行動に生かしてほしいと思います。

大岸裕樹(神戸新聞)のコメント

被災した地元紙だから発信できる「生の防災知見」という価値のある情報を、全国に届けようとはじまったこの企画。震災から復興した神戸の街を体験された人が、お土産と一緒に防災知見を全国各地に届けていただければうれしいです。コロナ禍の今だからこそ、いつ起こるかわからない災害に備えて欲しいと思います。

柳原哲郎(熊本日日新聞)のコメント

熊本地震では最大震度7の揺れと、その後も続く余震によって、多くの人々が被災し、長期的な避難を余儀なくされました。熊本ではその中で、要支援者や子供たちに対する配慮、また避難所での過ごし方について、様々な知見を積み上げました。このお土産袋を手に取った方が、この知見を活かして災害に備えていただけたら幸いです。

 

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