教員がLGBTについて学ぶための教材キットが無料公開 個人学習や研修に

教員がLGBTについて学ぶための教材キットが、本日3月1日から無料公開されている。これは認定NPO法人「ReBit」が提供する「Ally Teacher's Tool Kit」の第3弾となる。

「Ally Teacher's Tool Kit」は、LGBTの子供も過ごしやすい学校を作るため、教師がLGBTに理解の深い「アライ」になることをサポートするもの。2017年に中学校版、2018年に小学校高学年版を提供しており、第3弾は教職員研修に特化した内容だ。教員がLGBTの基礎知識や、LGBTの子供の困りごとや相談への対応、LGBTの子供にとっても心理的安全性のあるクラス作りについて学ぶことができる。個人のeラーニングや教員研修にも使用でき、映像などは無料でダウンロードまたは取り寄せることが可能だ。修了後にはオンラインコミュニティ「にじいろ子ども応援団」に無料で参加することができる。

教材キットは、約40分間の動画やワークシート、配布資料、実際に研修を行なう際に使用する研修計画書などから構成されている。

ReBitは教職員のLGBT理解を促進する理由として、LGBTの約7割がいじめを経験しており、学校が安全な場所ではないことを挙げている。ReBitが2014年と2015年に行なった調査では教員の9割がLGBTについて学んだことがないという結果が出ており、中学や小学校の教科書の一部にLGBTについての記載があるにもかかわらず、適切に教えられない可能性があることや、生徒からの相談にどのように対応すればいいのかわからないといった教職員からの不安や疑問の声があるという現状を踏まえている。

藥師実芳(ReBit代表理事)のコメント

「トランスジェンダーだなんてバレたらもう学校に行けない」そう思って自分を押し込めた、小中高校時代。もしも「アライ先生」と出会えていたら、毎晩布団で泣くことも、自殺未遂をすることも、なかったかもしれません。Ally Teacher's Tool Kitを通じて、全国の学校に「アライ先生」が増え、LGBTを含めた全ての子どもに安全な学校空間と、自分らしく過ごせる学齢期が届くことを願っています。​

小川奈津己(ReBit教育事業部マネージャー)のコメント

小学校・中学校・高校と、自分のことを「俺」といっても、男子のブレザーで登校しても、何もいわず尊重してくれた先生たちがいたから、私は学校に通い続け、先生になるという夢を抱き、実際に教師としてはたらくことができました。でももし他の学校だったら、他の先生だったら、どうなっていたかわかりません。全国どの地域にもどの学校にも「アライ先生」がいることが、安心安全な学校生活と学習機会の保障には重要だと実感しています。

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